ベースの左手のフォーム3.5

 今週は諸々の業務で多忙につきnoteの更新はお休みにしよう……と思ったのですが、昨日の対面レッスンで取り扱った楽曲がフォームの練習にちょうど良い課題曲になりそうだったので、手短に紹介しつつ練習ポイントを書き留めておきます。

・ 課題曲は?

 取り上げた楽曲は米津玄師さんの「LOSER」です。CM曲だったそうなのでご存知の方も多いかと思います。改めて聴いてみると、とてもキャッチーでカッコいい楽曲ですね。

 コード進行をざっくり説明すると、イントロ以降の楽曲のキーはF#マイナーですが、サビでF#メジャーに転調する点がポイントかと思います。主音が同じ、同主調ってやつです。

 一応、キーの概念についてざっくりと説明しておくと、F#マイナーはF#から始まるラシドレミファソラというマイナー・スケールに準じてメロディができている楽曲、F#メジャーはF#から始まるドレミファソラシドというメジャー・スケールに準じてメロディができている楽曲です。それぞれのスケールの構成音(ベース的にはそのキーで出てくるルート音。もっというとコード進行に合わせてフレーズを作ったときに違和感なく聴こえる可能性の高い音。)は以下のとおりです。

F#マイナーの構成音……F# G# A B C# D E
F#メジャーの構成音……F# G# A# B C# D# E#

 「LOSER」でBメロではDが出てくるのに、サビではD#が出てくる理由はキーが変わっているからなんですね。まあ、こういう風に書くとコード理論警察が来ちゃいそうですが(笑)。F#系はシャープが多くて見にくいですが、ベースではそれほど弾きにくいキーでもないかな……まあ、弾きにくいか。個人的にはG♭で書かれるよりは読みやすいです(笑)。

・ サビのコード進行とポジショニング

 さて本題。サビ8小節のコード進行は以下のとおり。

|D#m B |C F# |D#m B |C  F# |
|D#m B |C F# |D#m B |C  F# |

 コード的には2小節の繰り返しを4回ですね。ベースはコードのルートだけを弾いていると思います。譜割りについては申し訳ないですが、ここでは割愛します。頑張って耳コピしてください。それぞれ以下のポジションだと良い感じの雰囲気で弾けると思います。

D#……3弦6フレット
B……3弦2フレット
C#……3弦4フレット
F#……4弦2フレット

 D#を2弦1フレットで押さえるのは、音色バランスが揃いにくいのと、弦飛びフレーズになるのでエレベの場合は活用しにくいかと思います。コントラバスの場合はハーフ・ポジションでピッチが確認しやすいので、むしろ使いやすいのですが。

・ フィンガリング実践

 ここで問題です。

 あなたならこの楽曲のサビでベースを弾く場合、どうフィンガリングしますか?ロー・ポジション寄りで4フレットを跨ぐコード進行の場合は4指4フレットのフィンガリングだと微妙ですよね。

 ……というわけで4指3フレットの出番です。ポイントは2~4フレットと4~6フレットの2ポジションを行き来するようにシフティング(ポジション移動)することです。また、シフティングの際に人差し指と小指の幅を一切変えないことが重要です。

 それぞれのポジションでの押弦方法を具体的に説明すると、
① 3弦6フレットを小指で押さえているとき、人差し指は確実に3弦4フレットを捉えておきます。
② 3弦2フレットはシフティングして人差し指で押さえます。このとき、人差し指以外は弦から離れた状態ですが小指は確実に3弦4フレット上で待機します。
③ 3弦4フレットはシフティングせずに小指で押さえるだけです。小指で押さえているときは4指全部が弦に触れているのが望ましいです。次の小節に備えて2拍目以降の休符のタイミングで人差し指を4弦に移動しておいても良いと思います。
④ 弦を移動して4弦2フレットを人差し指で押さえますが、小指は3弦4フレット上に残しておきます。

 実際には4~6フレットより2~4フレットのほうがわずかにフレットの間隔が広いわけですが、感覚的には小指と人差し指の幅を変えないと思った方が良いです。人差し指と小指の幅を変えずにシフティングすると、人差し指的には2フレットと4フレットを行き来するだけになるので、押さえる場所を迷うことが無くなりミストーンも減るはずです。逆にいうと、シフティングする際にフォームが崩れるくらいなら握りこみフォームにしておいたほうが良いかもと思います。

・ てことで

 如何でしょうか?“的確なタイミングで対象のポジションのフレットのすぐ脇で確実に弦を押さえる”、これさえできていればどのようなフォームで弾いても良いと思いますけど、色々と実践してみてください。

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