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現代と過去が混在する過疎地域

#グループ6
#市原市と美波町の働く環境

⊡始めに

 筆者は、今学期のゼミの授業と月曜日に履修をしている「プロジェクトを学ぶ現代社会」の授業を通して徳島県の美波町と交流をし、加えて千葉県市原市にも取り上げた。この二つの異なる街を取り上げ、余所者視点から地方を盛り上げるためのオンラインコンテンツを作ることが今回の最終ゴールである。そのゴールを達成するために、街のコアコンピタンスを見出すことが重要だと考え、別の街と比較することを通し、それを発見していく。

 筆者のグループは市原市の加茂地区と美波町の比較を主なテーマとしている。この二つの街を取り上げることで両者のコアコンピタンスが見えてくると考えたためだ。また、市原市全体ではなく加茂地区に限定することで、より比較対象を絞ることができるため、核を見出せると予想した。

⊡徳島県美波町へオンラインで行ってみた

 今のご時世、コロナ禍で現地に足を運ぶことが困難であるため、筆者らはストリートビューを通し、徳島県美波町へ足を運んだ。正直、オンライン旅行で良かったと思ってしまった。現地に足を運ぶとなっていたら体力とお金が必要であるだろう。体力面はいいとして、片道3.4万円は学生にとっては痛い。もちろん、実際に足を運ぶことのが大切なのであるが、少し厳しいなと感じてしまったのが余所者の学生の本音だ。

 ストリートビューを通し、徳島県美波町に降り立った筆者は、自身の故郷よりも自然を感じた。街の大半を占める山。南に向かって進むと、大きく広がる海。番茶の段々畑。その場に行っていなくても自然のにおいを感じることが出来る。

 ストリートビューで街を進んでいくと、不思議と深く広がる裏路地に魅力を感じた。しかし、ストリートビューでは限界があったため、奥深くまで進むことが出来ず、残念である。

地元の方の話を聞いていると、人と人の繋がりが深く、みんな顔見知りのように人の名前が上がれば大盛り上がりであった。


⊡サテライトオフィスとは

 サテライトオフィスとは企業の本社や本拠地から離れた場所に設置されたオフィスの事である。本社のサテライト(衛星)のように存在することからこの様に名づけられた。サテライトオフィスは支店、支社とは異なり、勤務者が遠隔勤務が出来るような通信設備を整えたオフィスのことを指す。また、「都市型」「地方型」「郊外型」と3つに大別することが出来る。地方や郊外に住む人でも混雑を避けつつ時間を節約して通勤出来たり、外回りが多い従業員が降歴史物に作業が出来たりと、旗らっかた改革を推進したい企業がさて例とオフィスを活用した働き方に注目し、導入している。

サテライトⅱ


 
⊡美波町

 ⅰ)地方型サテライトオフィス
 美波町に存在するサテライトオフィスは「地方型サテライトオフィス」にあたる。これは本社がある都市部から離れた地方に設置するオフィスのことをさす。地方型は、人材確保、BCP対策、地方創生、3つの観点に大きな影響を与えると考えられている。

 ・人材確保
地方は郊外にサテライトオフィスを設置することでアプローチできる人材層が広がることに繋がる。現代の働き方の多様性はどんどん広がり、地方で働くという選択をする人も多くなっている。子育ての関係で、家から近い職場を希望する人もいる。様々な事情を抱えた人材を確保できるのは人材不足が叫ばれる昨今では大きなメリットになる。

 ・BCP対策
近年、頻発している自然災害によって、緊急事態の際にリスクを回避するBCP対策を策定する企業が増えてきている。自然災害などで本社が機能しなくなった際に、郊外や地方にサテライトオフィスがあれば、事業復旧が非常に早くなる。そのほかにもサイバーテロ、感染症の流行など、リスクはいつも隣り合わせ。有事の際に、事業のバックアップ機能を持っておくことは企業にとって必要不可欠な要素である。

 ・地方創生
働き方の多様性が広がっていても東京や大阪などの都心部に人工が集中しているが現実。そのため、地方自治体の人口は減り続け、段々と経済活動も停滞。活気を失っているのが現状である。そんな中、地方型サテライトオフィスを設置することで、地方の雇用創出、ビジネスの活性化につながり、地方創生に貢献することが出来る。総務省でも地方型サテライトオフィスの推進を行っており、厚生労働省の「お試しサテライトオフィス」施策では、全国の地方自治体と協力し、ICTインフラが完備されたサテライトオフィス施設を地方に整備し、企業の誘致を実施している。特に、徳島県は、活発に企業誘致を行っており、多くのサテライトオフィス開設を実現させている。


 ⅱ)美波町のサテライトオフィス

始まりは2010年。2011年のテレビ放送の地上デジタル化に先立ち、ケーブルテレビが視聴できるよう、山間部に至るまで総延長10万km越えにも及ぶ光ファイバ網を整備。これにより、同時にインターネットのブロードバンド通信網が整備され、徳島県は「光ブロードバンド王国」となった。2012年に徳島サテライトオフィスプロジェクトがスタートする。
 

   
⊡市原市

 千葉県市原市にはまだサテライトオフィスは誘致していないということが現状である。しかし、里山と都市部が混在した街の特徴を生かし、新しい働き方を構築するため、「コワーキングスペース」の誘致が広がっている。

