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日経新春杯

はじめに

新年あけましておめでとうございます

 昨年も名馬たちによって様々な物語が紡がれ、非常に見ごたえのある一年でした。JRAとNAR、そしてすべてのホースマンに感謝ですね。個人的にも10万円以上のプラス収支で終わることができ満足です。
 今年も素晴らしいレースと数多の名馬たちに出会えることを願って、競馬を追っていければと思います。

ちょっとした昨年の振り返り

 昨年の競馬を振り返る中で、最も大きな存在感を放っていた馬は、いうまでもなくイクイノックスでしょう。
 私は昨年、ジャパンカップや天皇賞秋、イクイノックスの引退式といずれも現地で観戦しました。強豪揃いのメンバーの中、競馬の常識をひっくり返すような走りを見せ圧勝したイクイノックスはまさに衝撃的な存在で、競馬の歴史の一幕をこの目で追えたことは、一競馬ファンとしてはこれ以上ない喜びでした。彼の引退は寂しいですが、国内外のあらゆる名馬を追い抜かし、今年の世界レーティング1位に輝いた訳ですから、文句などあろうはずがありません。最後まで完璧で究極のお馬さんでした。次世代に期待しつつ、これからも競馬を追い続けていければと思います。

 前書きが長くなってきましたがもう少しだけ。私のこの投稿は菊花賞以来で、実に2ヶ月振りということになります。観戦に行っていることからも分かるように、決して競馬から離れていたわけではないのですが、これにはちょっとした背景があります。
 私はこの2ヶ月間、亀谷競馬サロンに登録しサロンメンバーとして活動していました。もちろん、競馬の腕を買われてとかではなく、お金を払って登録しただけなのですが、非常に刺激的で貴重な体験でした。亀谷さんやメンバーの方々と交流する中で、競馬に関する様々なことを吸収することができ、より競馬を楽しめるようになったと感じています。
 noteの投稿がなかったのも、サロンでの交流で予想に他人の考えや記述が多く入り込み、自分の予想として投稿するのがはばかられたためで、不定期ではありますがこれから投稿は増えてくると思います。
 昨年の振り返りやサロンの話は長くなるので割愛して、そろそろ春の到来待ち望みつつ日経新春杯の予想に入っていきたいと思います。

日経新春杯

レース分析

 日本経済新聞社主催の本レース。日経新聞には父親が時々載る機会があり、そのたびに父親が1週間くらい自慢をし続けるのでそのイメージが強いです。余談でした。
 さて、本レースは京都競馬場で行われる2,400m(外)のハンデ戦。1コーナーまでの直線もゴール前の直線も十分に長く、馬たちも比較的力を余すことなく使えるコース形態のため、ハンデ戦ではありながら固めの決着も多いレース。安易に人気馬を切りすぎると痛い目に合いそうなので気を付けたいところです。
 メンバーを見渡してみると、昨年のクラシック世代で前走菊花賞組が上位人気馬として3頭参戦しており、この世代の中長距離戦線の決着に注目が集まります。また、昨年好調で、個人的にも函館記念でお世話になったブローザホーンも参戦しており、こちらは前走京都大賞典で心房細動により競争中止となっていることもあり、復活の勝利に期待が集まります。

予想の着眼点

 今回のレースを予想する上で最も重要になる要素は、現在の京都競馬場の馬場状態だと考えています。というのも、今開催の京都競馬場の馬場はかなり異常で、開催2週目とは思えないタフな馬場になっているのです。初週から芝の塊が飛び交い、上り3ハロンの時計もかなり遅く出ています。京都金杯レース後の騎手からのコメントにも『馬場が緩い』といった内容が多かったです。急な気温変化のせいか、新装京都の芝ノウハウが未熟なせいかは分かりませんが、芝の根付きが悪い印象ですね。
 開催初週の高速馬場を使っておいしい馬券を取ろうとしていたのですが、これが全くの裏目に出て、初週から痛い目にあいました。先入観とは危険なものです。
 1/13(土)までのレースを見て、京都競馬場の馬場について注目すべきところは大きく2点です。
 まずは脚質面で、上り勝負を得意とする馬を割り引くことです。現在の京都の馬場は自分の中ではスピードに上限値が設定されているイメージです。どれだけ足を溜めても最後方から全馬を追い抜くほどのスピードは出せず。最後の直線での攻防が、普段より前の馬とのスピード差が生まれなくなっている印象です。従って、今の京都に求められる能力は、トップスピードよりも、欧州的なスピードの持続力とスタミナであると考えています。
 次に血統面です。こちらは父サンデー系を割り引くことになってくると思います。上り勝負を得意とする馬、いわゆる日本的なスピードをもつサンデー系の馬たちの凡走は血統傾向にも顕著に出ていて、最新の10レースで馬券内に来た30頭の内、父サンデー系は6頭しか来ておらず、その6頭も母系は欧州色の強い血統構成になっていました。
 全ての距離を通じてこれらの傾向が出ているというのはかなり強いバイアスで、今回の京都開催の大きなテーマになってくると思います。
 血統についてもう少し深掘りします。全体的に言えることとしては欧州色の強い馬が走っているという印象です。また、ロベルト系やナスルーラ系(特にグレイブソブリン系)などのスピードの持続力を強化する血統を持つ馬はかなり好走率が高いです。狙い目としては、Mr. Prospector系やKingmambo系に母系からサンデー系の芝適正を供給した配合や、父母父にロベルト系を持つシルバーステート産駒、タフな馬場で強いハービンジャー産駒やドレフォン産駒、中長距離ではステゴ一族のオルフェーブル、ゴールドシップ、ドリームジャーニー産駒が狙い目でしょうか。

