2022年「始まり」の一年(後編)/kazuki akashi

皆さま、2023年あけましておめでとうございます。
前編に続いて、2022年の振り返りをしていきます。

まだ、前編をご覧になっていない方は、是非前編からお読みください!

前編では、出来事中心での執筆でしたが、後編では想いや学びを書いていければと思います。

謎の自信があった0→1の立ち上げ

根拠のない自信。
時にはこれが大事な時もあると信じている。

3月末まで働いていた学習塾でも、何も整っていなかったところから色々な改善を行い、生徒数を2倍まで増やした。

だから、自分にはできる。
そう思って臨んだジムの立ち上げの挑戦だった。

7月23日にオープンしてからは、比較的順調だった。
問題が起きても、その度最適な解決策を見つけ出して、チームでの共有も欠かさず行った。

お客様にヒアリングも行いながら、サービスの改善も行った。

9月末までで、約100名の会員を獲得することができた。
入会率も80%を超えていたし、何もかもが順調に進んでいたような気がする。

しかし、どこかで必ず乗り越えなければならない壁がやってくると思っていた。

トップダウンかボトムアップか。

企業の風土として、トップダウンが良いか、ボトムアップが良いかなどが議論されることがある。
僕は、学生時代から監督やコーチの言うことが納得できないと反発するタイプだったので、トップダウンの風土があまり好きではない。
(僕のことを良く知る人は、おそらくみんな納得するだろう笑)

なので、仕事でも、プライベートであっても、チームで動く以上常に自分事として動くことを僕は結構意識している。
それは、ごく自然と身に付き、最初の会社でさらにその意識は高まったのかもしれない。

だからこそボトムアップ的な風土にして、風通し良く、下からの意見をどんどん吸い上げ、それを自分たちのジムの良さにしていこう。
そういった想いをオーナーとも共有して、より良いジムをスタッフみんなで作り上げたいという気持ちで立ち上げた。

自らの期待値をコントロールし、相手とのギャップを「対話」で埋める

立場が上になって、逆に自分事として動けているかを見なければならなくなった。
さてさて、どれくらい自分事として動けるだろうか。

僕の最初の過ちは、ボトムアップが自然と起こることに期待を持ちすぎてしまったことだ。

オープンして間もないころは、マネージャーという立場でありながら、ほぼ店長のような形で現場の指揮を執っていた。
現場スタッフとなるトレーナーは右も左も分からず、色々覚えることに必死になり、慣れるまでは遠慮がちになると思っていたからだ。

立ち上げ最初のミーティングで、スタッフ全員には何事も自分事として捉え、まずは自ら考えて行動しようという意識付けを行い、お店の風土としてはボトムアップを強めることを共有していた。

最初の3カ月くらいは、自分が現場で指揮を執って、動かしていこう。
そう思って、何事も真っ先に動き、アクションを起こしていた。

順調に9月末まで進み、会員が100名を超え、スタッフもオペレーションや業務にも慣れてきたころで、そろそろ色々な意見や改善がスタッフから出てこないかを待っていた。

期待値を上げる。
時には、それが伝わってモチベーションを上げることもあるだろう。

しかし、場面を使い分けないと、何一つ良いことは起こらない。

僕は、期待だけをして、自然と現場からなんでもいいから声が上がるのを待ってしまっていた。
右も左も分からず、必死に頑張っているはずのスタッフにさらに求めてしまっていた。

ついに、ある日のミーティングで言葉にしてしまった。
「なんで現場から改善点がもっと出てこないの?」
「案出して動いてるの、いっつも俺じゃない?」

良い人材が揃っていたし、現場でもコミュニケーションが取れていて、決して環境が揃っていなかったわけではなかったと思う。
じゃあ、何が良くなかったのか。いくつか考えた結果だ以下の通りだ。

〈ボトムアップを前提とした場合〉
1.こまめに自分事として捉える意識付けを行えなかった
2.3カ月という期間は期待するには短すぎた
3.何がボトムアップを意味するのか、浸透していなかった

ざっと挙げるとこんな感じだろうか。
一番は、そもそもボトムアップってなんじゃ?というところが、一番の問題点だったのかもしれない。

そして、期待だけしておいて、意識付けを行う時間がスタッフと持てていなかった。そんなんで上手くいくはずがない。

しかし、スタッフの視点で考えると、会員数も増えているし、良い感じでできて、まだ3カ月なのに良く頑張れている。
そういう風に思っていたのかもしれない。
つまり、僕と現場スタッフにギャップが発生していたわけである。

