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4年ぶりのバンド加入で現行メタルギターの音像に追いつけ

こんにちは、akcです。

筆者akc

タイトルの通り、ovEnola(オヴェノラ)というバンドに2022年12月に加入し、実に4年ぶりにバンドをすることになりました。

元々はLumber Coated Rust(ランバーコーテッドラスト)というバンドに2012年〜所属し、最後のライブが2018年9月でしたので、4年ぶりとなります。

ovEnolaはメタルバンドでして、ドロップFチューニングでギターの音像が非常に重厚です。

akcは4年間バンドシーンから離れており、「浦島太郎状態から短期間でどのように現行メタルギターの出音にできるか?」がovEnola加入にあたっての課題と捉えました。

ちなみに、ovEnolaサウンドエンジニアの克哉(SLOTHREAT /Misanthropist)はLumber Coated Rustの音源(2014、2017、2018年)も手がけてくれており、そういった意味での伏線回収も個人的に熱いポイントです。だからこそ音にはこだわりたい。

まとめる意図としては3点で、
・ovEnolaのライブに来た時にバックグラウンド含めて楽しんで頂ければ
・ovEnolaのような音を出したい方の少しでも参考になれば
・2ヶ月取り組んだ現時点の総括をこのタイミング(年内)でしておきたい

前提として、自身の音が完璧に最強に仕上がったとは思ってません。
あくまでも2ヶ月取り組んだ現状のベストとしてまとめてみたいと思いました。

以降は主にメタルギター求道者が反応する項目で人を選ぶかもしれませんが、あえて気にせず好きに書いていきたいと思います。


1.7弦ギターの購入

30歳の誕生日が10月15日でしたので、節目ということで「7弦ギターでも買うか…」と、王道いしいの家系ラーメンを食べてる時になりました。(めちゃくちゃ美味しいので思考がゆるんでました)
6弦は主にMayones Regius Core6/Legend6を使用しており、7弦ギターもMayonesで検討。

左:Regius Core6 右:Legend6 
Mayones Guitarsは美しい見た目と堅牢な作り、硬質な音と弾きやすさが特徴であり至高

この時点でのポイントは、”7弦ギターの購入が先”ということで、ovEnola加入のoの字もありませんでした。
まず初めに「自分の人生において7弦の音像も楽しんでおくべきなんじゃないか?」というのが、この時点での思考でした。
”加入のために新たに買う必要がある”ではないのが幸いといいましょうか。
決して安くはない買い物だけに、その世界線と比べると心理的抵抗感は全くなく、いわば勝手に買ったことになります。

ネットである程度の当たりをつけて、現在の1本に行きつきました。
Mayones Duvell Elite 7 -Trans Aquamarine Satin-といいます。

まずはMayonesを前提に置いて、その中でもDuvellにしたかったです。(できれば指板のインレイ入りで)
他ブランド含めても色々フラットにチェックしましたが、7弦=メタル=ブランドが限られる中でのMayonesへの安心感と信頼、既にあるRegiusやLegendを加味し、Duvellオーナーになりたいと思いました。

最終検討段階では、このDuvellで、PUがBare Knuckle Aftermathで問題なさそうかな?というのを、ovEnolaに入る話は微塵もないのにovEnolaギタリストAnzaiとSLOTHREATギタリスト克哉・孝哉に相談して、問題なさそうとのことで購入しました。こう聞く時点で、自分の中でほぼほぼ決心はしてるんですけど、各々のPU求道歴や所感を語ってもらったりして、最終的には背中を強く押してもらいました。(今思えばここがルート分岐だったかもですね…)

Bare Knuckle PUにした背景として、Regius CoreのリアをSaymour DuncanのNazgulに載せ替えており、それ以外のPUを試してみたかったのと、現行バンドシーンでメタルギターの音像を求道している仲間からの生の情報も参考にして決められました。ありがとう。
SLOTHREATは最高なので是非チェックしてください。(突然の広告)