予想印と各馬への見解

◎ブローザホーン

 ロベルト系のエピファネイア産駒で母系からサンデー系を供給し、父母父のサンデーサイレンス産駒スペシャルウィークとクロスさせ、3×4のサンデークロスを作っている。エピファネイア産駒ではスタンダードな配合。エピファネイア産駒は3歳時に強くピークアウトが早い早熟血統とよく言われるが、これは若い馬体の柔らかさが使われるごとに固くなることでキレを失い結果が振るわなくなる為に叫ばれているもの。これとは逆でロベルト系のスピードの持続力が良く出た、馬体が完成してから好走するタイプも一定数いて、これがブローザホーンに当てはまっている。
 ブローザホーンは3歳時にマイルで使われるも、キレがなく凡走。3歳夏に2000mの稍重で勝ち上がり、冬には2500mの稍重で2勝目、一度小回りの小倉で使った後、2000~2600mで4戦し1着3回、3着1回(出遅れ)で前走の心房細動による競争中止に至る。
 キャリア全体でも、勝ち鞍は上り35秒台で最速となるレースばかりで、キレが要求されるレースでは凡走していて、まさに今回の馬場に完全にマッチしている。いよいよ馬体が完成し、今が間違いなくキャリアのピーク。好走を期待している。
 不安要素は精神面。京都競馬場は彼が心房細動を起こしたところ。前走がトラウマとなり、競馬を向き合えるかどうかに不安は残る。パドックや返し馬で確認してから馬券を買いたい。

〇シンリョクカ

 状態面、馬場との相性、そして牝馬限定の愛知杯ではなく、混合戦のこちらを選んできた陣営の思惑から、この馬を対抗に選んだ。
 状態面としては、彼女の調教の内容からメンバーの中でもかなり高く評価した。時計としても自己ベストに0.1秒差まで迫りながらも、その内容が素晴らしく、一杯で併せ馬に先着し14.0-13.3-12.1-11.2とラスト1ハロンで力強く加速している。この驚異的な加速を見せながら併せ馬に豪快に先着したことは、かなり高く評価できる。
 馬場の相性は最速の上がりが35.5まで失速した阪神GFでリバティアイランドの2着を見せたことを評価した。今回想定している上りのかかるスタミナ戦に強い適性を示し、また母母父に欧州でもかなり持久力があるニジンスキー系を持ち、配合全体としても非常に欧州色が強いことから、この適正は血統の裏付けもある。
 最後に牝馬限定戦でより勝算のある愛知杯ではなく、あえてこの日経新春杯を選んできたことに見て取れる陣営の覚悟を評価したい。牡馬相手にどれほどやり合えるかは未知数だが、この選択はこの馬への陣営の評価の高さの表れではないだろうか。
 斤量53kgもかなりの追い風。レース展開にうまく乗れれば勝ち負けもある。

▲カレンルシェルブル

 現在好走しているハービンジャー産駒を狙っての1頭。後方から行ってよく脚を余してる馬。武豊への乗り替わりと初ブリンカーで変わり身を。
同じくハービンジャー産駒のヒンドゥタイムズはトップハンデとコース経験の少ない外国人騎手への乗り替わりが不安。

△リビアングラス

 テンがはやい馬で、それを活かせる鞍上田口貫太と斤量54kg。現在の馬場には攻略法がある。京都金杯で岩田康誠が8番人気1着を飾った際、ひたすらに最内で追走し直線でもインをつく競馬を見せた。積極的で思い切った騎乗もできる貫太なら勝ち負けも大いにあり得るだろう。ただ、今開催で20頭以上出走しているキズナ産駒が馬券内に1頭しか来ていないのがかなり大きな不安材料。

✖サトノグランツ

 欧州色の強い血統でありながら高速馬場での上り勝負を得意とする馬。Danehill由来のマイラー的なスピードが強く表れているのだろうか。2度の重賞勝ちも上がり33.1の豪脚でねじ伏せての勝利で今回の馬場想定とは真反対。うちで足を溜めればチャンスはあるが今回は外枠。神戸新聞杯組の菊花賞はほぼ全滅で、レースレベルに怪しさが残る。川田が乗っているのが怖いが、ここは軽視し、3連系でも切って勝負したい。 

馬券のレイアウト

◎ブローザホーン
〇シンリョクカ
▲カレンルシェルブル
△リビアングラス
✖サトノグランツ

 今開催で成績の悪いディープインパクト産駒、キズナ産駒を嫌ったこともあり、比較的人気薄に印を回すこととなった。人気馬のブローザホーンを強固な軸とし、印を回した3頭の内どれか1頭でも来ればあたる馬券を組み、2頭来たら大きく勝てるレイアウトにしようかと検討中。
 詳細は当日のオッズとブローザホーンの状態、をみて決めたいところ。彼については、前走がトラウマになっていないかパドックで確認し、馬体重も大幅なプラスで出てきてほしいところ。


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