見出し画像

飲食企業応援セミナー ~初めてのテイクアウト編~

こんにちは、インフォマートの佐藤です。5月20日に開催された、LINE株式会社と弊社の共催セミナーのレポートをお届けいたします。公式アカウントのお友だち数1000万人を誇るテイクアウトサービス「LINEポケオ」を運営するLINE株式会社から、テイクアウトでの売上UP方法を教えていただきました。

◆セミナータイトル
 飲食企業応援セミナー~初めてのテイクアウト編~

◆登壇者
 株式会社インフォマート 西日本営業部 課長 河野秀和
 LINE株式会社 O2Oカンパニー グルメサービスチーム  秋吉愛様

【テイクアウト業態に挑戦できる飲食店の作り方】

 まずは、インフォマートから簡単にシステムのご紹介をさせていただきました。サービス開始から右肩上がりで導入企業様が増えており、今では5店舗に1店舗が弊社のシステムを導入いただいております。北海道から沖縄まで全国でご利用いただいておりますが、参考として東京東部の導入MAPもご紹介させていただきました。

画像1

ここから本題に入ります。
まずは背景として、「テイクアウト・デリバリー」がブームになっている要因として、考えられる点が下記5つです。
    ①女性の社会進出
    ②単身世帯の増加
    ③孤食化・個食化
    ④軽減税率
    ⑤テレワークの増加(急激に増えた理由は⑤が強い)

また、新型コロナの影響で皆さまご存知のとおり、巣ごもり、買い置き、自宅でのイベント、ローカル化、在宅ワークや在宅授業 等が急増しています。下の図は、インフォマートのデータを2019年度と比較したものです。この図からわかることは
①軽減税率によってテイクアウトの需要が増えた(2019年11月)
②3月のテイクアウト・仕出し業態の減り幅が少ない
上記2つが考えられます。

画像2

【テイクアウトに求めること】
外部調査の結果で、テイクアウトに求めることは
①安全性②美味しいメニュー③価格 であることがわかりました。
今回は、①安全性にフォーカスをあてていきます。
②については、普段スーパーでは買えない飲食店独自のメニューを求めていて、③については、高級店など日ごろ食べられないお店でお値打ちのお弁当を買いたいというような要望です。

安全性について、よくある質問3点を挙げます。
1.テイクアウトを行うにあたっての注意点は?
 ⇒衛生管理の徹底を!マスクとビニール手袋とメッシュキャップの着用
  手には沢山の菌が潜んでおり、その中でも黄色ブドウ球菌が有名です。
  おにぎりなど素手で握ると、付着して増殖するため注意が必要です。
  メッシュキャップは異物混入を防ぐために効果的と言われています。
  梅雨は食中毒が最も増える時期なので衛生管理は徹底して行うべきで、
  温かいものと冷たいものを一緒にしない、カレーなども菌が増えない
  ように温度を下げて提供するなど工夫していきましょう。

2.消費期限や原材料名の表示(一括表示)は必要?
 ⇒店内で調理した料理をテイクアウトやデリバリーする場合は、
    消費期限や内容量、原材料名などの表示義務はない
   日本フードサービス協会のガイドラインでは、「本日中にお召し上が
   り下さい」シールを貼ることを推奨しています(リスク軽減の為)。

  ⇒②仕入れ商品を転売する場合やCKなどで調理された料理を販売する場合
    消費期限や内容量、原材料名などの表示義務あり
   判断が難しいケースもあるので、保健所に確認をとることをお勧めします。『その場で品質について説明できれば表示義務はない』とも言われています。

3.問い合わせって本当にあるの?
 ⇒問い合わせは増加傾向にあります。
  理由は、「食品事故の増加」と「アレルギー人口の増加」です。
  今はアレルギーは2人に1人あると言われていて、実際セミナー中の
  アンケートでも、40人中31人の方が身近にアレルギーの人がいると
  回答していました。

画像3

上記で触れたアレルギーに関しては、2007年~2013年の間で10万人も増加しています。「アレルギー人口の増加」に加え、「アレルギー物質の増加」も問い合わせ増加の要因になっています。即対応・即回答できる準備が整っている=お客様が安心して購入できる(安全性)に繋がると言えます。

画像4

 インフォマートではメニュー毎にアレルギーを管理できる「メニュー管理機能」をご用意しています。材料ごとに分かりますし、アレルギーの有無で検索も可能です。一覧表にしてダウンロードもできます。また、受発注と紐づいているため、材料の単価が変わった際に自動で変更が可能となり、手計算が不要になります。

画像5

活用いただいている事例として、エイジーエム様をご紹介しました。「メニュー管理機能」で作成したメニューをタブレット等で社内共有されていたり、メニューブックに原材料・原産国に加え、アレルギーやベジタリアンも表記されています。

画像6

 安心をお届けするテイクアウトを構築することで、リピーターが増え、新たな客層を獲得できると考えています。そのために、今だからこそシステム構築を進めてアフターコロナに備えていきましょう。

【売上拡大に向けた、デリバリー・テイクアウトサービスの活用】

 続いてLINE様より、社会情勢の変化で、いかにこれからテイクアウトやデリバリーのニーズが増えていくかという点についてご紹介いただきました。左の図はデリバリーとテイクアウトの市場規模のグラフで、右の表は内食・中食・外食の市場推移です。真ん中の中食が最も伸び率が良く、10年前と比べて120%の伸びを示しています。

画像7

◆飲食店を取り巻く環境の変化
 ①軽減税率 ②新型コロナウイルスの影響 ③時短志向の増加
④オンライン決済の普及 ⑤個食化 以上5点を挙げられており、順にご紹介いただきました。

