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わんことの一週間

先週友達の犬を一週間預かっていた。

昨日おうちに帰っていったんだけど、やたらに虚しさがある。
なんか、久々に失恋した感じというか、何かを失った感じが心地よくもあり、心地悪くもある。


先月のある日、私のパートナーが「犬を飼おうか」という話を持ち出した。

私が犬好きなのを知っていて、彼は色々一人で考えていて、でも、ずっと彼は私たちの狭い家では飼いたくないと言っていたんだけど、ある日一人で色々考えなおしたらしく、突然の「犬飼う?」という発言になったらしい。

彼は超乗り気で、保健所の犬を飼おうとか、色々ひとりで言ってたんだけど、私にとっては急な事だったので数日もやもや考えていた。

  • 犬を飼うって言ってもさ、命を一つ預かるわけだよね。

  • 私たち2人の生活において日常生活の事をしているのはほぼ彼なので、きっと犬を飼っても彼が世話役になる。それでいいのか?

色々考えて、いきなり犬を飼うのは現実離れしすぎていると思った私は、「友達の犬を一週間お世話させてもらおう」と提案した。
運よく、彼の友達は常に犬のお世話をしてくれる人を探しているのを前々から知っていたので、彼の犬を1週間飼ってみよう、と。 そして、可能な限り私がお世話をするという条件も付けて、彼に提案してみた。

彼は喜んで了承してくれて、先週の月曜日に犬を迎え入れた。
これが犬を一週間預かった(借りた)理由。


家に来てくれた犬は、黒のラブラドールレトリバーの2歳の女の子で、私にとってははじめての大型犬との生活。色々家のもの壊されないかな?とか心配してたけど、私たちの心配をよそに、家では基本静か。外ではそうでもなくて、色んなものに興味津々で、特に初めての道ではとにかく匂いをかぎまくるので、進みが遅い。そして他の犬にも興味津々で、吠えられようが友達になりたがる。彼女はデカいし元気満々なので、怖がる犬もいるし、犬に興味のない犬も沢山いるから、彼女はしっぽを振ってても、他の犬が遊んでくれない姿を見ると悲しくなった。相手にされるされないではなく、ただただ「好き!」をみんなにぶつける。フレンドリーにもほどがあるだろと思うくらいフレンドリーで、心が強いなこいつ、と思っていた。

水曜日に湖に行ったら色々大変で、他の犬と意気投合しちゃって、興奮して走り回って、どろどろの足で人様のブランケットの上を走り回ったり、誰かのブランケットを加えて走り周り、私の彼が追いかけるとゲームになる。ドイツ生活で初めて周りの人に謝り倒したと思う。
で、ひと段落して彼が泳ぎだしたら、吠え出す。興奮してるので、もう感情の動くまま、犬の行動は止められず。犬のお陰で私も彼も疲れてしょーもないことで喧嘩もしたりした。
湖の周りは森なので、森の中を歩いている間だけは、犬を自由に歩かせても3人(2人+1犬)とも平和で良い時間だった。
湖から帰って来て彼はぶーぶー言いまくる。

そこからまだ4泊残ってるので、私のこの一週間の意気込みを話した。

  • 一週間のお試しだけど、私はこれからこの犬をずっと飼うつもりでこの一週間を過ごそうと思ってる。

  • 彼がもうお世話嫌!ってなったらなったで、いいけど、「自分は犬が飼えない、飼いたくない」ってことをちゃんと自覚してください。ってこと。そういう事を自覚するための一週間だから、それはそれで成功な事。

その夜、彼は「都会では犬を飼えない」と宣言。


が、木曜日からやたらと犬の散歩を率先していきだして、金曜日は私の体調が悪くて朝晩の散歩を行ってくれ、土曜日には、「だってさ、この子はもうちょっとで他の国に引っ越して会えなくなっちゃうから愛情を注ぎたくないんだよ。でも、だめだな~」的な事を言い出す。笑


で、昨日、日曜日、お父様が迎えに来て、無事におうちに帰っていきました。


昨日の夜と今朝起きた時の何とも言えない寂しさ。
フリーランスで、毎回違う人と短期だけ働くってことが当たり前になりすぎて、友達が国外に引っ越すことも寂しいと思わなくなっていたのに、犬が一週間だけ家に居て、近所の友達の家に帰っただけでこんなに寂しい。

ここ数年、自分が傷付かないように、自分の心に沢山の壁を作って来てたのかもしれない。自分の心に入るものの量を出来る限り減らしていたのかもしれない。

8年前くらいからダンス鬱になって、自分のやりたいことを100%表現する方法が分からなくなってきているのも、そこに関係しているのかな。

心を閉じると、すべてが閉じる。


のかもしれない。

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