「街の上で」~切り捨てられた瞬間の輝きを抱えて~
そこで確かにあったはずの時間、もう見ることもできないし思い出す人もほとんどいないかもしれないけれど、そこで起こったはずのこと。
毎日を暮らしてくことは、そういうことの積み重ねだ。いわゆる映画やドラマになるような刺激的なものではないかもしれないが、飲み会でのふとした会話、初めてできた彼女と初めてセックスをしようとして失敗した時のこと、バイト先のカフェで出会ったお客さんを漫画の聖地巡礼に案内した時のこと、立ち寄ったライブハウスで知らない女性に煙草をもらったこと……
退屈な日