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チャラン・ポ・ランタンってすごいのよ

皆様はチャラン・ポ・ランタンという名前を聴いたことがありますか?

一番わかりやすくピンとくるのは、2016年に放映され大ヒットしたテレビドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ」のOPであるこちらの曲ではないでしょうか?

チャラン・ポ・ランタン /進め、たまに逃げても

ガッキーがウエディングドレスを着ながらもスニーカーを履いて町中をダッシュするという印象的なOP映像。

そう!

あのOPの後ろで流れているのがこの曲!!!

そして歌って、演奏しているのが

チャラン・ポ・ランタンなのです!!!!


しかし世間ではEDの星野源さんが歌う「恋」、そしてその曲に合わせてキャストが踊る「恋ダンス」が大流行したため、この楽曲は「恋じゃない方の曲」なんて言われ方もされていました。かくいう私も当時はOP曲よりもED曲をよく聴いていましたが…。

しかし、短い秒数でも耳に残るキャッチーなメロディ、ボーカルの癖のある歌声、アコーディオンの音色、そして名前のインパクトから
「チャラン・ポ・ランタンっていうアーティストがいるんだなぁ。」
とドラマ放映後の数年は頭の片隅にぼんやりと記憶していました。

そして時は2020年。


世界が忌まわしきあの感染ウイルスに苦しめられている頃、いつものように何気なく開いたYouTubeのおすすめ動画欄に、ある一つの動画が表示されました。

[蛇腹談義1] ボタンアコーディオンて知ってるか?~右手の話~


「ボタンアコーディオン?あの学校で見る鍵盤のやつじゃなくて?へー面白そう」


そうなんとなく思ってこの動画を見始めました。
そしたら

 「なんて喋りに魅力のある人!ビジュも好き!!

    アコーディオン弾く指どうなってるの!?!!?」


すぐにこの世界観に引き込まれました。

気になることはすぐ調べるワタクシ。
この動画の主は小春さん。
チャラン・ポ・ランタンではアコーディオンを担当し、ほとんどの楽曲の作詞作曲も担う人物。
そしてあの逃げ恥のOPを担当していたことをユニット名を見て思い出しました。


<What is チャラン・ポ・ランタン>

2009年から活動している姉妹音楽ユニット
姉の小春さんはアコーディオン担当、妹のももさんはボーカルを担当しています。

元々は小春さんが2004年よりインストゥルメンタルバンドマイノリティオーケストラのリーダーをしており、主にストリートパフォーマンスをする大道芸人として活動されていました。

そんなインストメインのマイノリティオーケストラに初めての歌詞付き楽曲が誕生します。
それが"親知らずのタンゴ"という楽曲。

小春さんが親知らずの治療に行ったら思わぬ長期戦になり、気を紛らわすべくその時間を使って頭の中で作り出したという愉快な制作経緯があります。

「歌詞があるならボーカルが欲しい。暇な奴誰かいないかな…。」


いました、家に
そう、ボーカルとして白羽の矢が立ったのは妹のももさんでした。

当初はマイノリティオーケストラのゲストボーカルとして参加したももさんでしたが、初ステージから約二か月後にはあれよあれよとチャラン・ポ・ランタンとして正式結成・活動することになりました。

ユニット結成後、マイノリティオーケストラは解散し新たにカンカンバルカンというバンドを結成。そしてチャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカンとしてインディーズでアルバムを発売し、2014年にはシングル「忘れかけてた物語」でメジャーデビューを果たしたのです。

ちなみにカンカンバルカンとは
音源やライブなどでのチャラン・ポ・ランタン専属バックバンドで、全員女性で構成されています。彼女たちはヘブンアーティストと言われる東京都公認の大道芸人としても活動中。
ちなみに小春さんは個人でもヘブンアーティスト認定をされていて、バンドとしても個人としても名前が載るというなかなか珍しい立ち位置となっています。

細かい過去の話はこちらの動画から聞くことができます!良かったらぜひ!

