「La-Mulana」シリーズの創作歌詞

最新の更新:
フリートーク「
Rhapsody for the Innocence」追加

「La-Mulana1」「2」のBGMに付けた創作歌詞のコーナーです。
曲名はカギカッコ内が自作の歌詞の題名、カッコ内がBGMの本来の曲名および作中で使われている場面です。

 それと私Akasataは、La-Mulana2の攻略サイトの運営もやっております。検索避けを仕込んだ訳でもないのにどういう訳か検索でヒットしないという謎のサイトですが、よかったらご利用ください。

LA-MULANA2 ネタバレ徹底配慮攻略
http://www5e.biglobe.ne.jp/~foxford/lamulana2/LM2advice.html


La-mulana1
「Dear, Archaeologist」
(Grand History:巨人霊廟)

旅人よ見つけてよ この生き跡を


ひとつ 一夜(ひとよ)の語り部と 子らを照らす松明の火
今宵の話を待ち焦がれて 子らの瞳はお星のよう
聞かせてよ 知られざる昔の詩(うた)を

ふたつ 古き頃の国 力誇り贅をまとい
慎み忘れた政(まつりごと)の 定め逃るるいわれもなく
気が付けば夢の墓 人影もなく

無慈悲な太陽 照らし続け 色あせゆく記憶よ
かすれる碑 失われる文字 流れた涙も喜びの日々も
今はただ時の中 埋もれるばかり

旅人よ求めてよ この生き跡を


みっつ 満つる月の夜の 廟の中に彼はひとり
右も左も壁画たち 石の守人ら声もなく
見上げれば破れ屋根 星の集い

よっつ 夜風と暗闇に 心ゆだね目を閉じれば
宙(そら)へ絵文字がひらりひらと 石ら言の葉つぶやき出す
いま語ろう 知られざる昔のことを

絶えた歴史は空に風に 溶け散りゆく黄昏に
いにしえを生きた命の証を 伝えておくれよ残しておくれよ
この身果て 時の砂落ちきる前に

旅人よ想うのだ この生き跡を


いつつ いつか明かされよう 過去の重い扉開き
遺る品は左の手に つづる筆は右に握り
旅人よ語るのだ この生き跡を

「Glory to the Jailbreaker」
(Good Night Mom:ラスボス本戦)

始まりは空から 墜ちてきた偶然
産み増やしここに満ちた 大いなる使命と枷
課せられた子供たち

指差す大空は あまりに高過ぎて
苛(さいな)める嵐と炎 天罰に虐げられた
人は神に牙剥く

さぁ鉄槌掲げて 牢獄を打ち破れ
鎖切って駆け出す 自由への道
揺るぎない決意を その目に突きつけろ
運命は僕らのもの 委ねはしない

お別れの時間が もはや来たのだから
躊躇いも痛みも 今は消えてなくなれ


回廊にこだまする 去りし日の言霊
過去からの切なる声 未来へと託す想い
たどりこの時へ来た

芽吹いては摘まれた 幾多の物語
積み上げた滅びのあと 小さな花育むため
闘うしかないのなら

さぁカーテンを閉めて ランプの明かり消して
最後の贈り物は おやすみのキス
星瞬く夢は 付き合えないけれど
せめてその眠りは 安らかたれ

光の方へ 僕らはゆく 洞(ほら)捨てて


La-Mulana2
「Traveling DNA」
(Previous Adventure:ラムラーナ遺跡)

心揺るがす嵐の中 惑い空回る風見鶏
かつてないほどの風をまとい 私は今日家を発つ

闇の中遺された 碑が綴るのは
はるか連なる 旅の軌跡

言葉交わさず受け継がれた 古からの白い地図
父の父 そのまた父も この荒れた野を越えて来た

ああ 耳をすませば 名も無き勇者たちの
尽きぬ足音 胸に響く

標(しるべ)追って 地を駆けて 汗ふいて 陽めざして
崖のぼって 振り向けば 後にきっと道が生まれる

「Falsification」
(Giant's Monument:霧の巨人殿)

