松方コレクション展

そういえば、松方コレクション展に行ったんだ。

そのときのことを書こう。

私はモネがすき。どこが好きかというと、生涯印象派を貫いたところ。

目に見えるものを書こうとしたところ。


という感じで、モネ目当てで松方コレクション展に行ってきました。

どれもよかったです。やっぱりゴッホの絵はひかってますね。

あとモネのチャリングクロス橋の連作が好きなのですが、その作品をみているとき近くにいたご夫婦が

「これだれ?モネ?なんでこんなモヤモヤしたの書いてるの?」

と夫に質問していた。

答えたい気持ちをおさえる。

なぜ私が1人で美術館に行くのかというと、作品と1対1で対話したいから。

正直この奥さまの声はよく響くので邪魔だった。「わたしモネすきかも〜」と言っていた。

そうですよね、モネは日本と相性がいいんです。なぜならジャポニズムだから。モネは日本の浮世絵の影響を受けているんですよ。

と話しかけそうになったが、これもまた沈黙。

モネの絵の前に立つと、母なるものに抱きしめられている気持ちになる。

「ただ、あなたはそこにいて」

と聞こえてくる。

モネは男性なのに、不思議だ。


展覧会はクライマックスへ。

数年前にみつかった、モネの睡蓮。

半分以上ボロボロのままだ。

なぜか涙腺が緩む。そのボロボロの絵の前で立ち尽くす。

ああ、風立ちぬを観た後の気持ちと似ているんだ。

美しいものは搾取される。


よく帰ってきてくれたね、と思った。

もう元の姿ではないけど。


松方の執念と、儚さ、無力さ。全身で伝わってきた。


夢を描けば描くほど、略奪され、搾取される。


それもまた美しい



赤と青

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