【本】さよなら、田中さん。 鈴木るりか

きっかけ

西原理恵子さんのイラストが表紙になっていたので惹かれた。14歳の女の子のデビュー作ということで話題になっていて、どんなものか気になった。

内容

小6の女の子、花実とたくましすぎるシングルマザーの日常を描いた物語。
学校で起こる出来事や、母の言動に対するツッコミが妙に達観した花実からの視点で語られる。最後は、花実に恋した少年の視点で幕を閉じる。ここでタイトル回収。

花実は貧乏な母子家庭で育っていて、それを自覚している。ほかの子たちとはちょっと違っていて、自分をものすごく客観視している。でも芯が通っていて、貧しさにも負けず明るい。
母が強烈なキャラクターで、拾い食いをしたり、犬のようにご飯にがっついたり、とにかく生命力があふれている。この二人の関係性が、笑いあり涙ありで面白かった。

小6ともなると、市立中学校の受験の話とか、女子の微妙なグループ感とかが、さもありなんという感じで。
花実に恋した少年は、受験のプレッシャーで死にそうになるまで追いつめられるが、この母子に救われる。思いを伝えられないまま、別れてしまうのがなんとも思春期のいけてない男子っぽくてリアル。

まとめ

周りに惑わされない生きる力は一生もの。

感想


14歳の女の子が書いたっていうのがすごい。どこまでがリアルな体験なのだろう。人間観察力が長けていて、描写が上手い。そして、引用文からものすごい知識量が感じられる。
どういう育ち方をして、どういう経緯でデビューに至ったのか気になる。

これから

おもしろいフレーズや出来事を書き留めておく。








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