⊡コワーキングスペースとは

そもそもコワーキングスペーススペースとはどんなものなのか。まず、英語で表記すると【CO - WORKING】となります。ここで使われている「CO」は「共同」を意味する。例えば「共同」創業者のことを【CO-founder】と呼ぶ。それと同じである。つまりその【CO】の後にワーキングスペースが入ると、「共同で仕事をする場所」ということになる。基本的にはフリーアドレスのワークスペースとなっていて、それぞれのルームの使用手続きを行えばどの席も使うことが可能である。(しかし中には固定されているものも存在するようだ。)コワーキングというワークスタイルが2005年産フランスシスコを中心に始まったとされており、日本では2010年頃からコワーキングの概念が広まってきたようだ。それを支えるのがコワーキングスペースであり、徐々に日本にもコワーキングスペースが作られるようになった。

ワーキングスペース

2018年9月のデータでは東京のコワーキングスペースは346拠点と推計されている。そのお面積は6.6万坪で賃貸オフィス面積解くベルト、市場規模はそこまで大きくないようだ。しかし、解説面積と解説数の推移を見てみると、その市場規模が急速に拡大しているようだ。現在も東京近辺を中心に、コワーキングスペースが作られている。

コワーキングスペース2

コワーキングスペースはオフィス環境を共有できる場であり、異なる職業や仕事を持った人たちがそこに集まり、作業場をシェアする。また、起業の時にオフィスを構えるのではなく、コワーキングスペースを利用するという選択肢も考えられるようになってきている。ここでわかることとしては美波町のようなサテライトオフィスとは全く別のものであり、サテライトオフィスとコワーキングスペースでは二つの街を比較することが不可能ということである。

しかし、ここではあえて市原市と美波町の比較のデータの一つとして、美波町のサテライトオフィスと市原市のコワーキングスペースの比較をしていく。


ⅰ)市原市
 市原市には工業地帯の北部を背に南部の方へ少し足を延ばすと、自然豊かな里山暮らしがある。その里山はまるでジブリの世界。過去に営まれてきた暮らし方も今に継承されているものもある。実際に足を運んでみると自然的ではなく作られた街のようにも感じられる。その様な過去と現実を味わえる不思議な空間を持つ特徴が市原市にはある。この街はかつて4分の3が移住者だったという。様々な人が移り住み文化が混ざり合ったこの町には新し人を寛容に受け入れる環境が整っている。最近では働きやすく暮らしやすい土地として移住される方も増えているという。竹細工の職人、畑を耕しながらデザインの仕事をする人、様々な暮らし方、移住者が増えている。
 21世紀に入り、人口減や高齢化など新たな課題と向き合う中で「”人”が支える暮らし」に緩やかな変化を始めている。様々な課題と直面しながらも、豊かな郷家元おつぃぶの利便性を享受できる街だからこそ、東京のような大都市とはまた別の暮らしや働き方を構築し、将来的には新しい働き方を生み出すようだ。


ⅱ)市原市のコワーキングスペース事業
 市原市は一言で表すと「里山と都市」。行き来しやすい立地にある市原市でワーケーションのような働き方が里山と都市部が近い市原市では日常の暮らしとしてあふれている。寛容な街であるため、新たに来る企業や人にも市役所や市民も寄り添っている。市原市の中にあるコワーキングスペースの中の『CO-satenプロジェクト』を紹介する。

『CO-satenプロジェクト』

この活動は【5年後、10年後、未来の市原を考え、人と人の交差点、職と職の交差点、物と物の交差点を増やしていくことで、持続可能な地域をつくる 】ことをコンセプトとしている。このプロジェクトに携わっている運営メンバ―は31人ほどおり、全員が市原市にゆかりのあるメンバーだ。このプロジェクトについて主に3つほど詳しい説明と活動内容をしたい。

1.CO-saten Goi 

Co-Saten GoiはCo-Satenプロジェクトの活動の拠点地だ。 場所はJR内房線/小湊鉄道線 五井駅西口より徒歩3分で、まさに市原市街(町の中心)に位置しているため、都市型と言える。1階は誰でも気軽に立ち寄ることが出来るカフェスペースで、2階がコワーキングスペースとなっている。 利用するには入会金と月額料金を支払わなければならない。外観は清潔感のある和テイストで、人が入りやすい、集まりやすいつくりのようだ。

コワーキングスペース3

CO-saten では何か新しいことに挑戦してみたい方に向け、場を提供し、企画やイベント運営を行っている。

 2.イベント企画

市原市をもっと楽しく住みやすい街にするためのイベントを企画している。これまでに魅力向上塾、コンポスト作成、アートリレーなど数多くのイベントを行っている。挑戦したい人のきっかけを生み出すイベントが多い。

 3.地域PR  

まちをより豊かにしていくためのに市原の魅力を外に発信していく地域プロモーションも行っている。

⊡まとめ

ここまで、美波町のサテライトオフィスと市原市のコワーキングスペースについて上げてきた。筆者のグループ内では両者の比較をしたかったのだが、既述した通り、サテライトオフィスとコワーキングスペースがそもそも比較対象にならないため、このテーマについてひかくすることはできなかった。しかし、今回のテーマから二つの要素を上げた中で見えてきたものがある。両者には移住者や余所者が働くうえでの環境が整っているということだ。コワーキングスペースも、サテライトオフィスも起業したい人にはぴったりの場所である。そして、ネット環境も標準レベルには整っているため、ネットを使用するには何も問題はないだろう。つまり、両者とも余所者が中に入りやすい、親しみやすい街である。そのような面から共通した街といえる。

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