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親父のスマホの契約にいった

もともと父親は会社から支給される携帯電話しか持っていなかったのだが、長年勤めていた会社を退職することになり、新しい連絡先が必要となった。
私はたまたま東京の家から関西の実家に帰る用事があったので、そのタイミングで親父のスマホの契約を行うことにした。両親ともにそういった契約が苦手なので、こういう契約はついていくようにしている。こうした実家での宿題はよくあることだ。
母親がauで買ったPhone8があると聞いていたので、とりあえずUQモバイルの契約にしてそのiPhoneを使おうと考えていた。

当日、親父は梅田で送別会があったため、梅田のヨドバシカメラで契約を行うことにした。入店するやいなやUQモバイルの店員さんが大声で呼び込みをしていたので、さっさと契約を終わらせたいと考えていた私は、その店員さんに新規の契約をしたい旨を伝え、そのまま契約するカウンターに座った。

契約の途中、「何ギガのプランにしますか」と聞かれたので、どうせあんまり使わないだろうと思い、最小のプランを指差したのだが、ここで親父が「このギガっていうのはどういうことだ」と質問してきた。
説明しても理解してもらえるとは思わなかったが、ちゃんと説明しないと話が前に進まないような気がしたので、「プランで契約している通信量を超えると通信が遅くなる」と簡単にニュアンスで伝えたところ、「じゃあ、もう一個プランをあげよう」と言ってきた。
確実に15ギガもいらないので、「外でYouTubeとか見ない人にはもったいない」と応戦した。親父がもったいないことを嫌いであることは知っていたので、ここで最小のプランになることが決まった。
念押しで「大丈夫なんだよね、超えてもお金かからない?」と聞いてくる親父に対して、不安にさせないよう凛とした表情で大丈夫だと伝えておいた。

iPhoneにSIMカードが挿入されると、しっかりと三本のアンテナが立っていたので親父の新しい電話番号に電話をかけてみた。
隣同士で通話するさまは、客観的に見るとなんだか微笑ましいような気もする。
昔カップルでPHSを持つのが流行ったのだけれど、二人で一緒に契約に行ったときにはこうやって隣同士で電話してみたのかなと想像したりした。

こうして契約は無事に済んだのだが、その後親父は外出するときにあまりスマートフォンを持ち歩かなかった。わざわざ契約したのに意味がわからない。

聞くところによると、母親の今のプランが、「契約しているギガを超えると、新しいギガが課金される契約」らしく、それにビビっていたらしい。
そんな凶悪なプランが有るのか、なるほど、と感心さえした僕は、また宿題が増えたなと思い実家をあとにした。




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