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組織サーベイで「組織の筋力」を鍛える

この記事は、『アカツキ人事がハートドリブンに書く Advent Calendar 2019』 の 24日目の記事です。 前回はsho oguraさんの、「国内に拠点を作ってみた振り返り」でした。


こんにちは!アカツキの人事広報部の全領域に関わっている法田(ほうだ)です。

今回は、「組織サーベイ」の話をします。

最初に自己紹介。新卒で大手電機企業に入社し、戦略コンサル、メガベンチャーを経て、2016年にアカツキに参画しました。当初は新規事業の立ち上げを推進し、2年前に人事広報部にジョインしました。

アカツキでは、人事広報部を「Relationship Produce Guild(RPG)」と呼び、関係性をプロデュースする活動をしているので、以下では「RPG」として語ります。

必要な「手間」をかける

RPGに来た時、私が最初に推進したのが「組織サーベイ」でした。その背景は、2つ。当時、メンバーの人数も増え、全体の状況が掴みづらくなり始めていたこと。そして、RPGの誰もまだやっていない領域なら、私がやりたいと手を挙げたのが始まりでした。

最初、周囲にヒアリングをかけると、実は以前に組織サーベイのようなものを実施し、疲弊してやめたことがあると知りました。細かな課題にばかり目がいく様になり、本質が見えなくなってしまったことが要因の1つらしい。正直、「いきなりハードルあがってるやん...」と心の中でボヤいたのを覚えてます。

導入検討時、世の中には「組織サーベイ」を提供しているサービスが複数ありました。良い組織に必要な条件を研究機関等と連携して思想に落とし、既成のサーベイ項目として設計されたものや、他社との数値の違いを比較して評価できるものなど、各サービスの特徴はそれぞれ違っていました。

結果として、メンバーが答えやすい形でサーベイが配信でき、UIが分かりやすく、コストが安く、サーベイ項目のカスタマイズが可能なサービスを選択しました。サーベイ項目は全てカスタマイズし、メンバーが理解しやすい言葉の表現と、アカツキが目指したい組織の形を反映し必要最小限の項目数にしました。(例えば、配信はチャット、回答はスマホ、UIはスライダー、項目数は30程度、など)

特にサーベイ項目は、良い組織の研究に基づいた既成サーベイの良い点を取り入れつつ、アカツキハートの考え方を組み合わせて、言葉の表現が伝わるかを何度も丁寧に確認し、自分たちの言葉として、また組織のあり方としても違和感のない形に手間をかけて修正していきました。

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今から思えば、既成のサーベイの形に単に合わせるだけではなく、アカツキが目指す形に合わせるために必要な「手間」をかけて組織サーベイをカスタマイズしたことが、後々の良いプロセスにもつながっていったのだと思います。


全体を「1枚」でみせる

組織サーベイの結果をどう見せるのかも完全カスタマイズしていきました。とにかくすべての指標をA3サイズ1枚に納める。そして、視認性を高めるためにグラフの色や分析の切り口を工夫し、ダッシュボードのように多くの情報を一度に可視化できるようにしました。(例えば、各項目の今回結果と前回差、全体平均との差。また、雇用形態別、入社年数別、新卒/中途別、等級別、回答点数別、など)

ポイントは、全体がそのまま見れ、結果に対する解釈の方向性が決められてないものであること。つまり、「◯」や「✖️」というような解釈が決まっている印がつけられていないことです。

これは、後のプロセスを練り込んでいく際において、組織サーベイ結果を「どう味わうか」という部分につながっていく上でとても大事な部分になります。今でこそ言い切れますが、当時は1枚にまとめるために四苦八苦し続けて、私自身が結果を味わう余裕がなかったですね。。


振り返りの「プロセス」を練り込む

組織サーベイをどのようなプロセスで振り返っていくのが良いか。この振り返りのプロセスこそが、組織サーベイに練り込むべき、最も大切な要素だと思っています。

まず、組織サーベイの結果を単なるチームリーダーの成績表のように扱わないように注意を払いました。成績表として扱われると、リーダーは結果だけを意識しがちになり、「結果を味わう」ことができなくなり、小手先の対策に走る傾向が高まるからです。

プロセス作りは、私が信頼する「壺さん」(アカツキの人材マネジメントパートナー)と一緒に行いました。最終的に「結果を真正面から受け止め、本質的な対話や行動につなげてほしい」という願いを込めつつ、GoodとMore、モヤモヤの3つを味わう、という設計にしました。

Goodは、組織サーベイから読み取れる数値結果が比較的高かった項目であり、リーダー自身もその結果の理由が感覚的に説明できるもの。Moreは、数値結果が比較的低かった項目であり、その理由は感覚的に説明できるもの。モヤモヤは、結果に対して理由が説明できないもの。

まずは、ゲーム事業からサポートし、複数のチームリーダー(多くても5人)と上位リーダーと人事メンバーが集まって、3グループに別れて振り返りの場を実施していきました。