一旦、話が先に進んでしまうが、2023年はスタッフと対話する時間を増やすつもりだ。
なぜなら、ギャップを埋めるためだ。

今までは1on1ミーティングで対話をしていたが、オーナーに任せてしまっていた。
オーナーに任せるというのが、悪い選択肢ではないと思うが、1on1は楽しくお話をする時間ではない。

1on1は現場とより近く、できる限り同じ目線で話せる人間がやるべきだと感じた。
(もちろん、1on1の目的にもよりけりだが)

手札を見極めてトップダウンにする勇気も必要

そして、少し話を戻すが、そもそも
初めからボトムアップに期待してしまったことが良くなかったのではないかとも感じる。

同じ立ち上げでも、採用した人たちの力量や経験値を見極めて判断すべきだった。
うちのジムの場合は、賢く知識豊富な店長がいて、明るくセッションを満足させられるスタッフが揃っていたが、お店を運営するという経験値が欠けていた。

だったら初めから、最初は上からの指示通りに動いてね(トップダウン)
という風にしておいても良かったのかもしれない。
むしろ、小規模で運営能力に長けている人材がいなければ、トップダウンにした方が指示をもらう側も動きやすいだろう。

「自ら動かない」という選択肢も持っておくべき

とはいえ、過ぎてしまったことだ。
最近では、店長が本当に自分で動いてくれるようになった。
(というよりも、僕があえて空気のような存在になったら自然と動くようになった)

自分事として捉えることも、まずは店長だけで良いと思い、店長への意識付けを徹底的に行って、たまに疑問や質問を投げかけていた。
もちろんオペレーションに余裕が出てきたというのもあるだろうが、良く動くようになったし、自分から共有することが増えてきた。

もともと能力もある店長というのは分かっていたのだが、僕が発言しすぎることによって、その能力を奪ってしまっていたのかもしれない。
この点は、通知表があるなら1をつけられてしまうに違いない。

このあと、触れることだが、実は店長以外は立ち上げメンバーが去ってしまったため、本当に残ってくれたことに感謝してもしきれない。

店長がいなくなっていたら、今頃田舎で隠居生活の道を模索していたかもしれない。

改めてになるが今年は、スタッフとの対話を大事にしようと思う。
そして、より対話力を高めるためにコーチングのスキルを磨こうと思っている。

みな同じ人間であることは変わらない。

昨今では、色々な仕事が自動化し、今まで人が行っていた仕事をAIやロボットに置き換える企業も増えてきた。

最近ではAIトレーニングなるものを売りにしている企業もあるが、トレーナーとのコミュニケーションなども含めてを売りにするジムでは受付や事務作業以外が自動に置き換わることはない。
置き換わらない以上、ヒトとヒトが仕事をすることになる。

10月に入り、お店としてはだいぶ落ち着いてきたころに最大の壁がやってきた。
それは、スタッフが相次いで辞めてしまうという壁だった。

もし退職したスタッフが見たら不快に感じるかもしれないので、先んじて記しておくが、決して退職したことへの愚痴などではない。
あくまで、振り返りと今後への糧にするための反省である。

万人にとって働きやすいことなど無い。

立て続けに3人が辞めてしまうことになったのだが、そのうち2人はアルバイトなのにも関わらず1時間半以上かけて働きに来てくれていた。
むしろ、最初の3カ月良いスタートをするのにこの2人は欠かせない存在だった。

個人的には、職場の距離が近いというのは働きやすさの上位に来ると思う。
だから、僕は今職場が自転車20分の距離にあるので、働きやすさがかなり上がっている。

しかし、もう一人退職してしまったスタッフは割と近かったのにもかかわらず、去ってしまった。しかも、突然に。

もともと、このうち2名からは連続でトレーニングセッションがあることが、体力的にきついことがあるとオーナー経由で聞いていた。
しかし一方で、他のスタッフに聞くと、どこが?というくらい、問題視していなかった。

