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現代を軽やかに生きる武器が身につく、両足院の坐禅体験

「坐禅」と聞いてどんなことをイメージするだろうか?

なんか怖そう。厳しそう。なんとなく、面倒くさそう。

私もそんなことをイメージしていたが、その印象がガラッと変わり、日々軽やかに生きていくためのきっかけとなった両足院の坐禅体験について今回は紹介をしたい。不安や焦りといった感情に振り回されやすく、どうにかして変えたいともがく人には特に読んでいただきたいです。

両足院とは?

両足院のお庭

両足院は、京都にある建仁寺の塔頭寺院。祇園四条駅から徒歩7分、河原町駅から徒歩10分と京都の繁華街からすぐ近くにその場所はある。初夏になると半夏生という植物がお庭一面に美しく咲き誇るお寺としても有名で、通常非公開だが初夏の半夏生の時期や、こういった坐禅体験の時間のみ一般開放されている。

お庭に咲く初夏の半夏生

そんな両足院の坐禅体験の存在を、私はとあるニュースレターを見て知った。坐禅をすごくしたかったわけではないけれど、ちょうど関西に戻ってきたタイミングでせっかくなら京都で日本文化を味わいたいなあとぼんやり考えていたときに、いつも読んでいるニュースレターで坐禅体験の紹介がされていた。「坐禅へのイメージががらっと変わった」というニュースレターの紹介文が心に刺さり行くことを決心した。

いざ、坐禅体験

お寺の朝は早い。坐禅体験は朝8時半から始まる。始めて訪れる前日は正直、朝早いの辛いな…と思っていたが、当日重いまぶたを擦りながら電車に乗るとちょうど朝日が登ってくる時間帯で車窓から美しい朝日を眺めながら向かうことができた。朝の京都は静かで空気が澄んでて、これまた心地よい。

お寺に着き受付を済ませると、いよいよ坐禅体験が行われるお部屋へ向かう。どきどきしながらお部屋に入るとそこには5人程の参加者が静かに座って待っていた。お寺の僧侶がにこやかにやって来て、思いの外カジュアルな雰囲気で坐禅体験がスタートする。

足の組み方や呼吸の仕方よりも前に「坐禅とは観察をすること」という僧侶のお話にまず驚いた。10年程前、課外学習で坐禅を組んだ時は「足を組み、雑念を取り払いじっとすること」だと言われたような気がする。

しかし両足院の座禅は少し違って、雑念の存在に気付き観察することに意味があるそうだ。例えば、心を落ち着かせ周りの音に集中しようとする。すると、いろんな音が聞こえてくる。風の音、鳥のさえずり、人の吐息。そしてだんだん「あ、そういやメール返信してない」と雑念がよぎる。その雑念を掻き消すのではなく「そうか、今私はこんなこと考えているのかあ。」と俯瞰し確かめること。それが坐禅だという。

そんな導きのもと、5分間、20分間と2回坐禅を組んだ。1回目は自分の周囲の様子を観察しながら組み、2回目は周囲から自分自身へと観察対象を移しながら組んだ。最初の5分はすごく長く感じるが、慣れてきたその後の20分間は非常に早く感じた。

体験後の変化

初めての坐禅体験を終えた瞬間、目に映る景色がより美しく捉えられるようになったと思う。道端に咲く小さなお花がいつもより美しいと感じたり、目の前に広がる京都の山々の緑がより鮮明に見えるような気がした。

体験後に撮ったお庭。より緑が美しく見えた。

そして、両足院の坐禅で教えてもらった「観察する技術」は体験を終えたあともずっと私を支えているような気がする。日々生きている中で、反応や選択をすぐさまに求められる場面が多々ある。これまでも、急かされながら生きているうちに自分の心をおざなりにしてしまい、心の不安や不調に気付きにくかったように思う。そんなときこそ、立ち止まって「観察」をしてみる。ぼんやり空を眺めて鳥の動きを観察してみるのもいいし、ぼんやりと浮かび上がる「不安」の感情を優しく見つめ「どうして不安なのかな?」と観察してみるのもいい。坐禅体験を終えた後も、自宅で職場で観察することを意識的にしてみることで、自分の感情をコントロールすることがかなり上達した気がする。観察をすることは、現代を生きる私たちの「不安」「焦り」「恐怖」を紐解く鍵となり、より軽やかに生きていくための武器となりうると思った。

こんな方におすすめ

そんなこんなで私の愛する両足院の坐禅体験について紹介してきた。坐禅自体も良いものだが、坐禅をはじめ高尚なものに思われがちな日本文化を、より親しみやすく、分かりやすく、魅力的に教えてくれる両足院のスタンスもまた魅力的だと思った。日々忙殺されて疲れていたり、ずっと心の片隅に不安の感情があったり、なかなか自分に自信を持てなかったり。そんな方には是非とも一度足を運んでいただきたい。そして、参加しての感想をいつか一緒に語り合いたい。


以下、両足院の坐禅体験に関するいくつかの情報


📍両足院


📍両足院の坐禅体験

補足:初めての人には「坐禅体験」がおすすめ。2回目以上の方は「2nd STEP」「3rd STEP」にも挑戦してみてほしい。

📍禅友

補足:坐禅体験で導いてくれた僧侶の方が主催のオンライン坐禅コミュニティ。坐禅を習慣化するを目的に開かれていて、オフライン坐禅会も開催されている。おすすめ。

禅友のオフライン坐禅会で組む私


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