見出し画像

【ワッチャプリマジ!】第4話『コンビ解散!?マジ早すぎだよ~』感想・考察

制作スタッフが本気のマジで作ってるということで、これは、視聴者側もマジで見ないと、ということでアニメ「ワッチャプリマジ!」の感想・考察をマジでやっていきます

今回は第3話に続きで第4話です。

サトジュン総監督と小林監督のダブル絵コンテ&坪田さん脚本の序盤の勝負回。まつりとみゃむの心の内側を私なりの解釈で見ていきます。

第4話 感想・考察

画像2

みゃむは育ての親がにゃんじいということで、幼いころに両親と離別しているようです。どこにも居場所がないみゃむは唯一のよりどころとして、もともと才能があった魔法で認められるということを選びます。
大魔法使いになるというキラキラした夢の裏側に居場所のない寂しさがあったことが判明しました。

まつりはみゃむの気持ちを尊重した方が良いのではないかと悩んでいました。みゃむのことを思って自分と組まないほうがいいのではとまで考えていたようです。
何よりみゃむと一緒にするプリマジが楽しいから、まつりは「一緒にプリマジをしたい」というやりたいことを優先する決断をします。

画像3

「ビビってるのはみゃむちゃんでしょ」
みゃむはひなのプリマジを見て怖かった。ひなを相手にしたら、グラフェスで優勝できないと思ったのでしょう。みゃむにとって大魔法使いの夢をあきらめることは、アイデンティティの喪失を意味します。
怖くて、怖くて、何かしようと思った結果がひなをパートナーにするという行為だったのだと思います。
まつりを悲しませることをわかっていながらも、そうする以外の拠り所がなかったのでしょう。
3話の段階では単にまつりの実力不足に見限ったように見えましたが、その裏には大きな不安があったのだとわかります。

画像7

なんとか再結成をしたもののみゃむの魔法が暴走してしまいます。なぜ今回だけ暴走したのでしょうか。
みゃむは今まで「プリマジの華はマナマナの使う魔法だ」と言っていたように、大魔法使いになるという自分の願いのために魔法を使ってきました。
しかし、今回はまつりのことを想い、まつりと力を合わせるために魔法を使う。
魔法が失敗した原因は、まつりのためを想ったことではないでしょうか。それが、皮肉にも魔法で他者を悲しませてしまった過去を思い出させ、嫌われたくないみゃむの心は不安でいっぱいになってしまった。今まで誰かと力を合わせるなんてことはやってこなかったのですから当然の不安です。

画像8

「まつりを信じてください」
橙真がにゃんじいを止めたこのシーン、個人的に今回一番のファインプレーです。
はたしてにゃんじいは今までみゃむのことを信じてあげられていたのでしょうか。寂しさに気づいていながらもみゃむの悪行にたいし罰を与えるだけになっていたのではないでしょうか。
にゃんじいであれば暴走を止めるのは容易いかもしれません、しかし、それではみゃむの心は留まる場所を見つけられなかったでしょう。

画像1

自我を失った状態でふるわれた力は、普通であれば止まることを知らず周りのものを容赦なく傷つけてしまうでしょう。しかし、その暴走はまつりを傷つける寸でのところで止まりました。奇跡と呼んでも差し支えないくらいの出来事です。
自身を攻撃してくるものを前にしてそれでも真っすぐな瞳で信じることができる。これは、とてつもないことです。
一緒にプリマジをすることの楽しさが、みゃむのような子猫に助けられた過去が、そして何より2,3話で描かれてきたまつりの悪意に無関心な純粋な心が、みゃむを信じる力を与えてくれたのでしょう。
ついこの後のハグのシーン目が行ってしまいそうですがここもとても重要なシーンように思います。

画像5

画像4

「一緒にプリマジしよ」1話のサブタイトルでもあるこのセリフ。ここから本当の意味でのまつりとみゃむの二人のプリマジが始まるのですね。

みゃむの我の強さに背中を押され一歩を踏み出しプリマジの楽しさを知ることができたまつり。まつりの純粋さに初めて自分の居場所を見つけることができたみゃむ。お互いに足らない部分を補いあったからこその結末です。そして何より、はじめにまつりの心を動かしたのは、みゃむの寂しさから生まれた大魔法使いになりたいというキラキラした夢だったことです。みゃむの不安な心も欠点ではなく個性として抱きしめてくれるのが素晴らしいですね。

画像6

「わたしの心はふにゃふにゃに弱くなるんだゾ」
他人に頼ることができない人は、自分で何とかする癖がついているので、他人に頼ることのできる人よりも一人でいるときは強い。
弱くなるとは頼る場所を見つけたということでもあり、一人で強くいることとは、一長一短な特性です。

「みゃむちゃんが弱くなった分だけわたし強くなるよ」
居場所ができたことでみゃむがトップを目指す意味は薄れてしまいました。しかし、まつりにとっては我を通してみゃむをプリマジに誘った以上、みゃむをトップに導かないといけない理由ができました。まつりはみゃむのために強くなる決心をした、だからこそひな先輩に弟子入りをしたいという発想に至ったのではないかと思います。

また、「早くいきたいならひとりで行きなよ、遠くへ行きたいならみんなで行こうよ」というアフリカのことわざを引用することで、今はみんなで遠くに行く時代であるとし、みゃむが弱くなったことへのフォローがされています。
岸田総理の所信表明演説でもこの言葉が引用されていたりと、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる昨今は、早さよりもみんなで遠くへ行くことが求められる時代なのでしょう。


4話では1~3話で徹底して描写してきた謝るということをあえてしませんでした。これは、みゃむがまつりに迷惑をかけたように、まつりもみゃむにわがままを言って迷惑をかけたため、お互い様ということです。
やりたいことをやる、すなわち、マジになるということで周りに迷惑をかけることでもあるようです。しかし、相手がマジであることを知ればその迷惑のかけ合いもお互い様ということで受け入れることができるかも知れません。

おわり

4話はまつりの持つ悪意に無関心な純粋さがいかんなく発揮された回となりました。これまで、2話の「みるきのカードくれお」や3話の「おめでたい子」「ひなの手下にのされる」と言われたシーンのように、まつりの純粋さの裏にある危うさを匂わせていました。しかし、今回もその危うさは機能することなく、まつりの持つ純粋さの良い面のみを強く映し出される結果となりました。
4話はまるで最終回のようだという声も多いように、普通のアニメではここが到達点になってもおかしくないくらいの盛り上がりのある展開です。しかし、あえて4話に持ってきたというのは、あくまでもここが通過点だと作り手側も考えているからでしょう。これから、まつりの持つ純粋さが世界の現実(みるきの悪意、大人たちの企み、他)に触れたときにどうなっていくのか、そしてそれを通して何を描こうとしているのか、今後がとても楽しみです。

そして、4話で示された、「みんなで遠くへ」
この考え方は、マナマナマジパチュッピという魔法の呪文そのもであり、プリマジの目指すテーマの一つであるように感じます。
SDGsと同じ考え方だと言いましたが、プリティーシリーズでもそうです。
10周年記念配信での、これから先の10年間も女の子の夢を応援していくという誓いを果たすためにはひとりでは進めません。
『マナマナマジパチュッピ』という言葉は、プリティーシリーズがさらなる歴史を刻むための合言葉になるのではないか、そんな気がします。

それでは、今回はここまでです。また次回


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?