移住すると、移行期間を経て価値観がめちゃくちゃ変わる話

今回の記事は移住コーディネーターとしての発言ではなくて、個人的な体験を元にした個人的な感想なので、フーンそんなもんか、くらいに思ってもらいたいなという導入から始まります。

北海道の大樹町という、人口が5400人程しかいない町に移住してから、丸4年が経とうとしています。大樹町生活がだいぶ板についてきたかなと自分でも思うくらいです。それはつまり、上手く言えないのだけど、価値観が変わりきったな、と思うのです。

移住する前は分からなかったのですが、移住した後にはどんな人でも「価値観の移行期間」があるように思えます。その期間は人によって様々だし、何が変化するのかもわからないし、どう変わったのかも変化してからじゃないとわからない。変化しないかもしれない。

そう、だから多分移住って、自分は変わらなくて住む場所だけが変わるのだけではなく、住む場所が変わるから自分が変わっていくことなんだと思います。

例えば、自分でも驚いた自分の変化はいくつかあります。
一つは、お酒を飲まなくても良くなったこと。これには本当に驚いたし、東京時代に知り合った方々は信じられないのではないでしょうか。
これまで、どこかでお酒をたくさん飲めることが良いことであると思っていたし、何かを埋めるように飲酒していた気がします…。でも今は、お酒を飲まなくても十分満たされている。たまに飲むことはありますが、1ヶ月に数回くらいです。信じられない。

他にも、変化があります。「イケてる」「かっこいい」「素敵」と思う基準が、他人軸から自分軸に変わりました。
前までは、「みんなが良いと思っているものが良い」と思っていました。だから、口コミの評価や流行を大事にしていましたし、会社の同期や先輩にダサいと思われないために自分を評価してくる人の評価軸で物事を判断していたと思います。
今は、周りに人がいないので(人口密度的な話)、自然と自分軸で判断できるようになりました。いつもジーパンだし、メガネにしたし、スニーカーだし、都会の人から見たらダサいかもしれないけれど、自分の気に入ったものや好きなことを優先して考えられるようになり、心がとても健康的になりました。

とにかく家にいるようになりました。
思えば都会の会社員だった頃、休日一人で家にいるのが「寂しいやつ」だと思われそうで、ご飯食べる人を一生懸命探したり、無理して予定を作っていたことを今でも思い出します。あの頃、本当に一生懸命だったな…私…。
今では自分軸で判断できるようになったので、本当に家から出ません。インドアの極みです。誰が寂しいやつだと思うのでしょうか…例えそう思う人がいたとしても思わせておけばいいじゃないか、と今なら思えます。判断基準が自分軸なので。

こういうことが、少しずつ少しずつ起きてきます。一気にバチッと変わるのではなくて、少しずつ色んなところが徐々に調整されていく感覚です。ラジオのチャンネルを合わせるような、と例えようとしたけれど、いまはラジオはデジタルか…まぁそんな感じです。

しかしながら、移住を考えるときって、今の自分前提で想像しがちだと思うのです。今こうだから、移住後はきっとこうだろう、みたいな。実はそうではないんだよ、絶対に移住後は変わるんだよと伝えたい。

でも、難しいのは、どこがどう変わるのか分からないところ。変わり切るまでにどれだけ時間がかかるかも分からないところなのです。その分からなさを受け入れながら、変わっていく自分を楽しみながら生活できる人には、ぜひ移住をおすすめしたいです。

変わっていく自分は、結構いいものです。

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