ではなぜ私がこのユニットを声を大にしてすごい!と言いたいのかというと、とにかく作り出される音楽が素晴らしいこと!

語彙力がない。簡単にまとめていきましょう。


① 「独自の音楽性の強さ」

チャラン・ポ・ランタンは主にシャンソンやロシアなどの民族音楽、サーカス音楽をベースにした楽曲が多く、なかなかメジャーシーンでも聞くことが少ない音楽を届けてくれます。まずアコーディオンという楽器がメインに据えられるのも珍しいでしょう。
一曲ごとに世界観がしっかり作られていて、その世界に没頭できるのも個人的には推しポイントです。

②「歌詞が良すぎませんか?」

とにかく歌詞がいい。
私は曲を聴く時あまり歌詞を聴かないというか聴き取れない人間で、何回もリピートしていた曲もしばらく経ってから改めて歌詞カードを見ると「え!?こんなこと歌ってたんだ!?」と驚くときもしばしば…。
なのでめちゃくちゃ集中しないと歌詞が頭に入ってこないのですが、チャラン・ポ・ランタンの曲はそんな意識しなくてもガツンと耳に残るワードがとにかく多いんです。

③「ライブでの圧倒的なパフォーマンス!」

元々ストリートパフォーマンスをしていた方達なので、ライブパフォーマンス力がとにかく高い!
ももさんのどこまでも伸びる力強い歌声、小春さんのアコーディオンひとつで曲の世界観を作り出す技術、カンカンバルカンの安定したバンド演奏、どれを取っても一級品です。公演によってはライブというより演劇的な要素が取り入られることもあって、その演出は見る人全ての目を惹きつけます。
衣装やセットもチャラン・ポ・ランタンならではのデザインとなっていて、特に衣装はお二人のお母様であるあきさんがデザイン、縫製しているそうです!すごい。



「チャラン・ポ・ランタンってすげーんだよ!」
と一方的に言われても具体的な例がないとわかりづらいと思うので、ここからはおすすめの楽曲を紹介!

~楽しい・可愛い曲篇~

ムスタファ

こちらはライブでの定番曲の一つ!元はアラブ系の国で歌われているポピュラーソングで、それをチャラン・ポ・ランタンなりの日本語訳の歌詞をつけたものになっています。
ムスタファという男性の恋愛(?)をユーモアを交えながら歌っていて、とにかく愉快で何も考えずに聞くだけで楽しくなってしまうそんなお祭りソングです。

最後の晩餐

ムスタファに並ぶライブ定番曲!わちゃわちゃ宴を楽しんでいるようないい意味で騒がしい曲。途中で聖者の行進のメロディが入ってくるのがとてもキャッチーで耳に残ります。

お茶しよ

「めっかわ」「つらたん」「ありよりのあり」など、若い女の子たちがよく使う言葉をリズムよく歌詞に入れ込んで"女の子あるある"を歌っている曲!
同じメロディがループしているので聞いたら一回で覚えられるし、中毒性も非常に高いです。MVもとってもキュート!

フランスかぶれ

タイトル通りフランスにかぶれてる女の子の歌。
何となく私たちがイメージしているフランスのイメージが描かれていて、歌詞の語尾も「~よん」とかぶれ感満載。でもそれが癖になるし、何よりとってもかわいくて何回聴いても飽きない名曲です!


~カッコいい・強めの曲篇~

コ・ロシア

イントロから強い。歌詞もいろいろと想像力を掻き立てるフレーズが詰まっています。焦燥感を煽るようなテンポ感とサウンドのクレイジーさ。チャラン・ポ・ランタンのルーツでもあるロシア民謡の要素もこれでもかと押し込めた非常にパワーがある楽曲です。MVもロシアで撮影されています!