当初の振り返りの場は、このメンバー全員の予定を合わせるのが大変だったため、早朝7:30から行う形が多く、一時期は風物詩のようになっていました。予定がカレンダーに入ると、「この季節がきましたね。。」と苦笑いしたものです。(今では早め日時を調整してます^^)


「組織の筋力」が鍛えられていく

既にアカツキでは過去4回(半年に1回 x 4回)のサーベイを取得しており、回数を重ねるごとに、味わい方が広がり、分かち合いが深まり、対話のレベルが上がっていっています。最近では、サーベイ結果の振り返りの場に、現リーダーが後任候補を連れてきて、チームの現状を伝えながら、次の半年間を見据え何をしていくべきかを一緒に考える、育成の場にもなってきています。

大切なことは、組織サーベイという客観的なデータを共通情報として、リーダー自身が感じたことを味わい、どのような事象が起こったのか、他のリーダーからはどう見えていたのか、次の半年はどうしていくのか、チームを率いるリーダー自身が「自分で課題と目指す方向を決め、やるべきことを認識して現場に戻っていく」ことです。

アカツキのリーダーたちが、サーベイ結果を本当に真正面から受け止め、自分の意志をのせてチームのことを語る姿は本当に素敵です。自分のチームの状況に思いをはせ、味わいながら、分かち合い、対話する。この効果は想定以上のものに発展していったように感じています。

上位リーダーや他チームを混ぜて振り返りを行うことは、副次的な効果もありました。自分が当たり前にできて良い結果になっていることが、他リーダーにとっては学びになったり、自分がこれぐらいで良いと思っていることが、他リーダーの指摘によって危機感につながったりしていきました。また、上位リーダーの視点からみれば、今の状態が良くても、半年先を見据えて今からすべきことがあるのではないか、という観点が加わることもありました。

導入から2年も経つと、プロダクトのライフサイクルの影響も加わっていきます。ゲーム事業で考えると、リリース前開発フェーズ、運用フェーズ、収束フェーズの大きく3つに別れ、それぞれのフェーズで組織サーベイ上の項目で意識して強めておく項目があることが、別プロダクトのリーダーに対話の中で引き継がれていくこともありました。

例えば、ゲームがクローズに向かう中でも、各メンバーが誇りに思えるように、チームがそのフェーズをやりきる意義を考え、伝え合うことがとても重要であることを過去に経験したリーダーが、次に経験するリーダーにバトンをつないだことがありました。そして半年後、渡されたバトンの通りに、見事にチームの状態を維持し結果につなげていました。

そして最近では、組織サーベイの結果からリーダー自身のリーダーシップスタイルの得手不得手が対話され、今後リーダーとしてどう成長していきたいかまでもが分かち合われていく、ということにも発展していっています。

組織サーベイの振り返りを重ねるごとに、リーダーの視野が広がり、向き合う覚悟は強まり、交わされる対話の質が上がっているからこそ、確実に組織が鍛えられていると感じてます。このプロセスを繰り返していくほどに、組織やチーム・リーダーシップのあり方を自分の頭で考えて行動していく人が増え、相互に刺激し合って学びを深めていくと期待を込めて想像しています。

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そして、リーダーがサーベイ結果をチームメンバーに公開し、一緒に考えてチームを創っていくということにも発展しています。まさに、この伝播により、組織の「筋力」が鍛えられているように思います。この流れの土台には、アカツキが大切にしている「分かち合い」の組織文化があると感じます。私もその文化に良い影響をもらいながら、自分自身も「現状を分かち合って、そこから一緒に考えていこう」と思える環境を創る側でありたいと常に思っています。


形にこだわらず「意図」にこだわる

今後、組織サーベイの質問項目や見せ方は必要に応じて変えていけば良いと思っています。でも、この組織サーベイを使って何をもたらしたかったかの「意図」は変えずにこだわり続けたいと思っています。それは、「成長し、つながりをもって幸せを生み出す組織」というアカツキの組織ビジョンを磨き回し続けるという意図です。

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もちろん、組織ビジョンの実現には、組織サーベイ以外にも取り組んでいることがたくさんあります。組織サーベイは、その中の1つです。ただ、同じ意図を持って取り組んでいます。

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何度も組織サーベイのプロセスを回していく中で、チームリーダーやメンバーは入れ替わっていきますが、振り返りの場ではRPGメンバーが毎回参加し、この「意図」を必ず最初につなげることをしています。


「好循環」を起こしていく

RPGでは、アカツキグループ全体に影響のある施策、仕組み、制度やルールなどの整備および実行に関わることが多くあります。何かの施策、仕組み、制度やルールを入れる際に大事にしたいのは、ビジョンや意図の実現に向けて「その取り組みは好循環を起こせているか?」ということです。

これを続けていけばどんどん良くなる。そして、自ら考えて貢献していく人がどんどん増えていく。さらには、アカツキでの取り組みがグループ全体にも広がって、いずれは世の中にも広がっていく。

私は、そういう好循環をたくさんたくさん起こしていきたいです。そのための手間は惜しまない。そんな覚悟でやってます。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
メリークリスマス。


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