EOS6Dメモ(2) PowerShot G1Xと地続きの存在か?
※将来的に同人誌に使うかもしれないネタ置き場です。
10年代以降の「キヤノンの"思想"」を見る
PowerShot G1X、という「叩き台」
2008年に日本市場に登場したiPhoneに「ショックを受けた」キヤノンが「スマホとの共存」に向けて考えた「未来のカメラ(スマホに喰われないカメラ)」として自社の優位性を組み合わせて作ったPowerShot G1Xを開発したのでは……というのは、弊サークル既刊『JC No.10』でも語ったところである。
しかし当時の消費者はPowerShot G1Xのことを富士フイルムのFinePix X100や、現在でも生産が続く傑作コンデジであるSONY RX100と比べると「単なる高級コンデジの出来損ない」として見ていたのだが、今になって見てみるとこの見方に関しては違う部分があるように感じる。
EOS6Dは、G1Xの「思想」を発展させた機体?
EOS6Dは、それまでのキヤノンP・キャノネットから脈々と続く「高性能なカメラを他社より安価に」という伝統とは別の「スマホとの”親和性”を高める思想」で開発されたのではないか?という部分もある。
少なくとも、2012年9月のフォトキナ開催時のキヤノン常務インタビューでも「単に写真を転送するだけでなく、スマートフォンを活用する方法は色々あるでしょう(インプレス:2012年)」と発言しているように、スマホといかにして共存するか?と模索しているところもあり、更には「LTEなど第四世代携帯電話網になれば、カメラから直接画像をアップロードすることも検討したいと思います(インプレス:2012年)」と当時サービスが開始されたばかりの4G網に向けた新しいカメラのコンセプトを提示している。
そういう常務インタビューからの観点で見ると、EOS6DはPowerShot G1Xの「スマホに喰われないカメラ」という裏コンセプト(?)からさらに発展させた形で「スマホとの連携」を重視してWi-Fi転送機能とGPS機能をEOSとしては初めて搭載したカメラである。
コンパクトよりも余裕のある一眼レフの筐体だからこそ今につながる各種機能を実現できた部分もあるのだろうが、EOS6DはG1Xからの新しいキヤノンの思想である「スマホを見据えたカメラ作り」というコンセプトが連続しているカメラとなっている。
少なくとも、10年代末より発売されているinspic銘の実験的なカメラもまたPowerShot G1XとEOS6Dによって培われたものから生まれたカメラなのであるか。
そういう意味では、ハイエンド品をベースに「これからのカメラに向けた実験」を行えるキヤノンという会社の技術力やマーケティングなどトータル面での底力を見ることができるのである。
参考資料
【フォトキナ】インタビュー:「EOS 6D」「EOS M」を加えるキヤノンの新ラインナップ戦略(インプレス:2012年)
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/561834.html
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