そうして入手したギター自体はovEnolaのDoors Music Videoにもチラッと登場してます。

あと、ストラップも以前から使用していたDimazio DD2200に変えました。絶対に外れない動きの安心感もそうですし、Duvellに純正ロックピンつけると左胸に刺さって痛かったので。。

あえてネガを挙げればこのDuvellは若干ネック落ちするのですが、以前所有していたSGほどじゃないのでまだ許容できる感じです。(Duvell:地面と水平で止まる、SG:下まで落ち切る)

ネガを上回る出音の良さと丁度いいスケール感、ネックの色合いや握り心地、ボディの色味や上向きのヘッドがとにかくカッコよくて非常に気に入っております。

1.5.バンド加入

音像の追求にもつながる余談ですが、ギターも買ってmy new gear...とかストーリーに上げたりして、さてこれで楽しくコピーとかするか〜と思ってたところ、その頃ぐらいにギタリストAnzaiとボーカルkneeyaと飲む機会があり、ovEnola加入の話もその後ぐらいに頂いて、あまり悩まずに加入が決定しました。(11月頭)

彼らはLumber Coated Rustの音楽性に以前から共感を示してくれており、kneeyaは2014年発表のskycrawlerという楽曲でもfeat.してくれていました。ランバーの主催企画でも出演してくれたりと、数少ないバンド仲間からの誘いは嬉しいものがありました。

2014年にkneeyaを見送った渋谷AUBEにはAnzaiもいて、2018年のランバー企画ではovEnolaとも対バンしてました。

現状ランバー最後のライブ
まさかovEnolaに加入するとは。。

バンドをやるには一抹の不安もあります。
バンドは一般的にとにかくお金がかかるし、手間もかかれば爆売れしにくい構造なので、メンバー不和や活動停止、サポート調整・脱退・解散と、色々なハードル・トラップが多く継続が困難になりやすい。ライフステージの変化もある中で、バンドに割く時間をどれだけ作れるかも時間管理力が試されます。

そんな中でも、やってみてから考えるスタイルで、まずは加入して再度挑戦してみようと思えたのは、以前からのつながりで信頼のおける彼らと会話し、またその時点ではサポートだったTomotakaとKojiとも出会い、また会話し、方向性や活動ペースが合致したからでした。

2.歪みペダル

前提が変わりました。
家でテキトーに弾くだけのはずが、人前に立って演奏しなければならない。

あの、聴くホラーの、ovEnolaです。Death Wish EP、フルアルバムLeft Behind、聴くたび怖かった。直近10~11月のライブを見ても仕上がりがヤバすぎる。ステージ側に立ってやるからには、私も出音で圧倒したい。とにかく追いつかねば。これはなんとかせねば。。。

特に、「メインの歪みをどうするか?」が肝だと思いました。
リードはAnzaiが既にやっているので、akcはまずバッキングに徹するため、そのための歪みをバッチリ固めなければ。

4年前に使用していた機材はFractal Audeio AX8でした。
家弾きで使用しており、足元にある。
選択肢は2つ、AX8続行?or AX8以外?

いい音しますが、いかんせんデカくて重い

AX8以外を選びました。
・4年も経てば、最新ペダルで更にいい音もあるだろう
・デカくて重い、持ち運びが億劫、もっとコンパクトにしたい
・タッチパネルとかないかな(ツマミ操作が苦手)

また、音作りにおいて、どうやらIRというものが主流で良いらしい。
(IR:Impulse Response アンプ⇨キャビの接続でキャビに代わるものです)
AX8でもIRできるらしいけど、当時はそんなこともつゆ知らず、AX8内のキャビシミュでやっており。。
IR=最強が図式として腹落ちしていないながらも、ゆくゆくはIR最強!って言ってるだろうなと想像しながら、「IR対応○」は条件として入ってきました。

