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うそ子の話77。

〘短編小説…ありがとうの話。 〙

プレゼントをもらうのは
本当は苦手だ。

どんな顔してもらっていいか
わからないから。

だから、母の日とか
誕生日とかクリスマスとか
本当は内心怯えている。

プレゼントが貰えるだろう日に
もらえなくて悲しくなる自分が
可哀想で
ついつい、何日も前からアピールしてしまう自分が
可哀想になる。
そして更に貰ったとしてもまた、
輪にかけて〘 アピールしたからもらえたんだな。〙と
落ち込む馬鹿な自分も、大嫌いだ。

なのに、
わたしはプレゼントが好きだ。
渡す前が1番楽しい。
選んでる時が、、。

ありがとう。

て言葉で、ふわって
肩の力が抜けた気になるから。

昨日、どうしても読み直したくて
買った本が、
手元に届いたとき、ある人のかおが
浮かんだ。

内容を流し読みして、

〘あ。これ、Kくんに送らなきゃ。 〙

使命みたいに
そう感じた。

わたしは贈り物に本を選ぶのは
どーーーしてもの時にしている。
本が行き場を失い、開かれずに
そのままになってしまうのは悲しいから、
絶対読んでもらえる確証がないと
送りたくないのだ。

Kくんに会いたいけれど
なかなか叶わぬ気がしている。
なんだか彼のエネルギーが
ユラユラして消えそうな気がして、
吹き消されるなよ。と祈っているけど

今のところ
届いている気がしない。

ありがとう。

Kくんに本をおくるよ。
というLINEをしたら

そうかえってきた。

ありがとうはこちらこそなんだよ。

受け取ってくれると言ってくれて

ありがとう。

いま、いっぽ。

ちょっとだけ

ちかづいた

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