絵ろうそく

ろうそくの炎を見つめる、という浄化法を実践しています。

10分から15分くらい、ただ、炎を見つめるだけなのですが、最初は慣れないので、上手くいきませんでした。

視線が違うところに向いてしまったり、どうでもいいことばかり考えてしまい、いつの間にかろうそくが燃え尽きてしまったこともあります。

最近は、短い時間なら集中できるようになりました。
心の雑草を燃やしてくれるので、お勧めの浄化です。

先日、いつものようにろうそくとライターの準備をしていたら、ふっと思い出したことがありました。
東北旅行をしたときに買った、絵ろうそくです。

ずいぶん前の話になりますが、お土産屋さんに置いてあったものが目にとまりました。
花が描いてある絵ろうそくです。

あやめでした。

細いろうそくに書かれた紫色の花。
凜としたたたずまいが、美しかった。

その頃は、ろうそくを使う習慣がなかったのですが、あまりにもきれいで、眺めているだけでもいいと思い、何本か購入したのです。
もったいなくて、とても使う気になれませんでした。

そもそも絵ろうそくは、東北地方など雪深い寒い地域の伝統的なもの。
冬の厳しい寒さ、雪に囲われて仏壇に花を供えられなかったため、ろうそくに絵を描いたのが始まりとのこと。

手書きのもの、転写したもの。

柄もたくさんあります。
昔は季節の花が多かったようですが、最近は明るくてポップなものが作られ、種類も豊富。

懐かしくなったので、あの時買った絵ろうそくを探したのですが、見当たりませんでした。

見つけたとしても火をつけるつもりはないのですが、ただ眺めたいのです。
それくらい、印象に残る絵でした。

東北旅行に行ったら、買ってくるつもりです。
同じものはおそらく無いでしょう。

それでも、あの絵に感じた美しさにまた会えるかもしれません。

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