北風メロディ 哀しみ口笛
ここは解けること無き 冬の城
誰かに届けと 言葉紡げども
吐息は低く深く唸るのみ

彼女が望んだ 明けの眼差しは
瞑ったまま 今日も曇り空
夢は夢のまま 地平に沈んで
胸に空いた穴を 風が貫(ぬ)く

廻り巡る吹雪の中で 犯した一度の過ち
すれ違い遠く閉ざされた扉 永遠の咎

雪が白いのは 彼が清いから
凍てつき零れる 涙

「Chant the Power Words!」
(Dance of Midgard:不滅戦場)

太陽と月が巡るのを いくつ数えた
悪酔いのする永遠は もういらない

列を成し街をゆく 無貌のソルジャー達
押し寄せる人の波に 呑まれぬように

つたない言葉の切れ端に 意味を求めて
長い迷路の終焉の 扉いずこ

指くわえ眺めた 広い大地と海
門を開き流れを呼べ 目覚める世界

閃く熱とノイズの中 暴れ回ったっていいんじゃない?
ここが運命のバトルフィールド 後には退けない
誰にも内緒で隠してた 願い叫んだっていいんじゃない?
鬱憤のグレネードまき散らして 華咲かせよう


終わらぬ夜に火を焚いて 寒さ耐えてた
天の星見上げてた子は 旅立つ頃

荒れ狂うスピードに 振り落とされそうでも
金色に輝く鍵 握りしめて

囲み迫りくるプレッシャーで 涙出た時
誰かが背にささやいた 一言「信じよ」

自ら築き上げた 分厚い壁と屋根
ぶち抜けば青い空 道はそこに

欠け散りそうな夢の歯車 もう一度回したっていいんじゃない?
ゆらめく蜃気楼じゃないから その手を伸ばして
想いを賭けた魔法の言葉 いま唱えてみせてよ
母の名を呼んで召されるには 早過ぎるから
この世終わるまで 踊り明かそうよ


風のように駆け抜けろ 稲妻より速く
過ぎたる力なんてない フルパワーで解き放て
叶えるために!

「Immoral Hope」
(Rave into the End:冥星霊殿)

囚われの身 天を仰ぎ 目に映るは希望の恒星(ほし)

降り注ぐ奇跡に 楽土を信じて
鳥は大地を蹴った 空の彼方目指して羽ばたく

理想果たす決意掲げ ためらう事はもう何もない

血を捨て涙捨て 繋ぐ手も離し
鳥は力求める より高く遠く
全てを呑み尽くした 野蛮な太陽
望めば望むほどに 穢れる暁
空に伸ばした腕は 力尽き地に伏す
見果てぬ夢道連れに 燃え散る落日


眠る遺跡 再起動かけて 待ち焦がれた船出の時

碇上げ舵取れ 色のない海へ
人は道を求める 暗闇の宙(そら)
まばゆい熱たたえる 苛烈な太陽
同じ航路たどってつかみ取る 未来を
慈しむべき明日と 死すべき昨日
世界みな焼き尽くす 意思胸に

覚悟はできた いま飛び立たん
貌(かお)無き仮面に心覆い

「Maelstrom Islands」
(Since the Creation:高天原廟)

春は白む空を見上げ 夏は夜の蛍愛で
巡る暦 とりどりの色は やれ愉し


荒海かき回され産まれた 神々おわす島の上で
我らは永く栄え来た 蛇の尾のように

時に男と女出逢い 愛を乞い戸惑い
繰り返される悲喜こもごも 望み果てず

満つることなき器抱えて 悦に欲に駆けずる者たち
生きるに勝る喜びが あるはずもなしに

月日は旅人の如し みな彼方へ急ぐ
去れば還らぬというのに 待つ人らよ


打ち鳴らす鐘 万化の音 揺れ移ろう世の響き
城も国も ひと吹きの風に塵と散る

秋の鳥が舞う黄昏 冬の寒さ沁みる朝
変わらぬものは 四つ季の並びばかりなり

浅き夢から醒めたくとも 有為の奥山果てしなく
現(うつつ)の世に得るべき悟りは なお遠し


我らどこから生まれ どこへ行くというのか
緩やかなる河の上 日々はただ流れて

「Rhapsody for the Innocence」
(Forbidden Truth:天者迷宮)