脱走

サビの「オイ!オイ!オイ!」で拳を振り上げたくなること間違いなしのぶちあがり曲!心の中の闘志に火を灯してひたすらに前へ突き進んでいくような力強い歌声と歌詞は聴くだけで気分が上がります。軍歌っぽさも感じるカッいい曲です。

ワーカホリック

ベースがベンベン曲中ずっと響いているカッコいい曲!特にこのライブver.はベースから始まり、ドラム、金管・アコーディオンとどんどん音が重なっていくのが聴いていて気持ちいい!タイトルの通り仕事での会話だったりあるあるだったりが盛り込まれている歌詞になっていて、「あ!」という相槌のようなコーラスも特徴的です。

空中ブランコ乗りのマリー

チャラン・ポ・ランタンの楽曲の中によく出てくる"マリー"という人物を主人公にした楽曲。狂気をはらんだ歌詞とサウンド、ももさんの表現力豊かな歌声によって一気に曲の世界観に引き込まれていきます。この曲のような演劇チックな楽曲もチャラン・ポ・ランタンの魅力の一つですね。


~切ない・バラード曲篇~

空が晴れたら

2020年のコロナの感染拡大で自粛生活を強いられることになった時に作られた楽曲。歌詞はまさにその状況を反映しているものとなっていて、サビの

しばらく会うのはやめておくよ 誰かの苦しむ顔を見たくないよ
しばらく会うのはやめておくよ 私好きな人が居るから

というフレーズはお二人の祈りのような言葉にも聞こえて、2年ほどたった今でもとても心に染みます。宅録収録だからこその素朴さがあるサウンドもとても良いです。

私の宇宙

ゆったりとした三拍子の楽曲で、少しノスタルジックさを感じさせるメロディが子守歌のようで聴いていて癒されます。サウンドはアコーディオンのみというシンプルな構成に切なさ混じる歌詞が非常にマッチしていて、ふと聴いたときに涙が出そうになるそんな一曲です。

かなしみ

こちらの楽曲は小春さんが作詞作曲を担当しているのですが、アレンジはなんとMr.Childrenが担当しています。小春さんがMr.Childrenのライブバンドチームとしてツアーに帯同していたのがきっかけとなり生まれた優しく温かなバラード。よく聴くと桜井さんのコーラスも聴こえてきます。
個人的には「涙の刺繍」というフレーズがとても印象的で好きです。

人生のパレード

2011年に起きた東日本大震災を受けて作られた楽曲。
当時は前向きに!がんばれ!背中を押すぞ!的な応援歌も多く聴かれたと思いますが、この曲はまた他の曲とは違う哀愁を帯びたサウンドで構成されています。悪夢、憂鬱、不安、孤独など、ネガ感強めのワードが使われてますが、きっとこういう角度で作られた楽曲に支えられた人も当時多かったのではと思います。


~個人的にさらに推したい曲篇~

麻イイ雀

スラップベースがガンガン響くテンポ感◎な楽曲!
麻雀の役だったり用語を羅列している歌詞なんですが、聴いているときの耳心地がすこぶる良い!チャイナ感あるサウンドも癖になります。
このMVはフルサイズではないのでぜひ原曲も聞いてみてください!

アジアの純真

皆さんご存じPUFFYのアジアの純真のカバーです。
私が本格的にチャラン・ポ・ランタンにハマる前に実は一足先に触れていた曲で、その時から結構気になる存在だったのかもしれません。本家のゆるっとした雰囲気とはまた違う、疾走感あふれる異国情緒マシマシなアレンジとなっています。このカバーは"借りもの競争"という二人組のミュージシャンの楽曲をカバーしたアルバムに収録されていて、他にもザ・ピーナッツやフリッパーズ・ギターなどの楽曲もカバーしているのでぜひ聴いてみてください!

愛の賛歌

エディット・ピアフが生み出した名曲。歌詞は越路吹雪さんが歌われた歌詞でチャラン・ポ・ランタンも披露しています。
こちらもカバーと言えばそうなのですが、かなり初期から歌われている楽曲であり、ライブの十八番としてファンの間では知られています。
ももさんの昭和歌謡的歌い方と圧倒的歌唱力はまさに歌姫。ライブごとに間の取り方や節回しの違いなどを楽しめる一曲になっています。


ここまではサブスクなどに加入してない方でも聴けるようにYouTubeに公式動画が上がっているものをセレクトしましたが、それ以外の曲も紹介します!

