『丸腰でゆく』(泉茫人さん・本阿弥書店)感想

泉茫人さんの第一歌集『丸腰でゆく』(本阿弥書店/2024年出版)を拝読しました。

歌集の帯に掲載された歌と、エックス上でお見かけしたポストの歌に惹かれたことがきっかけで読ませていただきました。

以下、出典情報のお名前は敬称略にて失礼いたします。


からだじゅうのうみあふれさせてみせるからこの薄皮を剥いじゃってくれ

泉茫人『丸腰でゆく』帯・「季節の傷を」29頁より





ふわっと心を揺さぶられ、また、柔らかな話し言葉の短歌に惹かれました。
真夏の眩しい光や驟雨の降る情景、明石海峡大橋から見える景色等、想像しながら読ませていただきました。

自分の軸がぐらついた時に前向きになれる、心に残る素敵な歌集でした。

読ませていただき本当にありがとうございます。
これからも大切に読みます。


数首抜粋します。 


伝えたい気持ちそのまま土砂降りのプール斜めに泳ぎきったら

泉茫人『丸腰でゆく』「季節の傷を」29頁より


巻き込まれたいものの匂いのする方へずだだだだだっと駆け出していく

泉茫人『丸腰でゆく』「季節の傷を」31頁より


こうやって首振りながら手をつかね死ぬまでそこに入れないのか

泉茫人『丸腰でゆく』「見る前に跳べない」63頁より 


六月の驟雨に封じ込められたガラス張りのビル 棒立ちで告白こく

泉茫人『丸腰でゆく』「棒立ちで告白る」87頁より


笑うって隙間を広げることじゃない?ぎりぎり迫ったものをふうっと

泉茫人『丸腰でゆく』「ただシンメトリー」100頁より


波打ち際ぎりぎりを歩く丸腰でこれからだって生きていくのだ

泉茫人『丸腰でゆく』「ひかりをわたす」123頁より

 




もしよければ皆さまも読んでみてください(*^^*)
読んでいただきありがとうございました。







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