誤謬だらけのサブマシンガン 的外れなスナイパーライフル
怨みつらみに蓋かぶせて 今日のジャッジもIt will be alright

ボクらは天使 ヤツら悪魔で 正義が勝つ御都合なストーリー
縒(よ)れた絵本をバイブル代わりに 砂の城を踏み散らしながら

安い毛皮の剥がれた下は 神の預言を嗤う矛盾
事実は時に滑稽だなんて 黒いカラスが廃墟で謳ってた

天から堕ちたコメンテータの何十行 つまるところそれは
俺ら咎人じゃないとボクら 喚く様 奈落の底で誰かが指を差す

焼けて落ちる電波塔 くすぶる跡地には
虚栄とデジャヴの超クレイジーな電波塔が立ち並ぶ
街も人も気持ち新た 次のニュースが始まる
十字架負った昨日のボクに サヨナラ

「Daybreak Mindbreak」
(Last Guardian:ヘル戦)

オロナミンに モンスターに デカビタに 眠眠打破
ユンケルに リゲインに チオビタに リポビタンD

翼をさずける レッドブルじゃもう
輪っかの方授かりそう 5缶目

これで何日目か デスマに次ぐデスマは
朝も昼も夕方も 夜の奥の深夜でもなお
帰れやしない 続く残業

  今日は確か 休日のはず
  なのに何故か徹夜仕事

目が回る 針が回る 今は0時? すでに1時?
お腹減った 外出れぬ カップ麺は ストック切れ

夢を見ているのか ディスプレイの前では
セクシーでキラキラな 妖精さんたちがいっぱい
おどり踊って 遊び呆ける

元気くれ 人手くれ 金をくれ XXXよこせ
あっ消えた もう帰った 定時かよ 妬ましいぞ

周りでは心枯れたやつらが 病んだ目しながらキーボード叩く
愚痴すらもう出ない 泣くのをやめた赤ん坊
希望を知らない 死せる生者の行進

うつらうつら 舟を漕ぐ 冥土の河 カロン笑う
我に返り 画面見れば スペースキーで 無限改行
いつの間に スズメ鳴き 白み出す 東の空
日が昇る 夜が明ける 光差す 窓に!窓に!

昨日が今日を蝕む 素知らぬタイムカード
そろそろ転職とか 真面目に考え実行しないと 人生もたないだろ

「Brawling DNA」
(Tearless Challenger:螺旋地獄)

黄昏に稲妻走り ひび割れた大地を切り裂く
刻まれた滅びの兆し 扉は開かれた

強き者だけが立つ闘争の時 飛び込めいざ地獄へ

書き上げられた黙示録 この世の終点へといざなう
最終列車の汽笛は鳴った もう誰も止まれない

燃える心を武器に 生きる意志を翼に 奪い返せ歴史の続きを

今日をつかんで取るために争うこと躊躇うなら
ヒトの涙捨てて本能のまま猛る餓狼と化せ
赤い殺意込めて挑みかかれ 最後の聖戦
勝ち抜いてみせるさ

敵は全て討ち果たせ 屠り喰らい生き残れ
黴まみれの運命(さだめ)どもよ 滾る覚悟受け止めろよ


フリートーク

 いわゆるライナーノーツみたいなもの。作中のネタバレ有りでお送りするのでご注意ください。
 ここLa-Mulanaのは他の歌詞ページにもまして、語りが長くウザいと思われます。好きだから仕方がない。


「Dear, Archaeologist」(LM1:巨人霊廟)
 巨人霊廟というよりは、La-Mulana1全体のテーマ曲のつもりで書いた歌詞。主人公ルミエーザ・小杉の生業が冒険家でもトレジャーハンターでもなく、考古学者であればこそこういう詞になりました。
 なんというか、作中でも一番遺跡とか考古学っぽい曲だと思う。どんなところがと言われると困るが。

 よほどこの曲が気に入ったようで、2番どころか3番(2.25番くらい?)まで書き上げる熱の入れよう。
 それはいいが言葉選びに悩んだ作品でもありました。「生き跡」ってなんぞ。造語だ。遺跡を4音節で表す適当な単語が思いつかんかったのだ。要は逃げである。
 創作はまず形を仕上げて先へ進むことをせねばならぬ。時には自分の今の限界を認めた上でである。言い訳