①軽減税率の影響
 グレーがイートイン、緑がテイクアウト・デリバリーの食機会数です。軽減税率の影響で、ガクッとグレーのグラフが下がっていますが、対照的に緑のグラフが上がっている=テイクアウトの食機会が増えているということが見て取れます。また、消費税増税以降増加した飲食費用という統計データでも、消費税が据え置きである「家で調理」や「テイクアウト・デリバリー」の割合が圧倒的に高かったことも分かっています。

画像8

②新型コロナウイルスの影響
 飲食店の来店客数のデータです。最後の方少しだけグラフが伸びているのは、テイクアウトやデリバリーを始めた企業が多かったためと考えられます。また代表的な地方自治体の動きで、初期費用として1事業者あたり最大100万円の助成金を支給(東京都)、出前事業者と合同でデリバリーサービスを利用したユーザーへのポイント還元の実施(大阪・福岡)等があります。

画像9

③時短志向の増加
 女性の社会進出や、共働き世帯が増えているという背景から、時間がないため家事を楽にしたいというニーズが高いことが分かります。こういった中で、大きな初期投資をかけずに始められる施策として注目が集まり、今後も引き続き伸び続けると考えられる分野がテイクアウトデリバリーです。

画像10

ここからは、テイクアウト・デリバリーの具体的なお話をしていただきました。

画像11

①:これがすべてと言っても過言ではないくらい大事なポイントです。LINEでいえばLINEポケオのお友達数が指標となります。
②:決済にたどり着くまで、スムーズな導線になっているかは意外と重要な点です。決済までのステップが面倒だと、途中で離脱してしまうことも多々あるとのことでした。
③:ポイントサービスや、〇回購入で無料になるなどのメリットにどんなものがあるか。
④:店舗側でタブレットの利用方法がわからない等ヘルプが必要になった際のサポート体制。
⑤:①~④で比較しても甲乙つけがたい場合に最後の検討項目になるイメージです。

◆LINEポケオについて
LINEのグルメサービスには、『LINEデリマ』と『LINEポケオ』があります。『LINEデリマ』は2017年7月にサービス開始しており、3月には出前館との協業することを発表しています。今回は『LINEポケオ』を中心にご紹介いただきました。主な加盟店は下図にあるとおりで、有名なチェーン店が非常に多い印象です。LINEポケオの特徴として、
・新たなアプリは不要(LINE内で完結できる)
・位置情報を基点とした店舗の位置、メニュー、お得情報の掲載 等が挙げられます。

画像12

画像13

 位置情報の活用についてもご説明がありました。LINEは開く度に位置情報を取得しています。自宅や勤務先などいつもいる場所や最寄り駅を元々蓄積しているそうです。LINEポケオを初めて使う時に、何も入れずとも蓄積した位置情報が候補として出てくるようになっています。
 また、75%のユーザーが500m以上離れたところから注文しているというデータもあり、店の近くに住んでいたりお店を知っているユーザー以外の、新規ユーザーの獲得に効果的であるというお話もありました。新規ユーザーに店舗の位置を覚えてもらえるメリットとして、売上拡大はもちろんのこと、イートインの新規顧客開拓も挙げていました。1度テイクアウトとしてお店に取りに行けば場所を覚えるので、店内飲食で使っていただけるきっかけの1つになるということです。

画像14

 LINEポケオに掲載すると、LINEポケオ主体のキャンペーンにもれなく参加が可能です。例えば左図のような50%ポイントバックキャンペーンですと、利用ポイントの50%分のポイントを後日お戻しするというもので、加盟店からユーザーへのバックではなくLINE社からのバックとなっており、非常に人気の高いキャンペーンとのことです。LINEポケオのユーザーはLINEポイントを利用したり貯めたりしているユーザーが多いそうです。
 オーダー管理については、LINE社が提供するタブレットを店舗に一台置くだけで、テイクアウトの新規オーダーを受け付けることが可能です。回線付きですので、wifi環境がなくても利用可能ですし初期投資ゼロなのも嬉しい点です。

画像15

◆注文件数が多い店舗の特徴
実際に加盟店舗の中で注文件数が多い店舗の特徴を教えていただきました。
 ・写真のクオリティが高い
 ・ワンコインなどのお得なセットがある
 ・セール実施(値引きなどを月に1回程度続けていくと良い)
 ・店頭販促の実施(公式のシールも配布していて、イートインのお客様へ周知もできる)
 ・SNSの積極活用(LINEのアカウントやInstagramなど)
 また、とても良い事例をご紹介いただきました。とある地方の1店舗のお店で、4月の売上が2月3月と比べて増えていたため、何をしたのか尋ねたところ、SNSを積極活用していたことが分かりました。4月からTwitterで毎日おすすめを投稿していて、5月も欠かさず続けた結果、5/20時点で4月の数字を超えているとのことでした。実際、図のようにテイクアウトのきっかけは何かという調査において、TwitterやInstagramが多かったです。

画像16

 増税後のサービスへの影響も教えていただきました。増税直前2週間と直後2週間を比べると、流通額は2.5倍、注文数も1.5倍に増えたとのことです。取扱高も、前四半期比平均276%で成長しており、アフターコロナ後も急速に伸びていくと見込まれています。加盟店舗数も急増しているため、掲載まで1ヶ月ほど時間を要するとのことでした。

画像17

◆まとめ
 売上アップだけでなく、認知度もアップできる点や、キッチン稼働の効率のアップが見込める点が印象的でした。位置情報サービスを使った戦略もLINE社ならではの強みだと思います。今後コロナが終息したとしても、テイクアウトやデリバリーは常に一定のニーズがありますし、始めるタイミングとしてはとても良い機会ではないかと感じました。ご興味ある方は、是非下記ご参照ください。

画像18


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?