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アカツキのミッションをポッシブルにするために必要なこと 〜入社1年の私がショパン「革命」を弾きこなす過程と重ねて考えてみた〜

こんにちは。アカツキの中途採用オペレーションを担当しています、石川理恵です。
採用のフローやルールを見直して改善したり、候補者・エージェント・社内のメンバーなど関わる人全てが快適に採用活動を進められるようサポートするのが私の役割です。

これまで消費財のマーケティングを中心にマーケ会社やコンサル・広告代理店などで働いていましたが、色々あって(話せば長いので割愛します)アカツキの人事になりました。
今年 2021年1月1日入社なので、ようやく1年といったアカツキ新米です。

そんな私が、アカツキが掲げるミッションを斬る!!

...嘘です。アカツキのミッションを自分なりに解釈し、どうやって実現していくのか、そのために私個人は何をするのかを考えていきたいと思います。

1.そもそもアカツキのミッションって?

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(株式会社アカツキ HPより https://aktsk.jp/company/mission/)

アカツキのミッションはこんな感じ。

世界をエンターテインする。クリエイターと共振する。
Entertain the world.Resonate with creators.

ふむふむ。Entertainは他動詞なので、他者に対して「楽しさ」をもたらす・働きかけるってことですね。この場合の他者は世界(world)に対してとうことになりますね!大きい!

ではクリエイターと共振するっていうのはどういうことでしょう。
Resonate(共振・共鳴)は一人ではできないことです。複数の音があって成り立つものですね。クリエイターと響き合うってことでしょうか。

なんとなくわかったような、わからないような?

ではさらに細かくみていきましょう。

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(株式会社アカツキ HPより https://aktsk.jp/company/mission/)

先程のステートメントを噛み砕いた文章です。ここを読むと、やっと自分事として頭に入ってきました。
なぜか?
この文章を読んだときに、私はある体験を思い出したからです。
そのことについて、お話ししようと思います。

2.ピアノがうまく弾けないということ

突然ですが、私は4歳の頃からピアノを弾いています。大学に入って一人暮らしにピアノは持参できないこともあり、しばらくブランクがありますが、社会人になってまた独学で弾きはじめたので都合20年以上やっていることになります。

ちなみに、過去にマンションの下の階の住人から「上の階でドラムを演奏している人がいる」と大家さんに苦情がいったことがあります。(本当にごめんなさい)
電子ピアノなので音を出さずヘッドフォンで弾いており、音が漏れていたわけではないのです。椅子から立ち上がるほどの勢いで指を叩きつけてジャズを弾いていたので、その振動が下へ響いたようです。情熱が溢れました。熱すぎたのです。
閑話休題でした!

私が最も好きな曲の一つにショパンの「練習曲ハ短調作品10-12」があります。
何じゃそりゃ?
「革命」「革命のエチュード」と言ったら通じるでしょうか。(以下「革命」と表記します)
たいていの人は聞いたことがあるでしょうからお分かりかと思いますが、めちゃくちゃ難しいです。
レベルで言うと「上級の上 F」、つまり激ムズ。
(楽譜の冒頭はこちら↓)

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(出典:PIANO CLASSICS110よりhttps://pianoclassics.net/score.php?id=96)

★ポイント:左手は、allegro con fuoco→速く・炎のように
★ポイント:右手は 、legatissimo→極めてなめらかに

2分の2拍子で速さはアレグロ・コン・フォーコ、テンポは160。
左手は高速で激しく短音階の上行下行を繰り返すため指がこんがらがってもつれます。にもかかわらず、右手は情感たっぷりに歌い上げなさいという...「無茶言うなよ!」と怒鳴りたくなる(なりません)構成になっています。

(聞いてみてください↓↓)

https://classical-sound.up.seesaa.net/image/Chopin-Revolutional.mp3

私がこの曲に初めて挑んだのは高校1年生の時でしたが、もう弾けなくて弾けなくて、悔しくて悔しくて、ピアノに突っ伏して泣いて、意地になって指から血が出るまで練習しました。
ちっとも上手くならない。
なのでどうやったら弾けるのか高校生の私は考えたのです。

なぜこの曲を弾いているのか?
何を考えて弾いたら良いのか?
何を伝えたいのか?
誰に伝えたいのか?

そこでハッと気付く訳です。この曲のこと、ショパンのこと、作られた背景のこと、何も知らないのに音符だけ見ていて表現できるはずないのです!

ここで私がその頃調べたことをまとめます。

3.ショパンと「革命」の時代

ショパン1810年、ポーランドに生まれました。しかしその頃はポーランドという国は名を失い、ロシアの一部になっていた時代です。
かつて北のパリと言われて華やいでいたワルシャワ(ポーランド首都)はロシア支配下に。
そんな時代にショパンは育ったのです。

1830年にはフランス革命が起きます。革命は一気に広がりを見せ、ワルシャワにも及びます。この年、ショパンは演奏会のためにフランスに旅立ち、そしてその旅路でワルシャワの革命が失敗に終わったことを知るのです。

「革命」はこういった背景の元、ショパンが祖国や家族を憂いながら書き上げた曲である、という説は最近では否定されていて(「革命というタイトルも友人のリストがつけていますし)、本人は特に意識せずに作った説が有力です。しかし、祖国がない状態で生まれたショパンが幼少期をロシア管理下で過ごし、激動の時代の中を駆け抜けながら作った曲たちには共通して怒り・不条理さ・鬱屈といった暗くて強い情念を感じるのは私だけでしょうか。