 あとこの歌詞は、現代のある種の探検家にして考古学者、オブローダー(廃道探索者)のヨッキれんこと平沼義之氏にも捧げたいと思う。
 この方の生き様からもインスピレーションをもらった気がする。歌詞の中の「旅人」も氏をちょっと投影させていたりします。


「Traveling DNA」(LM2:ラムラーナ遺跡)
 前作のフィールド曲を繋ぎ合わせた曲なのは有名な話。
 大体分かったが答え合わせをしたら1つだけ抜けがあった。無限回廊かー。

 曲名の「Previous Adventure(過去の冒険)」は普通に考えれば前作の主人公にしてルミッサの父ルミエーザ、および祖父ショーンのことを指すのだろうが、私はさらに広く捉えてラムラーナ遺跡で栄えた各世代の「子」全体を指すと考えている。
 時代時代で遺跡内の人類は、母による滅びの運命から逃れる道を探し続け、または技術を高め母を宇宙に返す方法を模索し、あるいは母とは関係なしに自らの望む生き方を追求した。それらは形の違いこそあれ、未知の世界を切り拓く冒険とそれぞれ呼ぶことができる。
 そんな長く続く冒険の歴史の末端に、ルミッサもこの時立ったと言える。

 大冒険には飢えていたが考古学には正直あんまり興味のなかったところに棚ボタでビッグチャンスを手に入れ、Ms. Explorerなんて底抜けにハイテンションなBGMをかけ、我が世の春よウェーイとはしゃぎながらラムラーナ遺跡の門をくぐるルミッサ・小杉。
 そして遺跡を目の当たりにした彼女は、何かを感じ取ったはずである。父ルミエーザに破壊し尽くされた上(冤罪です。ある程度は)、観光地化へ向け建材まみれという有り様にあっても、なおそこにかすかに残るかつての文明の面影に。超古代の残り香に。
 あるいはこの瞬間こそが、ルミッサが考古学に開眼した最初のきっかけだったのかも知れない。

 ……以上のようなことをこの曲を聴いて以来妄想しまくっていたAkasataなのだが、どうもこれは野球の主審に大リーグボール2号を叩き込むがごとき大暴投だったらしい。考え過ぎのメッセージ。
 いやまぁ確かに、フォボウスもブルーシートやイントレだらけの遺跡なんて嫌だとは言ってたけど……だが一見ただの小道ひとつ、石垣ひとつでも想像力さえ働かせれば往時のその地の有りようを脳内再現、追体験できると某オブローダーの背中が言っている。……いやでもその人も廃道の遊歩道化はノーと言ってたような……えーーーーと、うーーーあーーーーー。

 いやだって、他ならぬ私自身が初進入時に興奮しちゃったから仕方がない。仕方ないのだ。
 入口のてっぺんに動物の像が乗った柱! しつこく叩くと撃ち返してくる番人(?)の像! 派手に崩れ改変され真っ暗になっていても、ここは確かにあのラムラーナ遺跡だ、ここにまた来たんだと!
 ああそうか、ルミッサは私自身だったのか。気付いたのは今更になってだった。ってそれはポルノグラフィティだ。続編に会ーえたそれだけでよかったー世界に光が満ーちーたー。

 …………ともあれ、新天地に臨む緊張とそれを上回る高揚感と。古い時代に思いを馳せつつ(第1~第6の子の再現模型から着想を得た)新たな世界に挑む意気込みを盛り込んだ歌詞となったのであった。
 Previous Adventureは廃墟の物寂しさにあふれてるけど、それだけじゃない。静かな熱を秘めた隠れた名曲。だと思うのですよ、私は。


「Falsification」(LM2:霧の巨人殿)
  La-Mulana2における作詞第一号。
 いかにも歌詞付けて歌えと言わんばかりの曲だったので素直にそうした。

 Falsificationの意味は「改竄」。
 サキトの顛末を嘆いたムネモシュネさん辺りが彼とレドを偲ぶ詩を綴ったのだが、後世の何者かによりただの悲恋か何かみたいな内容に書き換えられてしまった――みたいな設定の歌詞である。

