1.
この金木犀の季節。君を送り出して3年目。
もう寂しくないと言えば嘘になるけど。
君が夢に出てきたので、気持ちの整理として。
「変性性脊髄症」
ボール遊びをしていて足がもつれることが増えて
病院で診てもらったのが始まり。
老化とは違う、違和感。
足からゆっくり3年かけて麻痺が進んでく。
歩けない・体も起こせない・鳴けない
ご飯もうまく食べれれず誤って口を噛んで出血
排泄困難・ストレスで噛みつく
そして最期は呼吸ができなくなる。
11歳。人でいうと60代。
先生に長生きさんですよと言われても納得できなかった。
余命宣告。治療方法はなく弱っていく様子を見守る、だけ。
初めて車いすに乗った時ボールで遊んで走れるようになった。
上手くあげれない足は擦れて傷だらけで、靴下を作ったっけ。
公園ではしゃぐからすぐ靴下ボロボロだったね。手芸がうまくなったよ。
元気すぎて車いすを何回も壊しておじさんを困らせた。
おかげで筋力の落ちるスピードもゆっくりで、先生もびっくりするくらい。
このまま治るんじゃないかって思ったんだ。ちょっとだけ。
1年と少しして。だんだん歩くことを嫌がるようになった。
フセができなくなり横倒し…のままはよくないらしいので、タオルで挟んでサンドイッチでできるだけフセをキープ。
口でハァハァ呼吸するようになった。腹式呼吸になっていった。
そのころ先生に改めて伝えられたんだ。
「そろそろ、覚悟しておいてください」
してるつもりだったのにな。
一瞬で床に叩きつけられた、一生忘れない。
続きは後で