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子どもに残すなら 友達の真理

悩みを抱える若者が、
絶対に知っておくべき友達の真理がある。

『親友』

1DKのリビングで、
今日は何をしようかとコーヒーを飲む。
何もないし、ゆっくりしようか。

玄関のチャイムがなった。
お前ヒマ?と、
上の階に住む友人が尋ねてきた。

うーん、今日は無理だな。
なんで?暇でしょ?
押しが強い友人なのだが、
こちらもはっきりと断る。

今日、予定あるから無理。

本当は、何もないのだけど、

ゆっくりするという
予定が入ってるからな。
と、頭の中で考えながら、
ほいじゃ、と、扉を閉める。

ソファにどかっとすわると、
読みかけの漫画本を開いた。
待ちに待った最新刊だが、
今回は、ダラダラした描写が多くて
そこまで面白くない。

また、ピンポンとチャイムが鳴る。
あなたは、はーいと答えて、扉を開ける。

今度は、学校の近くに住む友人だった。
よっ!と、話をする。
ちょっとこの辺に用事あったから、
顔出した。

そいつは、実家から
果物が大量に送られてきた。
と言って、スーパーの袋に入った
果物をくれた。

少し立ち話をすると、
時間だから、と立ち去った。

果物を冷やしておこうと思って、
冷蔵庫を開けた。

そこへまたピンポン。

受取サインを。

大きなそのダンボールは、
地元の友人から送られてきた。
やけに軽い。

あなたの口角があがる。
ガムテープを破った。

色紙いろがみで作った緩衝材が、
敷き詰められていた。

面倒だから、
その辺にぱらぱらと投げて、
何があるんだろう、と、
ワクワクしてる自分に気づいた。

沢山の緩衝材の一番したに、
一枚のカードが貼りつけてあった。

イラズラ好きな友の顔が思い浮かぶ。
何かまた仕掛けてきたな。

暇を持て余しているだろうあなたに、
特別なものを送ります。
カードには、そう書かれていた。

特別なものってなんなんだよ、
と笑いながら、紙をペリッと剥がす。
意味わかんねーな。

ふと部屋を見回すと、
殺風景な灰色の部屋で
色とりどりの色紙が
花を咲かせているようだった。

あいつらしくないな。

いつも冗談ばかり言ってるあいつが、
こんな気のつかいかたするんだなと、
友の新しい一面をみた気がする。

あなたは、ソファに横たわると、
友の優しさを思い、カードを眺めた。

ふと、右下の汚れに気がついた。

宝くじ当たった。色紙を開けろ。

ばっと起き上がると、
まるまった色紙を一つ一つ開いていった。

あいつ、マジ親友だな!
ワクワクしながら、期待に胸をふくらませ、
そういえば、
あいつ、上京する時、
空港までわざわざ来て、
俺のために泣いてくれたな。

半分ほど開いたとき、
何かがかいてある色紙を見つけた。

ばかがみーる ぶたのけーつ
はえがとまる


そういうやつだったわ!!!

いたずらに呆れながらも、
今日一日かけて仕返しを考えようと
あなたは思う。


親友とは、
毎日会う必要も、近くにいる必要もない。
ときおり、
相手の事を考えていると伝えるだけで、
十分なのだ。

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