 いや最初はただサキト夫妻がテーマの詞にするつもりだった、していたつもりだったのだが、よくよく読み返したらそうとも取れそうだと気付いたのであえて両方の解釈ができそうな方向に寄せていった。
 サキトの真実を知っている人と知らない人とで見えるものが全く変わってくるだろう歌詞。おお、なんか謎解き? La-Mulanaっぽくない? という点ではお気に入りの一品です。

 実際悲恋モノと思って見ると、何か矛盾というか引っ掛かりのある箇所があるはず。誰かが改竄し切れなかった跡なのかも知れません。
 真相を知りたい方は霧の巨人殿までお越しください……と、お後がよろしいようで。


「Chant the Power Words!」(LM2:不滅戦場)
 La-Mulana2でも一、二を争うと思われる人気曲。
 Youtubeのコメントに「La-Mulana全体をひとまとめにしたような曲」という評があったが、何となく分かる気がする。

 私も大好き……なんですが、長い! 4分以上あるのかこれ!
 とても不滅戦場のアレコレだけではネタが足りないので、もうひとつテーマをまぶして作詞しました。何かは見ていけば分かるはずです。第二の意味も含めてちゃんと20個全部使ってますぞ。
 そう言えば「ゆらめき」って作中で一度も使われてないな。初めて使ったの私かも知れぬ。「母」もママみたいなルビを振ろうかと考えたが、言霊は正しく発声しないと成立しない可能性を恐れやめておいた。

 とにかく元気と勇気が出る、出せることを目指した歌詞。自信作です。
 叫べ。願いを。


「Immoral Hope」(LM2:冥星霊殿)
 前半はアマルナ族の統率者ラーの宿願と顛末、後半は冥星霊殿からニビルに臨むルミッサを綴った歌詞。
 Immoral Hope=背徳の希望。このフィールドで新旧二つの「背徳」が展開されることに因む。

 母の支配からの脱却を目指し、そのための力を蓄えるべくエネアド族の賢人たちを襲い吸収していったラー。現生人類を滅びから守るべくイグラーナ遺跡の封印、すなわち地下世界の終焉のために動くルミッサ。
 暴君のようでもあるラーと、ルミッサとは類似点がある。「大義のための犠牲を強いる」点が。ルミッサが自分と同じ事をしているラーを、自分の目的のために打ち倒すのは皮肉めいたものを感じさせる。
 画面の中のルミッサは何も語ってはくれないが、イグラーナを封印することがどういうことか、考えなかったはずもあるまい。そこには並々ならぬ苦悩や葛藤ももちろんあったはずである。
 しかし遅くともニビルを目指す段階までには、何らかの決意を固めたはず。私の思うルミッサは意志の力に富んだ心身たくましい女傑なのである。あの北欧衣装がてんで似合わない男前な目がそう言ってるから間違いない。

 この歌詞は当初、空への夢破れた者と、時を経て同じく空を目指すことになった者の因縁および宇宙へのロマンがどうたらこうたら~というテーマで書くつもりだった。しかししっくり来ない。
 そんな折に某所でなされていた議論の中の「一番業が深いのって小杉親子じゃね? ていうかルミッサじゃね?」という意見を目にし、その路線もアリかと思い軌道修正したところ上手くハマる。いい仕上がりになりました。
 一方的にTwitterを見ていただけで面識は全くなく、直接お名前を出すのははばかられるので。「賢者殿」を始めとするお三方に、この場を借りてお礼をば。

 しかしいい曲である。
 冒頭のぎゅーーんから始まる、核心にたどり着いてしまった感あふれるイントロ。サイバーな雰囲気の中何かの始まりを予感させる期待感。悲壮感とそれを置いてけぼりにせんばかりの疾走感。
 締めでもう一回入るエレキのほろ苦さ。それに浸る間もなく曲は慌ただしくループし、ルミッサはひたすら前へ進むことを強いられるのである。


「Maelstrom Islands」(LM2:高天原廟)
"オレは見たんだ ヤツが来たんだ ゲタを鳴らした 音がしたんだ"