そんなこんなで結論、Ampero II Stompを導入しました。
決め手は上記課題をクリアしつつ、下画像のようなコンパクトペダル群のサイズ感をイメージして、最後発の最強音を狙いたかった。近くにあるQuadCortexも目も入りましたが、ド頭から20〜30万超え機材買うのもちょっとしんどくて、まずはアンプサウンドの再現度とラクな操作ができそうなAmperoで現代メタルの音作りを勉強したいかなと思いました。

FX3もありましたが上述の価格と、AXEシリーズから一度離れてみてもいいなと思い、HOTONE(ホットトーン)社製の下画像下段中央の白いペダル”Ampero II Stomp”を購入。ハイエンド機材はまた課題感が出てきたら検討したいかなと思います。

渋谷イケベのコンパクトマルチコーナー 
やはり近年の機材の進化は凄まじい

選定するにあたり、渋谷イケベでの展示ラインナップをチェックしてから、YouTubeでコンパクトマルチの出音動画・比較動画を視聴しまくり、ググりまくりました。メタルに軸を置いた最新コンパクトマルチの紹介動画は国内海外問わず色々と目を通し、耳を頼りにジャッジしていきました。

LINE6とも迷いましたが、以前LINE6のPOD HD PRO(黒豆POD)を持っていたこともあり、今回はタッチパネルのAmperoにしようと思いました。

Ampero II Stompが届けば、音作りの沼へと飛び込んでいきます。
現在のルーティングは下図の通りです。2ヶ月間、色々と試行錯誤してきました。
ルーティング自体は、よくあるメタルコアの音作りの流れだと思います。時間を投下すればするほど、この記事を書いている昨日もパラメータを変更したりして、刻々とよくなってる実感はあります。

すぐパッチネームに「KsE(Killswitch Engage)」とかつけちゃうの、あると思います。
パッチネームが収拾つかなくなるのも毎回の悩みです。

特に気に入ったところが、Ampero II StompはRector Dual Mのモデリングが飛び抜けて秀逸と感じました。レクチといえばのTHEな音で、アメリカ!鉄板!ステーキ!メタル!俺たちはこれで育ったんだよ!!という感じで、個人的に一番ほしかった部分が優秀でホッとしました。

✳︎2023.2.22追記✳︎
現在のルーティングは以下の通りです。うまくまとまってきたかなと思います。

メタルコアに最適化されたシンプルな配置

アンプはレクチからソルダーノに変えました。レクチもいいのですが、ローが出すぎてるかな?と感じてしまい、ソルダーノのモデリングもまた良すぎたので。。笑
DNA的にはソルダーノの方が始祖、ということで引き続きステーキです!
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3.歪み以外のペダル

歪みの理想を追求することと並行して、エフェクトボードも作らなければなりません。(カチッと収まったボードは傷やコード混雑を防ぐので)
できたボードが下図になります。Prividenceのパッチケーブルは4年前のを流用。(幸い音切れせず)

右上からワイヤレス、DROP、真空管モデリングコンプ、Ampero
AX8より小さい

まずワイヤレスで、ポジションをスイッチしまくるバンドではないため必須ではないのですが、ロマン。ワイヤレスはロマン。ワイヤードもかっこ良くてどっちもいいけど、今回はBOSS WL-60を購入しました。

LINE6のRelay G30を使用していたのですが、4年ぶりにチェックするとギター側発信機の蓋が無惨にも割れており。。
G30は発信機側の蓋の元々の建て付けが悪く、ゴムテープで蓋と筐体をグルグル巻いてたので無理がかかっており、壊れるのも致し方ないかと思い、ワイヤレスも新調しました。

WL-60もYouTube動画とググりで購入。決め手は以下。
・発信機の蓋が壊れにくい仕様
・発信機側は単3電池交換タイプ
・受信チャンネルの混雑回避帯の自動サーチ
・安心のBOSS製

