【短編】 世界を救うというのは
朝起きると、背中に違和感があって大きなコブのようなものが膨らんでいた。
部屋の鏡で見たら、コブには悪魔の顔や体のような形が浮き出ている。
今日はもう仕事に行けないなと思って会社に電話をしたあと、私はとりあえず冷蔵庫を開けて牛乳を飲み、ベランダの鉢植えに水をやった。
「うううっぱあ……。やっと出られたわ。ここはどこなの?」
私の背中を切り裂いて出てきた魔法少女のような少女は、血まみれになりながらそう言った。
「あ、大量出血した人が倒れてる」
私のことだ。
「ごめんなさ