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選択肢があると思ってるんですか?

どうもAKCです。
皆さんはNゲージと言うものをご存知でしょうか。
普通の人はまぁ存じ上げないと思いますが。
艦船や航空機のプラモデルがあるじゃないですか、あれの鉄道版だと思ってください。
そんなNゲージですが日本では主に5社のメーカーから発売されています。

比較的低価格でユーザーフレンドリーを宣伝しているKATO(関水)
選択式車番でユーザーの組みたい編成を再現しやすいTOMIX(旧トミー)
上記二社に比べマイナー所をよく製品化するMICROACE(旧河合)
完成品だけでなく組み立て式での工作も楽しめるGREENMAX
他社が製品化しない車両をも製品化するポポンデッタ

他にもかつて永大や学研なども参入していたり、路面電車ではMODEMO(ハセガワ)という会社がありますが。

そんなNゲージなんですが毎月のように各メーカーから製品化発表がなされています。
対象は様々で現在走っている最新の車両だったり昔走っていた車両だったり、新幹線から通勤電車に客車や気動車、果てには一時期だけ走っていた形態の車両だったりと様々です。
とは言えど5社もあって(ポポンデッタはそこまで製品化の頻度が高くないので実質4社)製品化する車両が被らないなんて事は無く、特に新登場の車両だと大体KATOとTOMIXでほぼ同時期に製品化発表されたりします。
さらには昔ある会社のみが製品化していた車両を月日が経って別のメーカーが製品化するのも当然あります。(マイクロが出していた九州色キハ185をTOMIXも出したりとか)
人気の高い新幹線やかつてのブルートレインなんか当然のように被る始末。
そうなるとユーザーの間で「どのメーカーの製品が良いのか」とか「このメーカーの製品はどうだ」とか比較が始まるんですよ。
実際はメーカーで製品化するに際してプロトタイプとする編成が違ったりとか想定する年代が異なるとかで一概に同じとは言えなかったりするんですが。
しかし人と言うのはどうしても出来栄えが気になるもの。同じ車両が異なるメーカーから発売されていたら比較してより良いと思う方を買おうとするものです。


ええなぁ
比較できるなんてさ。

そう、製品化される車両が被るというのは逆に言えば製品化されない車両も多く出てくるわけです。
そら商売ですから売れる人気車両を製品化するのはわかります。
そうなると何が製品化枠から削られるかと言うと地方の車両なんです。
都市部は人口も多いですから当然ユーザーの比率も増えます。
ですがユーザーは様々で全国の車両に詳しい人だけでなく特に車両に詳しくない人もいるでしょう。
そうなると日常的に目にする都市部の車両や知名度の高い車両の方が手に取られる可能性が上がります。
知らない地方の車両を見ても「どこの車両だ?」と思われるだけで終わりかもしれませんが、普段目にする車両や有名所であれば「これはあそこで走っているヤツだな」「この車両は聞いたことがあるぞ」と自らの記憶から情報を引き出し興味を持ってもらう事が出来るからです。

詳しくない人にも買ってもらう為には有名所などを出す必要があります。
ですが毎回同じ事をしていては折角興味を持ってもらった人が離れていきます。たまには違う車両も出す必要があります。
その場合何が選ばれるかと言うと同じ地域を走っている別路線の車両や全国区で走っている貨物列車などです。
近隣路線の車両であれば直通運転なり並走なりで並べて楽しめますし、貨物列車は機関車さえ変えれば後ろの貨車は基本同じものを使えるのでより並走やすれ違い運転で使いやすいです。
あるいは少し昔から同じ路線を走っていた車両が製品化されたりもしましょう。

これも大体KATOとTOMIXで同じような展開になっています。
ですがこれらの展開が行われるのは基本的にJR東かJR西、またはJR東海地区が殆どです。
三島会社の九州、四国、北海道の車両ではこのような展開は基本ありません。
何故かというと一つの形式に対して一社しか製品化しない、製品化した車両の想定年代が両社で異なる、もしくは他社が製品化した年からあまりにも離れすぎていて競合にならないからです。
これがどういうことかを説明します。

まず一つの形式に対して一社しか製品化しない。
これは割とあるパターンでどのメーカーにも当てはまります。
九州の車両で例を挙げると
KATOしか出していない787系、883系、885系
TOMIXしか出していないキハ66やキハ71(ゆふいんの森)などの気動車
マイクロエースしか出していない783系やキハ183(あそぼーい)
GREENMAXしか出していない817系(GMだけで817系全部揃う)、キハ200など
これらの車両が欲しいとなると必然的にそのメーカーのを買うしかないんです。もしかしたら後年に他のメーカーが出すかもしれないでしょう。
しかし模型を製作するには金型と呼ばれるプラスチックを形作る為の枠型が必要になります。これはかなり高価な物で、この金型を経年劣化などで使えなくなったことによる製造中止も珍しいことではありません。そのような金型を新規で作っても製品が売れずに元が取れないと商売になりません。
そうなると売れる車両に対して新規金型の費用を回す判断になるわけです。
そうして一回だけ発売された車両を逃すともうどこも製品化してくれずに中古で値段が高騰していくのを眺めるしかなくなります。
上記の例ですが基本的にこれらの車両は別の年代の同型車両(つばめ時代とアラウンド九州になった787系や国鉄色から九州色になった国鉄キハ66)だったり別路線の同型の車両(各地方の817系や転属したキハ200)も制作していたりと同じ金型で複数造ることが可能な車両が選ばれているわけです。

次に製品化した車両の想定年代が両社で異なるパターン。
これは他社が製品化した年からあまりにも離れすぎていて競合にならないパターンと同時に発生する事があり、
例を挙げるとマイクロが14年前位に1回だけ製品化して以来再生産がされずに中古市場にも殆ど無く、KATOが3年前に漸くリニューアルして出した813系や喫煙車が存在した時代のマイクロ製811系と現在の811系を出したグリーンマックスなどです。

ここまで色々と書きましたけども何が言いたいかというと
「もっと九州の車両を複数メーカーが出してくれねーかな」です。
815系のようなどこも出していない車両だったり遥か昔に一度製品化されたっきりのを別のメーカーが出してくれたりして欲しいなと。
九州だけでなく四国や北海道の車両も似たような事が言えるんです。
もっと地方の車両も製品化して。


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