【本】令和時代の公用文 書き方のルール  小田順子著

【きっかけ】
公用文の正しい書き方を知りたかったため。

【内容】
70年ぶりに改訂された「公用文作成の要領」報告書を元にポイントを解説。

公用文を3つに分類し、使い分けることを推奨している。

・公用文Ⅰ…告示・通知等(専門家向け)
      例)官報
・公用文Ⅱ…記録・公開資料(ある程度の専門家向け)
      例)白書、報道資料
・広報文 …解説・広報等(一般向け)
      例)広報誌、パンフレット

【引用メモ】

p.2 こちらが意図した行動を起こしてもらうには、公用文を「書き言葉によるコミュニケーション」として捉える

p.17 「中学卒業程度の日本語力」で理解できる文章とは、一文の長さが65字以内で、漢字緒の含有率(使用率)が45%以内である

p.74 漢字使用率は30%を目指す

p.124 一文は60字程度までに収める

p.162 「について」が本当に必要かを考える
 読み手の立場になって考える
 日時+固有名詞+用件を入れる

p.173 わかりやすい文章は想像力を必要としない文章
 「起承転結」ではなく「序論・本論・結論」

p.182 どの文書にも共通して言えることは、「読み手の行動変容」が目的


【感想】
親切なつくりの本。
単なる文章のテクニックだけでなく、目的や読み手など本質的な部分もわかりやすく解説している。

また、実務に使えるツールも多数紹介されている。
・Wordの文章校正や番号書式の設定などの機能
・「「外来語」言い換え提案」 https://www2.ninjal.ac.jp/gairaigo/
・日本語読解学習支援システム「リーディング チュウ太」(平易度を計測できるツール) https://chuta.cegloc.tsukuba.ac.jp
・巻末に引用文献一覧のQRコード


読んでいて浮かんだ問いが、なんで公用文は堅苦しい言い回しじゃないといけないのか。
要領を変えるならいっそ法令から見直せばいいんじゃないかと思った。
役所の文書を読むたびに、最初からみんながわかる書き方をすればいいのに、と感じる。

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