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【台詞集】小説『明鏡の惑い』第三章「祖父の顔」より


見いつけた! 目の細い真壁千代次さんて、あなたね!

   お祖父さんの顔を作りなさい

 うぇいうぇい、今日も晩酌、晩酌

熊川は勢いよく活動する水で、この照月湖は安らぐ水よ。

   そして月も日もここで安らぐ……

 人生七十古来稀なり、見ての通りの白髪頭よ。

ダワイ! ダワイ!

   怪我人と病人は休ませてくれ

 日本人など所詮はその程度のものだ。揃いも揃って長いものには進んで巻かれ、強きを助け弱きを挫く。

もしお祖父様がソヴィエトの女の人と結婚していたら、私もおまえも生まれてこなくて済んだのにね

   オラッチは雨のやみ間に草刈りをしていただよ。

 千代さん、これからも浅間観光をお願いね

熊川から河童が出てきて、カッパッパー!

   増田ケンポウの大切な人を、俺は守れなかった……

 お祖父様はどんな顔をしているだろう?

(作品はこちら)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/703314535/113741973