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短編小説の棚

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1話完結の短編小説を並べています。気になるタイトルがありましたら、手を伸ばしてみてください(*^^*)♪
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#唇

【短編小説】失恋マスク

家から駅まで徒歩10分ほどの道のり。 駅に向かって歩く人たちの口元を、目だけ動かしてチェックする。 マスクしてる、してない、してる、してる、してない・・・・・・ ここ3年、顔の下半分をマスクで覆った顔ばかり見続けてきたから、口元があらわになっている人を見ると変な恥ずかしさを覚える。見知らぬ人のセミヌードを見ちゃったみたいな。 新型コロナが流行する少し前。私は人生2度目の恋をしていた。 「唇、イチゴみたいで可愛いね」 彼は会うたび私の唇を褒めた。私は両頬に手を当て、高めの甘