4.ピアノで表現するということ、そして

そのようにして私は考えました。背景を知りました。ショパンの悔しさを想像しました。
そして練習を繰り返しピアノ発表会に挑みました。

「革命」を弾くときに考えていたこと、それは言葉にならない私の(ショパンの代弁者である私の)気持ちを聞くひとに届けたい!ということでした。
湧き上がる気持ち、それが私の原動力になりました。
演奏を聞く人とこの気持ちを分かちあいたい、聞いてもらえればきっと届く、きっと共振できる。
それは私と、クリエイター・アーティストであるショパンと(すみませんショパン先生、私はそのように感じました)その時代、聞き手、これから先に「革命」を弾くだろう未来の人と繋がったような体験でした。


ここまで読んでいただいて、「お?」と思いませんでしたか?
そうなんです。アカツキのミッションと通じるのです。

(再掲)

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私にとってピアノは、想いを届けたいという原動力を使う手段。
ショパンの「革命」を通じて私の世界は広がりました。
そしてフランス革命時代やピアノ発表会会場にいた人たち、時や場所を超えて想いが繋がったと感じたあの瞬間は、私にとって大きな出来事であり、忘れがたい成功体験でもあります。
私の内面から湧き出る表現に加え、ショパンや私を取り巻く環境全てと共鳴・共振し、もしそれで心打たれた人がいたのなら、また次に「革命」を弾く人が私とは異なる共鳴・共振を起こすでしょう。

私とピアノの間で実感できたことは、きっと皆さんにも当てはまるのではないかと思います。皆さんもエンターテイメントを通して、誰かと繋がり、共振した経験はありませんか?
その感動を忘れないことは、アカツキのミッション達成に近づくことだと思います。
アカツキの目指すものは決してアカツキ社員だけに限定した話ではなく会社の枠を超えて誰もが目指していける素敵なミッションなのです。

5.ミッション・ポッシブルにするために私が心掛けること
またはミッションインポッシブルにしないために私が心掛けること

とはいえ、アカツキの掲げるミッション達成のために先陣を切るのは私でありたいです。
決してミッションインポッシブルにはしない!
そこで、ショパンの「革命」で得た教訓を元に、私がアカツキで働く上で心がけたい三箇条を宣言したいと思います。

一、考え抜くこと

ルールに従って楽譜を弾くだけなら、練習すれば誰でもできるのです。
(あ、でも「革命」は練習しても結構大変ですけどね!)

なぜそれをするのか?なんのために?何を届けるのか?誰のために?なぜ?
とにかく考え抜く。調べたり、聞いたり、踊ったり?しながらもうこれ以上わからないというところまで、考えを出し切って自分なりの答えを出すことはこれからも続けていきたいです。


二、情熱を持つこと

アカツキではよく「ゲームへの熱量が足りてないのでは?」「業界への熱い思いを感じるのは素敵」といった「熱」に関する言葉が飛び交います。
①で述べた「考え抜くこと」にも通じますが、考えず・情熱をもたずに作業をすることは可能です。
楽譜のルールに従ってその通りに従うことは、でも、機械と一緒です。
人間である限り、よく考え、情熱を持つことが価値を発揮することに繋がります。

日々ルーチンで仕事をしていると、慣れもあり、どんな人でも最初に持っていた熱い気持ちは冷めゆくものです。しかし情熱を込めた仕事と情熱のこもっていない仕事を比較すると、クオリティの高いのは情熱がこもった方ではないでしょうか。
情熱とはつまり人の想いであり、誇りであり、魂だからです。
魂のあるものは人の心を打つのです。

仕事をしていて「惰性で作業しているな」「こなしているな」と感じたら私は自分に注意報をかけるようにしています。
ウーウー!!ジョウネツブソクデス!!


三、楽しむこと

なんだかんだ言ってきましたが、私が一番皆さんに伝えたいことはこれです。

楽しむこと。

限りある時間の中で生きているんだもの、楽しまなきゃ損なのです。
ましてや私はエンターテイメントを届ける立場にあるのです。自分を楽しめていない人が他者を楽しませられる訳がありません。
ピアノを弾くのも、仕事をするのも、苦しく辛いことはたくさんあります。でも「想いを届けるんだ」「共振するんだ」というミッションを忘れなければ、どんなことも楽しめます。
ピアノ弾きすぎて血が出たときもちょっと自分を馬鹿馬鹿しく思いつつも、この血が絶対成果につながる!って思って楽しんでいました。嘘じゃないよ!
どんな物事にでも楽しい一面は必ずあります。楽しさを見つけたら大袈裟に楽しむくらいが良いんじゃないかなって思ってます。

6.おわりに

...ということで、アカツキのミッションは伝わりましたか?
ピアノ曲、ショパンの「革命」を弾いた経験を元に、お話ししてみました。

また、ミッションを達成するために、私が心掛けている三箇条はいかがでしたか?
納得ですか?あるいは反発を覚えられたかもしれません。
なんだって構わないので、ご自身が掲げるミッションを達成するために、ご自身が心掛けたいことを思い描けたらとっても嬉しいです。

ちなみに、ショパンはポーランド発音だと、フルィデールィク・フランチーシェク・ショペーンです!

ショペーン先生を愛する石川理恵でした。

この記事は、『アカツキ人事が思いのままに書く Advent Calendar 2021』 の 9日目の記事です。
前回は豊村さん の「メンバーのキャリアを応援したくて人事になった私が、4年間で得た大事な気づき」でした。                                  
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