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ワッチャプリマジ! 第29話「誰と組む?フィーリングデュオ大会」感想・考察

デュオのパートナー決めで余りものとなった みるきとれもん。
味噌っかすの逆襲だと、ついにみるきが専用コーデ&ステージでプリマジをしました。
そんなみるきについて、今回新たに分かったことも踏まえながら再考していこうと思います。
(※第29話感想・考察と言っておきながらほぼみるきについてのみです。)

甘瓜みるき再考

まずは、今までのみるきについてです

・みるきは自身の信じる"かわいい"を認めさせることが目的
・みるきの信じる”かわいい”はプリティーシリーズ的な”かわいい”
・おしゃれの”かわいい”はみるきのとっておきの魔法
・あざとさも含めて”ありのままのみるき”

プリティーシリーズの思想を現実世界で広げようとしている女児のような存在。

この前提を踏まえて、さらに深くみるきを見てみましょう。

2つのかわいい

・おしゃれの”かわいい”はみるきのとっておきの魔法
・みるきの信じる”かわいい”はプリティーシリーズ的な”かわいい”

まず押さえておきたいのがこの2つは全く違う”かわいい”だという点です。
前者は、一般的な外見上の”かわいい”
後者は、シリーズ特有の内面の”かわいい”

内面のかわいいは、「みんなアイドル」や「森羅万象かわいい」のことで、
もう少し一般的な言葉で言うと”欲望”や”好き”を持つといった感じの意味合いを含みます。
みるきのモチーフがクマ🐻やテディベア🧸なのも”欲望”や”好き”の象徴としての役割だと思われます。

同じワッチャでも同じではないように、同じ”かわいい”でも同じではない

みるきのあざとさ・腹黒さは、この内面と外面の2つの”かわいい”の違いによるもので、かわいい×2(第5話タイトルより)が”ありのままのみるき”なのです。

みるきは一人で二人力、千人力

みるきは一人で二人力、いや、千人力だってことわからせてやるお

第29話 口上

一人で二人力なのは”かわいい”の二面性によるもの
ヨーデルはファルセット(裏声)と胸声(地声)の2つの声で歌いますし、
ミラクルベアの外面の人×内面のクマ🐻(欲望)のモチーフ(みるき曰くモコモコ素材とテディベアのかわいい×かわいい)や
チェリシュガーのサクランボ🍒にもみるきの二面性が表現されています。

・一人で千人力なのは、みるきの”好き”によるもの
テディベア🧸や、みるきを選んで推してくれるファン
ステージの大量のテディベア🧸からも分かるように、たくさんの”好き”がみるき自身を作っているのだという自覚があるようです。
それゆえに、たくさんの”好き”で作られた”ありのままのみるき”を一番推すのはみるき自身、となるのではないでしょうか。

なんだかんだで、メインキャラの中で一番ファンと真剣向き合っているのがみるきなのは間違いありません。

あざといも方便

みるきの目的はみるきが信じる”かわいい”を世の中に認めさせることです

これはいわば布教活動で、布教するためにはどんなあざとい手も使うのがみるきです。

方便という、「人を真の教えに導くための仮の手段」という意味の言葉がありますが、みるきのあざといはまさに方便で、誰もがみんなかわいいことをより多くの人に伝えるために、あざとくなるという手段をとっているのだと思います。

宗教でも、芸術でもなんでもそうですが、相手がマジになってくれなければどんな素晴らしいメッセージを載せても気づいてすらもらえません。
みるきを推してマジになってくれるファンは大切な存在のです。

みるきはイワナイ、イエナイと言っていますがその裏でははにたん🐻が「本当はLoveYou」と歌います。「ダ・イ・ス・キ」と秘密にしていても零れてしまうほどの想いがみるきの中にあるように思います。

「本当は君のためにかわいくなったの」という歌詞がありますが、外面を”かわいい”で飾りあざとくなったのも、あなたに”かわいい””を届けるためという意味なのではないでしょうか。

