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ちゃんどら通信:沈黙の新月

本日、2月1日14:46 新月を迎えます。

ナクシャトラはシュラヴァナ。

山羊座10度00分~山羊座23度20分
支配神:ヴィシュヌ神
象徴:耳、3つの足跡
※インド占星術はサイデリアル方式ですので、トロピカル方式の西洋占星術とは月の位置が異なります。

ヴィシュヌ神は宇宙の維持を司る神です。

ブラフマー神は創造を、ヴィシュヌ神は維持を、シヴァ神は破壊を司り、宇宙の3柱、三神一体(トリムルティ)としてあがめられています。

維持を司るヴィシュヌ神は、悪が栄え、宇宙に不均衡がもたらされたとき現れて宇宙に均衡を取り戻すとされています。

ヴィシュヌ神が支配神となっているシュラヴァナには、安定、守護、維持などのエネルギーが備わっていて、その新月には、秩序と平安が満ちています。

この安定のエネルギーを活用して、自分自身と向き合い、自分を見つめ直したり、自分を取り巻く世界をとらえ直すような行為が勧められます。

「耳」がシンボルとなっているシュラヴァナには、そのサンスクリット語自体に「聞く」という意味が含まれています。

誕生チャートでシュラヴァナに月や太陽、あるいはアセンダントのある人には、宇宙に響く原始の音オームを聞き分ける能力があるとも言われています。

耳で聞くことはすべての学びの始まりです。そこから、シュラヴァナは「学びの星」とも呼ばれています。

古代、文字のなかった時代には、人は知識を聞いて伝えるという方法で受け継いでいました。口伝です。

知識を耳で聞きいて習得し、それをまた次の人に口頭で伝える。これが学びの原点、コミュニケーションの原点です。

聞くという作業は、知識の習得だけに使われるのではありません。心が発する声、体が発する声、宇宙の音、自然界の音。あらゆる声や音を聞くことがすべての学びのはじまりです。

常にノイズ、雑音に囲まれて暮らしている私たちは、聞くことに鈍感になっているかもしれません。

シュラヴァナの新月には、静かに聞くことや観察する力が高まり、普段なかなか聞くことができない声が聞けたり、小さなささやきに気づくことができるはずです。

特にインドでは、シュラヴァナの新月はマウニ・アマヴァスヤという「沈黙の新月」と呼ばれます。

1月15日にはマカラ・サンクラーティという春の到来を告げるお祭りがありました。この後、季節は太陽が北へ回帰するウッタラーヤナ(冬至から夏至の6ヶ月間)に入ります。

それは暗い冬の季節も徐々に明るい春の季節へと切り替わっていきます。

今回の新月は、マカラ・サンクラーティの後にやってくる最初の新月にあたり、神聖な新月とされています。

霊性を高めるための修業が勧められ、それが、「沈黙の行い」です。

沈黙は自分自身と向き合う行為。自分自身の本質に気付かせてくれます。

この神聖な新月には、できるだけ静かに過ごす時間をとりましょう。できれば沈黙の時間をとり、難しいようであれば、発する言葉を少なくシンプルにするように心がけてみましょう。

一日を通して、外の雑音ではなく、内なる音に耳を傾けてみましょう。

この後、2月4日には立春を迎えます。まだまだ肌感覚では真冬ですが、それでも季節は少しずつ春に近づいています。

冬の間に温めていた計画を実行に移すときがすぐそこまできています。

冬と春との区切りともなるこの特別な新月をぜひ有意義にお過ごしください。

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