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読書、外国の風景が好き。しゃべるのが大の苦手な会社員。翻訳の世界の縁の縁。

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書評『喉に棲むあるひとりの幽霊』掲載のお知らせ

「図書新聞」No.3661・ 2024年11月2日号に、デーリン・ニグリオファ『喉に棲むあるひとりの幽霊』(吉田育未訳、作品社)の書評が掲載されました。 「図書新聞」編集部の許可を得て、投稿いたします。 書評は下記リンクよりお読みいただけます。 感想: オートフィクションという手法が取られた本作はとても複雑な作品で、主人公の日記のようでもあり、荒々しい論文のようでもありました。詩の断片のようなものが散りばめられていることもあり、少しダークな幻想小説の世界が広がることもあ

    • 日常(術前検査まで)

      病気が見つかった前回はこちら。 腫瘍の大きさにわたしも医者も面食らっていたのだけれど、決して珍しいことではないのだと感じる最近です。体験記やつぶやきを見かけるたびに、どうかみなさんお大事に…と思わずにはいられない。 病院を決める 紹介先の病院は婦人科の先生と相談しながら決めた。  まずはがん治療を行う病院に絞って探してくれていたのだけれど、これは境界悪性以上の可能性が高いという、現時点での病状を鑑みてのことだった。手術後に相応の治療が必要となった場合、そうした治療に特化

      • 違和感の正体(発症)

        卵巣境界悪性腫瘍というものが見つかり、片側卵巣摘出の手術を受けた。今まで健康体で生きてきた身としては、なかなか大きな出来事だった。 卵巣の腫瘍には「境界悪性」という種類があるのだそうだ。がんほど悪性度は高くないが、良性でもない、中間的な性質を持つのだという。再発や転移の可能性もある。それは避けたい… 今回は境界悪性の中でもさらに初期だったので、検査結果や年齢を考慮して、今後は経過観察のみを行うことになっている。 診断や方針が出たことで慌ただしい上半期がようやく少し落ち着

        • 書評『潜水鐘に乗って』掲載のお知らせ

          「図書新聞」No.3629・ 2024年3月2日に、ルーシー・ウッド『潜水鐘に乗って』(木下淳子訳、東京創元社)の書評が掲載されました。 http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php 「図書新聞」編集部の許可を得まして、書評を掲載します。   感想: コーンウォールはケルト文化の影響を受けている地域ということで以前から興味がありました。そんな中、写真や映像を通して思いを馳せていた世界が本書に広がっていたので、まるで

        書評『喉に棲むあるひとりの幽霊』掲載のお知らせ

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        • 本について
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          2本
        • 徒然
          6本

        記事

          Travis Live "The Invisible Band" at EX THEATER ROPPONGI, Oct 2022

          2年前の秋、Travisのライブに参加した。コロナ禍になって初めて参加したライブで、とにかく緊張しながら会場におもむいたことを覚えている。結果、何週間経っても健康なままで、ただただ楽しい時間を過ごすことができたのだった。 2001年に発売されたアルバム『The Invisible Band』の20周年を記念したツアー。セットリストは下記リンクなどたくさん情報があふれているのでお借りします。 この時期はとにかく人混みを避けねば…と思っており、少しでも空いている後方に陣取る。

          Travis Live "The Invisible Band" at EX THEATER ROPPONGI, Oct 2022

          書評『最後の三角形――ジェフリー・フォード短篇傑作選』掲載のお知らせ

          「図書新聞」No.3617 ・ 2023年12月02日に、ジェフリー・フォード 『最後の三角形――ジェフリー・フォード短篇傑作選』(谷垣暁美編訳、東京創元社)の書評が掲載されました。 「図書新聞」編集部の許可を得まして、書評を掲載します。 http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php 感想: どの作品もかなり濃密で、一篇一篇が長編小説一冊分の読書体験に感じました。もちろん小説の中だけの話として楽しむこともできるの

          書評『最後の三角形――ジェフリー・フォード短篇傑作選』掲載のお知らせ

          宙づりで生きる

          小川公代『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)を読み終えた。「ケア」という視点から様々な文学や映画が読み解かれ、紹介されており、全部読みたくなります。 読み始めたのは10月の中旬ごろ。タイトルに惹かれ、さらに英文学の話やハン・ガン作品にも触れられているようだったので興味がわき、夏の終わりに購入していたのだった。 この世が善と悪だけで分けられればどんないいだろうと何度思ったか知れないが、どうにか折り合いをつけて生きている。非常に個人的な話になるが、特にこの数ヶ月はどう

