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富士急ハイランドに学ぶ価値変化

こんばんは、あかさとです。
今日はお伝えしてた通り、富士急ハイランドさんが何をどう変えたのか?
個人的にも考えが刺激されていて、ご紹介したいというミーハー心だけで書きました。

※留意点※
中に出てくる来所者数などは、セミナーで社長自ら開示していた数字になります。(来場人員数など開示書類には見当たりませんでしたから貴重な機会でした)

そもそも富士急ハイランドって?

「富士急ハイランド」と言えば、関東圏にお住まいの方なら、一度は名前ぐらいは聞いたことがある場所だと思います。

簡単に振り返ると、富士急ハイランドは、鉄道会社の富士急行の子会社で、世界的なアミューズメント施設の業界団体であるIAPPAに日本で唯一加盟している施設になります。(としまえんも加盟していたのですが、8月末で閉園なんですよね。。。)

※参考※
最近だとUSJのショーが最優秀賞を受賞したニュースでIAPPAが出てきました

富士急ハイランドとしては、1961年スケートセンター開業がスタートでしたから、1956年に開業して盛況だった軽井沢スケートセンターの流れを受けて、沿線での観光資源開発の一環として始まっています。

そこから、バブルでのレジャー需要に合わせて、遊園地として整備をはじめ、アトラクションを増やしていきながら、1986年にホテルを併設することで滞在型へビジネスモデルを定めました。

その後は、大型絶叫マシーンの導入を96年から始め、TDRへ流れ130万人まで落ち込んだ来場人員を170万まで戻した成功体験から、
「目玉アトトラクションをフックにして滞在時間を伸ばす」仕掛けに取り組まれて、2018年には年間280万人を達成できたそうです。

自分の中では、VC分析を基にするとこんなイメージ。

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具体的に何を変えたのか?

「目玉アトトラクションをフックにして滞在時間を伸ばす」という強力な成功体験を変えたところがスゴイ!のですよね。その背景には、3つあったそうです。

①目玉アトラクションを入れるたびにその効果が薄くなっていったこと
②高齢化社会によるターゲット層の変化
③2013年に富士山が世界遺産登録されたことによるインバウンドツーリズム

成功体験を打ち崩すべく打った一手が、2018年の入園無料化でした。
無料化と同時にアトラクション単体は値上げしてますけど、立ち寄りへのハードルははるかに下がりました。

そして、地域の価値を上げていくべく、6つのベクトルでアミューズメントシティへの転換を推し進めていく事へ舵を切ったのです。

〇富士急ハイランド:6つのベクトル
①アトラクション:今までの強み・最大の差別化要因
②リーシング:パートナーシップの拡大も
③シェアリング:2次交通としてグループアセットの活用
④ICT  :顔認証システムなどを使った行動観察
⑤イベント:他IPとのコラボによる推進
CSV:地域イベント・シンボル化への活動

この中で面白かったのが、④の顔認証システムによるマーケデータの話でした。当初は、テロ対策や工数減を目がけた導入でしたが、ふたを開けてみると当初の効果に加えて2つの効果があったそうです。

〇顔認証システム導入による思わぬ効果
①園内トラブルの圧倒的減少
②マーケティングデータのベースを変えたこと

特に②について、今まではアンケートでCSの効果測定を図ったり、ルートを聞いたりしていたそうですが、
顔認証によって、「いつ、どんな人が、どこに行って、どれぐらい滞在したか?」という行動観察に向けたデータが明らかになったことで、アンケートとかなり乖離している実態がわかったそうです。

更に地域との共生を進めていく事で、富士観光における1コースであった原点へ回帰し、ゲートウェイへのブランド転換を図っていきたいことも述べていたのが印象的でした。

入園無料化から見えた価値変化と学び

入園無料化によって、入場人員UP単価UPと2018年度はかなりポジティブな結果になったのと同時に、特に入園時間に顕著に変化が生まれたそうです。

【今まで】朝に集中:フリーパス代の元をとるために1日で全部回る
【無料後】1日中くる:午後でも、雨でも、海外のツアーでも、ちょい乗りできるから来る=入園のハードルが低くなった。

ここから見えることは、お客さまにとって「時間が一番価値がある」という価値変容ではないでしょうか?

つまり、時間の使い方にかなりシビアになっていて、フルタイムから細切れ消費へと変化している状況は、コンテンツの消費時間にも表れているように感じます。

カナダのマイクロソフトのアテンション・スパンに関するリサーチが、この変化を捉えている。2000年に12秒だったヒトの集中力は、2013年には8秒に縮まった。これは金魚の集中時間の9秒を下回る。
マルチスクリーン習慣やソーシャルメディア依存などの度合いが高い人ほど、一つのタスクへの集中力が短くなることが検証されている。
脳科学的な分析で見ると、ソーシャルメディア依存度の高い人ほど、非常に短い時間(3秒)において特異的に「高い集中」が見られることを明らかにした。


つまり、野球という興行に置き換えると、3時間という時間をただ「野球を見る」という価値提供では満たせなくなって、細切れになりがちな集中力の移ろいを他の要素(フードや友人との会話、コンテンツ自体のスピード感(※サッカーやバスケは有効ですよね)、エリアでのアトラクション)というもので、満たして満足度を上げていくようにしています。

もし、それ以外に行えるのであれば、TDRのアフター6パスポートのように、滞在時間を決めて割安にするチケットを発売して回転率をあげるとか、そういうイメージを感じています。


最後に今日の内容をさらっとまとめますね

〇富士急ハイランドに学ぶ価値変化
今までは「目玉アトトラクションをフックにして滞在時間を伸ばす」ことが成功体験だった
入園無料化によって、お客さまにとって「時間が一番価値がある」という価値変容が鮮明になった
興行ビジネスにおいては、試合以外の要素を詰め込んで、時間と支出に対する費用対効果を上げるようにする

なかば深夜の勢いで書きましたので、乱文等あるかと存じますが、ご容赦ください。それでは、また次のnoteでよろしくお願いします。


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