【本】「山奥ニート」やってます。 石井あらた
きっかけ
山奥ニートっていうタイトルに惹かれた。どうやって生計を立てていて、どんな暮らしをしているのか気になったから。
内容
学生時代、授業中にみんながペンの色を変えていっせいに板書をしている音を聞いたときに、違和感を覚えた。教師を目指していたが教育実習でダメ出しを受け、大学を中退し、引きこもりになっていた。
ある日、NPOの若者支援の取り組みをネットで見つけ、代表のおじいさんに誘われ、男2人で和歌山の山奥でニート生活をスタートする。
限界集落なので、地域のお年寄りははなからニートに何も期待していなかった。だから、ちょっとした買い物のお手伝いや収穫作業、話し相手など、些細なことで喜んでもらえた。
YouTube配信を続けると15人まで移住者が増えた。しかし、NPOの代表が亡くなり、借りていた古民家を出ることに。廃校へと移り住んだ。
生活費は月1万8千円を徴収している。ルールはゆるい。誰かが全員分の食事を作る。出入りも自由。気が向いたらみんなでゲームをしたり、お年寄りのお仕事を手伝ったり、小学生みたいに予定のない毎日を楽しんでいる。イデオロギーも何もなく、ただやっている。
次第にメディアから注目が集まり、見学や滞在受け入れも行っている。ただし、ストレスのない範囲で受け入れるため、月の前半のみ。
まとめ
自分に合った場所は必ずある。
感想
ニートって、繊細な感性の持ち主なんだなと思った。一般人は、あまりにも疑問をもたずに生活しているのかも。そして図らずも、新しい生き方を体現している。
仕事バリバリで意識高い系の人の多拠点生活のストーリーは見聞きするけど、それは特別なスキルがあってこそできるのだと思っていた。
でも、若いというだけで、高齢・過疎化進む限界集落の中では貴重な労働力として認められる。人の役に立つことって考えてみればいくらでもあるし、必ずしもお金に変えなくてもいいのだと気づいた。
そして、発信することの重要さを感じた。SNSを通じて知ってもらうことで、仲間が増えて、価値が生まれる。
びっくりしたのが、著者は結婚をしているということ。
山奥を見学しに来た会社員女性と結婚し、今は二拠点生活をしているらしい。
こういう生き方を批判したり、許せないって思う人もいるだろう。でも、周りに流されず自分なりの幸せのかたちを見つけた著者はすごい。
これから
心地よさに目を向ける。できることと活かせる場所を意識して見つける。
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