この問題点を解決するために、ヒアリングしたところ、自分たちも一緒になって動くことが多いから1セッションの消耗が激しいことが分かった。

問題点は分かった。あとは、良い方向に改善するだけ。
現状のリソースだと、どうしても連続セッションは避けられない。
したがって、連続になることを前提に1セッションの消耗を少なくするという選択肢が最良の選択だと感じていた。

その提案を問題視していた2人にしたところ、それはできないとのことだった。
なぜなら、一緒に動くことでお客様に楽しいセッションを提供できるから。とのこと。

たしかに間違ってはいない。むしろ、その通りだと思う。
しかし、課題は1セッションの体力消耗を減らすことなのだから、別の部分でセッションの楽しさや満足度を上げてもらう他なかった。

この時は困った。本当に困った。
そして、困っているうちに退職の意向を一人からは伝えられてしまった。

もっと迅速に対話すべきだったし、他にも選択肢を出せなかったものか。

しかし、後々こうも考える。
何でもかんでも、こうして欲しいという声に合わせる必要はなかった。

もちろん、最大限に働きやすい環境を整えているつもりだ。
どの企業もほとんどが同じだろう。

これについては、ただ働き方が合わなかっただけ。
そう思っている。

何でもかんでも思い通りにすることが良いこととは限らない。
なぜなら、それによる代償があるからだ。
すでに、経営している人やマネージャークラスの人からしたら当たり前なのかもしれないが、僕にとっては良い気づきだった。

誰かにとっての働きやすさは、誰かにとっての働きにくさになることもある。
そう思って、きちんと自分たちの働き方を確立していくことも今後の課題である。

人間性をより大事にしていきたい。

別れ際に人間の本性は出ると言われている。
僕は、誰に対しても誠実でありたいと思っている。

人間なのだから、価値観が違うのは当たり前だ。
大事なのは、いかに相手の価値観を理解してあげるかだと思う。

肯定も否定もしなくてよい。とにかく、聞いて理解しようとする。
仕事でもプライベートでも同じだ。

喧嘩をするカップルや、大物夫婦の離婚なんかを目にするが、
結局は価値観の押し付けが大半だと思っている。
もちろん、その価値観が合わなかった場合はそもそも付き合う相手をミスっている。

そのすれ違いを起こさないために、恋愛ならデートがあるし、結婚なら同棲があると思っている。
働くにおいては、面接や面談などがそれにあたるだろう。

今回のケースで学んだのはそれだけではなく、価値観がそもそも確立されていない場合もあるということだ。
おそらく、整理されていないというのが適切だろう。

もちろん、価値観なんてコロコロ変わるだろうし、全然変わって良いものだと思う。(むしろ変わらない人なんかいないだろう)
ただ、その価値観という議題をテーブルに上げて、話す機会を持たないと、良い関係を築くことは難しい。

じゃあ何が言いたいのかというと、こんな変わるかもしれないことを考えてもしょうがないでしょ。ってコト。

変わらないものは何か。
「人間性」じゃないかなと思っている。

人間性と言っても、ざっくりしているが。
一言で表すと「誠実さ」なんじゃないかなと僕は思う。

大事な話でも平気でウソを付く人はつく。
向き合って話すことを避ける人もいる。
他責にすることが当たり前の人だっている。

良い悪いではなく、合わない人とは合わない。
それを、良い意味で学んだ10月以降だった。

普段はかなりふざけていることの方が多いのだか(変える気はサラサラない)、明石ってちゃんと関わるとめっちゃ良い人だよね。
そのくらいで良いので、人間性が高いと思われるヒトを目指したい。

さいごに

2022年、出会いも別れも多い一年でした。
ただ、自分の周りから去る人は去るし、残る人は残る。
そして、縁がある人はまたどこかで出会うと思っています。

まだまだ書きたいこともあるし、もっと多くの学びはありましたが、普段文章を書きなれていないということもあり、この長さが体力の限界です(笑)
伝わりづらいところもあるかと思いますが、このへなちょこ文章を読んでくれた方は、少しでも僕のことを気にかけてくれてるのかなと思います。

そして、そんな人たちを僕は大事にしていきたいです。
なので、コメントやいいねをくれるととてもうれしいです。

2023年は人としての魅力をとことん上げていきたい。
こんなゴーイングマイウェイな僕ですが、今年も何卒よろしくお願いします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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