【小説】 なんとかなる(仮)第2話
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私は、商店街の外れに一軒家を買って、そこに住むことにした。
ここは冷蔵庫の中の世界であるという自覚はあったし、冷蔵庫の外の世界には、私の本来の生活や仕事があることも分かっていた。
しかしこの世界の貨幣価値で見ると私はとんでもない金持ちだということが分かったので、しばらく住んでみるのも悪くないと思ったのだ。
この家だって、たった五十円で買えたのだから。
「どうせなら豪邸でも買えばよかったのに、なんでこんなボロ家なんかを選んだの?」
娘の疑問はもっともだが、私は最