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ワッチャプリマジ! 第45話「科学の道、あうるの道」感想・考察

今回はあうるのヘブンズコーデ覚醒回。
あうるとボルト、科学と赤ちゃんを通して描かれる未来との向き合い方について見ていきます。

科学と赤ちゃんと未来

今回は、赤ちゃんのボルトと科学が未来の象徴として重ね合わせるように描かれました。

そんな中で描かれるのが、失敗(迷惑)に対する捉え方のお話です。

未来を創るものは、何かこれまでにない新しいことに挑戦をするわけで赤ちゃんでも科学でも失敗はつきものです。

僕の科学では誰も笑顔にならない

あうるはマナマナのマジに頼らないプリマジシステムを開発したことで、プリマジが危機に陥ってしまいジェニファーや阿智彦を苦しめたことで、科学で笑顔にするなんて無理だと考えていました。

俺の弱さは俺の問題だ、お前が勝手に背負うな

そんなあうるの支えとなったのが祈瑠。
祈瑠が引きこもりになったのは、確かにあうるのシステムがきっかけだったかもしれません。しかし、居場所を守るために焦って強行してしまったのは祈瑠の問題。
阿智彦やジェニファーだってそうです。システムを使えば全てうまくいくと思っていた阿智彦。自分の心に蓋をし続けたままステージに立ってしまったジェニファー。どれも各々の問題であり、あうるのシステムは単にきっかけでしかありません。

マジスタを見ればジェニファー復活を望んでいたファンにあうるのシステムは笑顔をもたらし、祈瑠も自身の失敗がきっかけで抱えていた問題と向き合えて前に進めるようになりました。

視点が変われば、災い転じて福となす、といったように不幸な出来事が結果的に幸福につながるといったこともありますし、誰かの不幸が誰かにとっての幸福といったことだってあります。
それはきっと逆もしかりで、どんなにシステムが素晴らしいものでも不幸になる人はいます。例えば、ジェニファーがシステムよりグラフェスのステージに立てば、みるきにとっては自身の勝ち筋がなくなる不幸な出来事かもしれません。
祈瑠がどん底から自分と向き合えるようになったように、同じ人でも時経てばある行為がもたらす結果も変わることがあります。

お前はお前のしたいことをすればいい

科学で笑顔にしたい、そういった想いというのはひどく抽象的で何とでも捉えようによるのです。
そうであれば、そういった表面的な結果に終始するよりは、もっと根源にある想いを、「科学でみんなを笑顔にしたい」という自身のマジを信じて大切すること大切なのではないでしょうか。

「滲む、馨る、」

あうるとボルト、2人の関わり方を見てからだと「滲む、馨る、」に込められた想いがより鮮明に見えてきます。

騒がしい仮想空間

今回「滲む、馨る」では、あうるがステージ上でホログラムで映し出され3人でパフォーマンスをします。

滲む、馨る、静けさが 未来を僕は作ったんだ
大丈夫、寂しくはないよ

孤独が未来、科学やボルトを作った。
あうるの孤独は、阿智彦が社長としての夢にかまけ父親として子に接することができなかったためのものです。
そんな孤独が、科学への関心を生み、めが姉ぇというロボットを作り、そこからボルトという精霊も産みました。
めが姉ぇもタテジマもボルトもヨコシマも全てあうるが作り出した存在であり、それはあうるの孤独があったこそ生まれた存在なのです。
そんなあうるのステージは1人でも1人ではない、孤独の生み出した世界の豊かさを感じることができます。

阿智彦への許し

あうるの孤独の原因となった阿智彦の夢。
阿智彦の夢は、たしかに、子を孤独にしたかもしれません。しかし、それが
あうるの才能を目覚めさせ未来を創りました。

阿智彦の社長として夢を追い、子として向き合わず孤独に追いやった、そんな通常で言えば酷いと言われるような育児すらも今の自分を作っている。
全ての過去を受け入れて許す。
「滲む、馨る」からは、そんな母性的な包容力を感じました。

あうるの作ったプリマジシステムはたしかに破滅をもたらしましたが、その破滅によって阿智彦は社長として夢を追うことから解放され父親としてあうると向き合うことができました。
あうるのみんなを科学で笑顔にしたいという想いは、巡り巡って父親を笑顔にさせることができたのです

AreYouHappy?

どんな出来事もそれが今の自分を作っている。

Are You Happy?

もしあうるのこの問いにHappyだと答えることができたなら、それは、これまで関わり自分を作ってきた全ての過去を受け入れ許すことができるのではないでしょうか。

自分のマジを、みんなのマジを、信じて許す。

そんなあり方をあうるが教えてくれているように思いました。

そうやってマジになることを許すことは同時に、未来を創るためにマジになることを許すことでもあるのです。










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