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改めて考えたい自治体システム標準化の意義

現在行われている自治体システム標準化の取り組みは言うまでもなく次世代のための取り組みである。15年後、20年後を生きる次の世代にどうやってつなげていくか、彼らの生きる社会をいかに維持するかの戦いである。

2030年代、40年代というスパンで見たとき、地方自治はまったくもって安泰ではない。人口減少社会にあって存続すら危ぶまれる。次世代の地方行政を支える基盤をどうやって築くか、しかもデジタル社会という潮流のなかで今何ができるかを真剣に考えなければならない。

テクノロジは刻々変化する。制度も社会ニーズも15年後では全く違ったものになっているだろう。だから硬直的な検討ではいけない。
しかし、標準仕様とはまさに硬直的なものではないか。それは矛盾した取り組みではないのか。

それは違う。今の取り組みの目的は足並みを揃えること。今後、様々な変化に柔軟に、迅速に、効率的に対応するため、あまりにバラバラな現状を必要な水準で揃えることにある。
自治体ごとの特性は当然必要だが、多くの事務が法定事務であるように、相当の部分については足並みを揃えられるばずだ。
変化の時代を少ない人員で乗り切るには必須の取り組みとなる。まずスタートラインに並び、皆で一歩一歩前に進むために。

だからこそ、標準仕様の要点は仕様そのものではなく、揃った足並みを前に進める変更管理、構成管理ルールにある。社会ニーズの変化に全国一斉に対応できる変化に強い基盤づくりにある。

とはいえ、まずスタートラインに一列に並ばなければ同時に一歩を踏み出せない。足並みを揃えるには、大変な調整が必要となる。みんなが諸手を挙げて賛成する標準などありえない。それぞれに妥協、我慢を強いねばならない。
だからこそ、本件に取り組むものは大変な信念と普段の努力を持って、地に這いつくばりながら前に進む覚悟が必要となるのだ。

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