♪なれたらなぁ
おうちのネコちゃん目線から描かれた楽曲。ご主人様のことが大好きなのに、人間の彼女には勝てないから…みたいな本当にかわいらしい曲できゅんとします!
♪最高
全オタクが聴くべき!自分が好きなものは何が何でも好き!私が人生の主役!!誰にも否定させない!!!というとても背中を押される楽曲です。
マジで最高。
♪さよなら遊園地
遊園地が閉演するその日の情景を歌った曲。フィナーレ感がすごい。
自分はそんな経験したことないのに、自分の記憶を回顧しているような気持になる切なさを含んだ楽曲です。
♪男のサガ
付き合っている相手がいるにもかかわらず、おいたをしてしまった男性の言い訳をひたすらメロディに乗せて歌っている曲。ももさんは男性風、しかもおじさんぽい歌い方もできちゃうのかと驚かされます!
♪ソトデナイ
カバーなどでよく聴く「サ・サ・サ・サタデナーイ」でお馴染み、ベイ・シティ・ローラーズの名曲"サタデー・ナイト"の替え歌版。
本家は土曜の夜に騒ぎ倒そうぜ!というパリピ感あふれる曲なのですが、チャラン・ポ・ランタンの歌詞はなんと引きこもりをテーマにしています。
なのであの特徴的なサビは「ソ・ソ・ソ・ソトデナァーイ」だったり、「く・く・く・くそあつぅーい」だったりするわけです。くすっと笑える歌詞になっているのでぜひ聴いてみてください。

チャラン・ポ・ランタンの楽曲は各配信サービス、サブスク等でも聴くことができます。気になる楽曲があればぜひ調べてみてください!


ここまでかなりの文量でチャラン・ポ・ランタンのことについて書き連ねてしまいましたが、彼女らの音楽や人柄に触れる導入としては公式Youtubeがかなり活発に動いているのでそちらが一番わかりやすいと思います!

私がハマるきっかけとなった蛇腹談義シリーズはもちろん、お二人の日常を切り取った動画やファンと交流するラジオ番組、毎週金曜日に更新される楽曲カバー、40分以上ある長尺のライブ映像などとにかくこれ無料でいいの!?いうような動画がたくさん投稿されています。
気になったコンテンツからふれてみるのが吉です!!!


まとめ

今の音楽業界の中でもよい意味で異質な存在のチャラン・ポ・ランタンの魅力がもっとたくさんの人に伝わって欲しいと思いましてこの記事を書きました。
本当にいろいろなことにチャレンジをされているお二人で、小春さんは昨年の秋にアコーディオンをもっとたくさんの人に触れてほしいという思いからオリジナルのアコーディオン"Bébé Medusa"を受注販売し531台を売り上げるという偉業を達成したり、ももさんはドラマや舞台などで女優としても活躍されており、他にもナレーションや企業さんとコラボした商品をリリースしたりと表現の幅を大きく広げています。
昨年デビュー当初から所属していたソニー・ミュージックアーティスツから独立し、現在ではお二人で会社を立ち上げて活動をされています。

結成12周年を迎えてもどんどん進化するチャラン・ポ・ランタン。
ぜひ今からでも遅くないのでこのユニットに気づいてもらえると嬉しいです!!!



ここまで長文乱文失礼いたしました!
年明け一発目の記事としてはだいぶ遅くなってしまいましたが、今年も音楽のことなどその他もろもろ書いていきたいと思います!宜しくお願い致します!

あかりたずな

・チャラン・ポ・ランタン公式Twitter:@charanporantan
・小春さんSNS
 Twitter @suttokodokkoiii
 Instagram suttokodokkoiii
・ももさんSNS
 Twitter @momochan_
 Instagram charanpo_momo

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