【短編】 一日だけの転校生
夏休み明けの朝の教室に、見知らぬ女の子が入ってきた。
「佐久間サクラさんは、サンフランシスコから引越してきたばかりで、いろいろ分からないこともあるから、みんなで助けてあげましょうね」
先生がそう紹介すると、彼女はペコリと深くお辞儀をしたのだが、そのときランドセルがべろんと開いて、筆箱や、何かの白い生物が床に落ちた。
「ててて、何だよサクラ。オイラ、気持ちよく寝てたのに」
彼女は慌ててその生物を拾い上げると、これ喋るぬいぐみなんだよねはははと笑ってランドセルの中に押し込ん