伝わる文章を書くために大切なのは、『具体』と『抽象』を行き来すること【#編集視点の活かしかた に参加して】
きのう開催されたnoteのイベント「嶋浩一郎さん、塩谷舞さんに聞く『編集視点の活かしかた』。「広告」や「ケトル」の編集長を務めた、博報堂執行役員・博報堂ケトル取締役の嶋浩一郎さんと、「milieu」の編集長を務めた文筆家・塩谷舞さんが登壇されたイベントです。
「伝わりやすい文章の書き方は?」との問いで、嶋さんはタイトルのように答えていらっしゃいました。
どういうことかというと、ただ具体(事実)だけを伝えられてもあまり心に残らない。けれど、その事実を抽象化(概念化)することで、受け手は「自分ごと化」して持ち帰りやすい。それがすなわち、伝わりやすく、人の心に残りやすいということです。
例えば、「YouTuberという職業が人気」という事実を伝えられても「ふ〜ん」で終わってしまいます。けれど、そこで、一段高いところから俯瞰して理由を考えてみる。
そして「YouTuberは、大人になっても地元の幼馴染とわちゃわちゃする、一種の『エモさ』をずっと楽しめている」という抽象的な本質を言葉にできれば、受け手は「確かに!」という納得感を得られます。また、「そういうコンテンツを作ればいいのか!」という企画の種にもなるんです。
逆も然りで「地球温暖化に気をつけましょう」と抽象的に言われても、いまいちピンと来ません。けれど「このままだと約10年後にフィンランドの北部で夏季オリンピックが開催できてしまうほど気温が上がります!」と具体を突きつけられると、「やばい!」となりますよね。
お話を聞きながら、「あれっ、そういえば!」と思い当たることがありました。先日の自分のnote記事です。
この日、プライベートで趣味の登山に行っていて、そこから何か広げられないかなと思って書いたコラムです。公開後まもなく、たくさんの人に読んでいただき、いいねをいただきました。
じつは当初、「登山って健康にも心にもいいんだよ!」というおすすめ記事みたいなのを書こうとしていました。でも、ちょっと待てと。ピンポイントで登山。キツイ登山。「私は大好きだけれど…けれど……」果たしてどのくらいの人に刺さるのだろうと考えました。
そこで、登山がおすすめなことを起点にして、もっと広いくくりで書いてみようと思いました。具体的にはこんな感じ。
そして、自分を含め、ぐるぐる思考に陥りがちなHSPさんに向けた内容にしました。その結果、手前味噌ですが、たくさんの人に見ていただける記事になったのではないかと思います。(少しでもHSPさんの救いになっていればいいな…)
逆に、登山のおすすめ記事にしていたら、せいぜいアウトドア好きの方にしか記事を開いていただけなかったのではないでしょうか。
具体的すぎても残らないし刺さらない。抽象的すぎても行動しようと思わない。「具体」と「抽象」を行き来して伝えれば、人に「自分ごと」として受け取ってもらいやすい。そうすれば、人を動かすこともできる。
これから先、つくる・伝える人間として大切にしていくべきことを得られたイベントと、それを体験できたマイワークでした。
こちらのイベントは、YouTubeでアーカイブが公開されています!
素晴らしい編集者であり発信者のお二人。面白い企画をつくりつづけるヒントや、スタンスを身につける具体的な方法、伝わりやすい文章のコツなどたくさんの学びが得られて、正直無料でいいの!?と思ったくらい。
編集者やライターなどの「つくる人」はもちろん、そうでない方も、ビジネスに役立つはず。ぜひ見てみてください!
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