 イントロの没案。というか替え歌レベルのお遊び。
 ゲゲゲの鬼太郎第6期2クール目のED曲「Get a note」を聴いていたら思い付いた。ムッシュかまやつは関係ない。

 これもテーマを一本決めて作った歌詞。日本神話のフィールドということで、日本の神話や古典文学を組み合わせてみた。
 いや始めは漠然と枕草子といろは歌を何となく当てはめてみたくらいだったのだが、あれ? これもいけるんじゃ? これも? というか日本三大随筆って何ぞ、まあいい三つ全部コンプしてやろうじゃないか。こんなノリで勝手に積み上がっていった。
 ……と、ちょっと口が滑ったように、古典文学は詳しい訳でも興味があった訳でもない。学校の授業で文法の解説ばかりに明け暮れてたせいか? どうかは分からないが。そういうニワカな知識しかないジャンルでも節操なく取り込んでしまうのがAkasataなのでそのつもりでお願いしたい。
 徒然草が分かりにくいと思われる。引用したのは第九十三段。狂人の真似とて大路を~とか、有名どころを盛り込めればよかったのだろうが上手くいかなかった。一番有名なのは徒然なるままに~の序文だが、こんなの使いようがないし。

 題名のMaelstrom Islandsは訳すなら「激動列島」「流転の島国」といったところ。もっとも元ネタが日本産だからそう題しただけで、日本ということ自体に深い意味はない。
 この猥雑で無常たる俗世の中で、いかに迷いを断ち確固たる(それでいて自由な)思念を確立させるか。いろは歌では「わかよたれそ つねならむ」とし、世の不変でないのを受け容れることが要点のように歌われているが、それが簡単にできたら苦労はしない。誰だって不変不動の確かなナニカが欲しいだろう。生活基盤であったり人と人との絆であったり。
 結局のところ常人が悟りなどそうそう開けるはずもなく、変にスケールでかく思い悩んだりしてるうちに時間だけが素知らぬ顔で過ぎていくのです。出家でもするならともかく、ほどほどに切り上げて毎日を頑張りませう。

 ……って、なんでこんな知った風な口をきいているのかAkasataは。
 おそらく私も多少なりと解脱というものをしたいのだろう。差し当たっては積みゲとか積み本を無闇に増やさず消化したい。


「Rhapsody for the Innocence」(LM2:天者迷宮)
 注:この歌詞はnoteでの公開後に一度リメイクしています。
 創作はまず形を仕上げて~……というこれもまたそのつもりだったのだが、時間を置いて読み返したらどうにもこうにも幼稚が過ぎる。もっと何とかしろよ。
 という内なる叫びによりさらに絞り出してはみたつもりだったのだが、かけた時間の割には全然変わってない。これが本当に自分の限界ということで、観念して締切としよう。悔しいけどなぁ。シニカルなノリが全開のクールな曲だし、相応の歌詞付けたいやん?

 この歌詞は自らの不祥事(エキドナの暴走)をギガース族になすり付けて隠蔽し、後にバレたオリュンポス族が出発点だったのだが、すでにかなり独り歩きをしてしまっている。これも悪戦苦闘の跡と言えるか。
 まぁオリュンポス族といってもやらかしたのは今よりも昔の世代の人たちで、今の世代(オルペウスやエロース)には責任はないからそこまで責めるのも……と思ったが、ヘルメステメッコラー! 第1の子の兄弟捕えてたから怪しいとは思ってたがやっぱり古参だろうが、何が「私は知らないのだ」だしらばっくれやがって。
 バフォメットは立場は元々中立っぽかったようだが、彼女はどの辺りの世代なんだろう。

 第3の子としては悪事の象徴とも言えるテューポーンが爆発破壊、真相も公表され一応は勧善懲悪が果たされた形にはなる。
 だが我らが実社会ではそう明快な幕引きなどそうそうないし、あったところで誹謗中傷の種は日々絶えずばらまかれ誰かが苦しむ。そもそも悪いのは本当に扇動者だけか。踊るアホウも立派なアホなのでは?

 サヨナラは本当に決別したから? ただ忘れただけじゃなくて?


※解説は順不同で書き足していく予定です。


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