結婚したい理由と、したくない理由。

昨日、友人と電話をした。
彼女は5年前に結婚をして、仕事が落ち着いて今は妊娠中。
大学生の頃は二人とも彼氏がいたことなくて、ずっと一緒にクリスマスを過ごした仲だ。
そんな彼女が、母になる。
感慨深いような、不思議なような。
話していると、大学時代の続きのような気兼ねなさな分、時間のすぎる速度と環境の変化に頭がついていかない。

最近よく出る話題は、やっぱり結婚。
私には2年付き合った年下の彼氏がいる。
私は一人暮らしで、彼氏は実家住まい。
付き合った当初は倦怠期もあったが、現在はなかなか仲良しだと思う。
結婚をするならこの人だな、と思っている。
友人は私の話をよく聞いてくれた上で「はよ結婚したらええのに」とよく言っている。
彼女の結婚生活はとても心地いいらしく、旦那さんの愚痴を聞いたことは1度もない。
知的で話を聞いてくれる、器用な旦那さんとの生活は、友人が1人暮らしをしていた頃(本業の収入が低すぎて朝バイトをかけもちしていた)より、傍目にも安心できる。
妊娠中で切迫の可能性があるとのことで、今は家事もほぼ旦那さんがしてくれているそうだ。
漫画やアニメやTwitterで見るほど、結婚生活は悪いものではないのかもしれない、そんな風に思わせてくれる貴重な実例だ。

だけど、いざ一人になると、結婚がしたいのかどうかが急に不透明になる。
一人暮らし歴は10年。自分さえ良ければ、部屋はぐちゃぐちゃでもいいし、洗濯物は3日ためることもあるし、お皿は明日使う時に洗えばいい。人の期待に応えなくていい生活は、非常に楽だ。
相手が、ご飯を楽しみにしているとか、明日の着替えがなかったらまずいとか、そういうことを考え出すと、やらなければならない使命感が増えて、息苦しい。
本業・副業・趣味の時間で成り立っている私の生活は、けっこうゆとりが少ない。
わがままでごめんと思うけれど、結婚や出産で追い詰められて息苦しいと感じる日々が続いてしまうのではないかと、被害妄想に囚われてしまう日はよくある。

被害妄想の発端は、たぶん母にある。
母はよく尽くす、良いお母さん。
三児の母で、私は母のことは好きだ。
父とは結婚して30年になり、今でこそ良くも悪くもないような関係性に落ち着いているが、私が小さい頃はよく喧嘩をしていた。
よく気がつく母と、ズボラで人に無関心な父。
父は浮気やギャンブルや酒とは縁がなかったけど、率先して家族に関わるタイプでもなく、何をするにも母が動かないとスタートしない感じだった。
母はよく「もっと大事にされたい」と言っていた。
よく動き尽くす母が、あまりにも健気で、苦しそうで、私は幼い頃から今に至るまで、何となく「母のように苦しみたくない」と感じている。

母に結婚の話を相談すると、「専業主婦だけはやめておけ」と言われる。

「専業主婦は、何も残らない。お金は絶対に必要になる。相手に何があるかもわからない。自分で稼げるようにしておいた方がいい」

母の心からの言葉は、私にとって指標であり、呪いみたいな重さがある。


彼氏の両親はとっても仲がいい。
週末は2人で出掛けて、2人でしょっちゅう旅行に行く。
彼氏は、そんな両親が好きで、父親のことを尊敬している。
彼氏は当然、両親が築いたような家庭を作りたいと思っていて、彼の母親が専業主婦→パートだったように、結婚するパートナーには家庭中心でいてほしい、そんなふうに考えているようだ。

彼氏は一軒家を買いたいらしく、その場所は私が今の職場に通うには結構遠い。
彼と結婚すると言う事は、今の仕事から離れる可能性も高い。
私は今の職場に正社員で勤めて7年、やっと居心地良く働けるようになったところ。
転職活動はかなり気が重い。
絵が描けるので在宅でイラストレーター的な事をしてもいいのだけど、専業主婦寄りの事をするとなると、急に拒否反応が出てしまうのだ。
「ご飯を作って家で待っている」という行為への拒絶反応が自分でも驚くほど強い。

彼氏のせいではない。
彼氏は、本当によく気づいて動く人で、我が家に来た時は私が何も言わなくても掃除機をかけてくれたり、お皿を洗ってくれたりする。時間があればご飯も作ってくれる。実家暮らしではあるが、割と家事全般ができる。
休みの日はドライブデートに旅行に連れ出してくれるような人で、私の父よりも母に似ている。

そんな彼との生活なら、専業主婦やパートでも、閉塞感や苦痛を感じないかもしれない。
でも被害妄想が止まらない。

私はどうして結婚したいんだろう?
会っている時は早く結婚したいと思う。
会っていない時は、結婚したいとしたくないが、入れ替わり立ち替わり現れて揺れてる。

不思議なのは、結婚の悲劇は簡単に想像つくのにも関わらず、強く「結婚したい」と思う気持ちが消えないことだ。
結婚したくない理由は数多く明確にあるのに対し、結婚したい理由はなかなか言葉で言い表せない。
ただ強く、「結婚するなら彼氏がいい」「別れるのは、絶対嫌」と、思っている。
5年後10年後も横にいてほしい。
元彼になってほしくない。
ジジババになった時に、初めて旅行で行った場所に行きたいし、どうでもいいことで笑っていたい。
たった2年しか過ごしていないのに、彼氏がいない将来を想像するだけで、猛烈に泣ける。
だから、苗字だって変えたくないし、住む家も今の場所の方が職場に近いし、専業主婦にはなるなって母に言われていても、彼の望む未来の中に私もいたいと思う。西野カナみたいだな。

と、脳内で悶々としていたら、昨日私の考えていた事を、的確に言葉にしている投稿を見つけた。

“あー、結婚って、互いの人生に互いを組み込んでいくための手段なんだな、っていう考えが頭に浮かんだ。”

そう、それなんだよ。
私の人生設計の中にもうすでに彼氏は組み込まれている。
彼氏ありきで未来の想像をしている。
したくない理由で押しつぶされそうになっても、時間が経つとやっぱり結婚したくなる。

29歳、女。
南海トラフや円安や物価高騰や戦争や、もっと厳しい世界の問題はたくさんあるのに、ずっと性懲りも無く「結婚」で悩んでいる。

ゲッターズ飯田に「銀の鳳凰座(私)は今年が最高の運気、結婚にも向いている」「2024年で話をまとめて2025年の初めの方に進めるといい」と言われている。
今年のうちにプロポーズされて、3/10(記念日兼2025年最強の日)に婚姻届を出したい。
占いは、当たるものではなくて、当てに行くものとのこと。

波に乗りたい。
今はそんな気持ち。

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