          宙づりで生きる

          書評『ディンマスの子供たち』掲載のお知らせ

          遅れての投稿となり恐縮ですが、「図書新聞」No.3599・2023年07月15日に、ウィリアム・トレヴァー『ディンマスの子供たち』(宮脇孝雄訳、国書刊行会)の書評が掲載されました。 http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php 「図書新聞」編集部の許可を得まして、書評を掲載します。 書評は下記リンクよりお読みいただけます。 https://note.com/yasushi_kaneko/n/n21c29c46cf

          書評『ディンマスの子供たち』掲載のお知らせ

          嬉しい記念

          先週のロック大陸を漫遊。 今回の放送は「バイオリンが入ったナンバーで漫遊記」。 「バイオリン」縛りだったのだけど、違いは演奏方法のみで楽器自体は同じということから、「フィドル」としてクレジットされている曲も対象に。そのためアイリッシュパンクバンドのFlogging Mollyからも選曲。 ↑アルバム『Drunken Lullabies』より 「What's Left of the Flag」  Flogging Mollyからは過去に一度、「Drunken Lullab

          嬉しい記念

          影と少しの光

          映画『イニシェリン島の精霊』を配信でみた。景色が素晴らしくて旅に出たくなってしまった。写真はアイルランドではなく、イングランドの朝焼け。旅に出たい。 友人知人、学生のころお世話になった先生から、マクドナーらしい作品だと伺っていた。舞台『ウィー・トーマス』で貧血を起こしかけた私は覚悟を決めて視聴に挑む。閉塞感や暴力性、猛毒級のブラック・ユーモアと狂気に、漏れなく血の気が引いた。家でよかった。なんだかとても懐かしい。 二人の男たちのケンカが本土の紛争と並行して描かれていたのは

          影と少しの光

          正反対の行先

          写真は10年以上前に撮った近所の木の影。いやにくっきりしているなと思って撮った気がする。 先日、舞台『アンナ・カレーニナ』を観劇した。上演時間が3時間45分(休憩時間20分を含む)という大作にもかからわず、最初から最後まで圧倒されてばかり。演じている皆様も、舞台装置も、衣装も、音楽も、とても素晴らしかったです。   以前この場で触れたこともあるのだが、ここ数年、俳優の浅香航大氏の演技が気になっていて、彼の映像作品を拝見することが多い。それがこの度の大作(しかも翻訳劇)にご出

          正反対の行先

          書評『足に敷かれた花』掲載のお知らせ

          「図書新聞」No.3568 ・ 2022年11月26日(土)に、ロナルド・ファーバンク『足に敷かれた花』(浦出卓郎訳、彩流社)の書評が掲載されました。http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php 「図書新聞」編集部の許可を得て、書評を投稿します。 書評は下記リンクよりお読みいただけます。 ご興味ございましたらどうぞよろしくお願い致します。 https://note.com/yasushi_kaneko/n/n10

          書評『足に敷かれた花』掲載のお知らせ

          書評『業火の市(まち)』

          下記リンクに移動いたしました。 https://akfbergn.blogspot.com/2022/07/blog-post.html

          書評『業火の市(まち)』

          痛みを感じる安心感

          写真は8年前に食べたカップケーキ。どこのお店のケーキかすら覚えていないけれど、美味しくて思わずシャッターを押してしまったのだと思う。甘いものはできたばかりの心に傷に染みわたります。 ■ハン・ガン著、斎藤真理子訳『回復する人間』 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b451457.html 生きることに執着しない人、もしくは世捨て人といったような、何かを諦めたり悟ったりして俗世間との間に越えられない大きな溝が描かれる作品も捨てがたいが、”それ

          痛みを感じる安心感

          祝15日?

          写真は最後に行ったコンサート。3年ぶりに当選したのだった。隣に座った見知らぬ奥様方と泣いちゃうねと話しながら3人で号泣した思い出。 この秋で嵐のファンとして生きてきて22年、松潤のファンとしては24年になる。とはいえもう随分前からその熱は落ち着いている。近年にファンになった方のほうが遥かに5人への愛情が深く濃いはずだ。今の私には彼らと同じくらい好きなことや大切なことがたくさんある。それはそれでありがたいことだと思う。 それでも20年以上つかず離れず応援し続けていると、勘違

          祝15日?

          奥行きを認識する

          写真は6年前のニュージーランド。 母曰く、小説やドラマ、映画など創作物の世界へ過度に入り込んでしまう私の性質は異常だという。自分はそうしていろんなものを発散している。海外旅行に似ている。この趣味はそのためどうしても失いたくない。 このご時世、特に映像や舞台の関係者の方々は作品一つ作るのでさえ本当にご苦労されていると思う。必須の所用以外、状況が収束するまではどうしても家から出られない身です。こちらにできることは微々たるものだけれど、いつも楽しませてもらっている者としてはすぐ動

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