特に自動サーチが安心と思いました。トラブル要因は少ないに限ります。
これで、ワイヤレス→Ampero II Stompというルーティングが出来上がりました。これだけでもライブができそうです。

更に、今年の11月に発売されたKORG Power Tube Reactor(TR-S)も導入。
JC-120を真空管サウンドにするようなペダル、という触れ込みで気になり、実際に楽器屋で試奏されているシーンも見かけて音の変化が凄まじく、開発者の「Kemperの最後に挿してLINEアウトからデジタル臭さを無くすのにも使えます」という一言で(以下YouTube先)、”現代音像はそこまで…!”と喰らい、購入しました。

こいつはAmpero II Stompの最後段にFX LOOPとしてかませています。
出音はデジタル感のある中高域が和らぎ、確かに真空管にハイアップして突っ込んだようなザグ感と、低域が豊かになる感覚があります。
これがあることで、LINE録音やLINEアウトでモニタースピーカーから出す音がリアルアンプサウンドに近くなり(プラシーボかもしれませんが…)、聴きやすくならないかな?出音が良く・安定しないかな?と現在進行形で実験中です。

更に自前で持っていたDROPはチューニングを更に落とす曲に使用します。(Monsters等)

現時点での機材構成は以上になります。
【ルーティング】
ギター→ワイヤレス→DROP→Ampero→TR-S(FX LOOP)→Ampero戻し→PA卓(L)、アンプリターン(右)

✳︎2023.2.5追記✳︎
1/14にGPA100というパワーアンプを購入し、2/5にLCA真空管バッファを導入したので、以下に修正しております。
ギター→ワイヤレス→LCA→DROP→TR-S→Ampero→PA卓(L)、GPA100(FX SEND)→キャビネット

そのため、ひとまず現状の理想的な音の出し方にはなりました。
アンプのヘタりやマイキングの微妙さなど、ライブハウス起因での予期せぬ出音の劣化要因を排除したい、というのが一番の目的です。
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AX8よりも、その前のボードよりも、コンパクトに収まり音がいい、良い時代になりました。

2014年ランバーOBLIVION期のボード
AX8に替えて今はほとんどない

4.ギター・ペダル以外

ギター以外も気になるところは揃えていきました。
DUNLOP ULTEXピック1.0mmに始まり、7弦080から始まる弦、フレットラップ、モントルーのシールド2本、コピーが捗るようAudio-technicaのATH-R70Xヘッドフォンと、ライブで使うAE6100マイク、ファストフレットとクロス、ギグバッグに入れる100均のバッグインバッグ等…
バンド仲間に聞いたり、自分の直感を信じたりして、こだわりの機材を身に纏い武装する楽しさを感じています。

機材や備品を揃えて音作りと並行しつつ、覚えること12曲。新機材を爆音で鳴らしたくて個人練入ったり、また修正したり、色々確かめつつここまで取り組んできました。

5.現状の出音

そういった経緯や背景があり、現状の出音を以下ツイートでアップしてみました。

✳︎2023.2.22追記✳︎
LCA導入後の最新の出音は以下ツイートで考察しております。

12月末時点は以下です、今聴くと変にピーキーな感じもありますが、リアルに模索しています。
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Duvell (上):ovEnola/The Wretched
Regius(下):Lumber Coated Rust/Iris

今回は以上となります。
果たして、4年ぶりのバンド加入で現行メタルギターの音像に追いつくことができたのか、どうなのか。

ギター単体でのジャッジ、音源と合わせてみてのジャッジ、色々な再生環境でのジャッジ、スタジオでの…ゲネプロでの…色々と悩ましさはなくなりませんが、終わりなき音作りの旅、沼。楽しんで模索していきたいと思います。

実際どないやねんってのは、ぜひライブハウスで!気軽に声かけてくれると嬉しいです。

ovEnola公演情報、チケット予約フォームはこちら↓

ではまた!

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