(番外)プリマジとユリ熊嵐

今回の考察で参考にしたのがユリ熊嵐というTVアニメ作品です。
みるきとはにたんの関係性はユリ熊嵐と酷似しており、個人的にはこれが元ネタではないかと思っています。
ちなみに、シリーズ構成の坪田さんはユリ熊嵐の幾原監督作品が好きなことを公言しています。

あるとき、宇宙に浮かぶ小惑星「クマリア」が爆発し、その破片が隕石となって地球に降り注いだ。 するとこれに呼応するように地球上の全てのクマが突然凶暴化し人間を襲うようになる。 かくして人間とクマの長い戦いが始まり、いつしかお互いへの憎しみから両者を隔てる「断絶の壁」が築かれた。

wikipedia ストーリーより

かなり独特な作風なので実際に見てもらうのが一番です
(以下、ユリ熊嵐のネタバレを含みます)

プリマジとの共通点は以下のような点があります

・人間とクマの断絶
・ユリ裁判とあざとい裁判
・ユリとみるき
・クマリア様とはにたん

それぞれ詳しく見ていきましょう。

人間とクマの断絶

ユリ熊嵐では元々は一緒にいたはずの人間とクマは断絶の壁によって分断されてしまいますが、これはプリマジの人間界と魔法界の同じ関係性です。
これに関してはよくある現実世界と精神世界の分断を表しているものなので似通ってくるのは当然ですが、こと、みるき-はにたんに関しては人間-クマと全く同じ対比関係になっています。

ユリ熊嵐は百合を描いているのもポイントで、人間-クマはそれぞれ外面-内面の自己でもあるため、その断絶を乗り越える過程では必然的に同性愛が描かれます。
この点はプリマジの28話29話なんかもそうで、人間とパートナーの関係を深く描こうとすると必然的に同性愛チックな深い絡み合いになってしまいます。

ユリとみるき

ユリとみるきにも共通点があります
みるきと言う名前はミルキーウェイ(天の川)から来ていると思われますが、実はギリシャ神話では天の川とユリは同一の起源を持ちます。

ギリシャ神話では、女神ヘラの母乳が飛び散って、空に散ったものが天の川になり、地上に散ったものがユリの花いなったと言われています。

ユリ熊嵐に出てく人間はみんな名前紹介の際に”ユリ”つけられますので、人間サイドがユリと天の川で、同様の起源を持っていることになります。

クマリア様とはにたん

ユリ熊嵐の世界の女神であるクマリア様とはにたんも共通点が非常に多いです。

はにたんの外見は、ハート目・黄色(金森まりあ)+デカリボン・紫(らぁら)+クマとなっており
女神クマリア様のマリア・女神・クマの3点すべての要素と一致します。
そして何より、クマリア様はcv小倉唯ではにたんと同じです。

クマリア様は見た人の”スキ”の象徴の姿をとりますが、はにたんもみるきの”スキ”の姿であるテディベアの着ぐるみを着ている点でも酷似しています。

ユリ裁判とあざとい裁判

そして何より、みるき-はにたんがユリ熊嵐をモチーフにしているという確信が一番強く感じれるのが裁判要素です。

ユリ裁判は断絶のコートと言われる人間とクマの世界の境界で行われ、女神クマリア様にスキを認めてもらうことでユリが承認されます。(ユリ承認されると人間とクマの中間体の姿に変身するバンクがあります)
あざとい裁判ではあざといが本物か偽物かが問われ、人間界と魔法界の境界の場であるプリマジを通してマジを見せることであざといが承認されました。
裁判所の上部がはにたんモチーフで「STAND BY(そばにいる)」になっている点なんかはクマリア様が見守ってくれているようでユリ熊嵐への意識が感じられます。

この姿は非常にミラクルベアと似ていますね
ユリとあざといは似たような概念ですし、今回みるきが突然ミラクルベアを着たのもあざとい裁判であざとさを承認されたためと考えれば納得です。

おわり

このようにプリマジとユリ熊嵐には非常に多くの共通点が見られます。
確固たる証拠はないですが、これだけ様々な要素で似ているとユリ熊嵐が元ネタの一つあることは間違いないように思えます。

あまり他作品を絡めて語りすぎても問題ですが、こういうのも知っておくと作品の理解にも役に立つことでしょう。


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