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できないことをできないまま受け止める。

音楽制作の手を止め、楽譜から目を離して部屋を見渡す。

ごちゃごちゃしている。

不衛生ではないけれど、物が多くまとまりがない部屋です。

起きてベッドから出たままの形の毛布。
なんだか向きがずれている収納ケースに、おおざっぱに並べられた本の詰まった本棚。

かけっぱなしの洋服。
とりあえず目についたものをまとめてある小物入れ。
床に並べられたトイピアノとぬいぐるみ。ギターの機材。

なんとなく片付けなかったものが散らばった机の上。

よくよく見ると床に埃がいくつか落ちていたりして。


整理整頓が苦手です。

というより、料理以外の家事が好きじゃない。

ずぼらなほうで、部屋がごちゃごちゃしていても創作活動に触らなければどうでもよくって、放置しがち。


でも、ごちゃごちゃした部屋に住んでいるのはそれなりに気にしているから厄介です。

旦那と二人暮らしですが、それぞれ別の個人の部屋を持っているので、私の部屋が汚くても迷惑はかからないんですが。(夫婦円満の秘訣)

やはり部屋が汚いってちょっとみっともない気持ちになるし。

ネットでアトリエや作業部屋のインテリアを見ると、そういうのいいよね、とは思うのです。

清潔でおしゃれな部屋で、好きなものに囲まれて創作活動。
そのまま写真に撮っても美しいような風景。うーん、憧れる。


とはいえ、人間、適性ってものがありますからね。

思春期のころは頑張ればどこまでもいい人間になれる、みたいな、謎の向上心がありました。
それは同時に、自分の嫌いな点は努力不足だと、自分にいうようなものでした。

そうやって生きてきたら、
「部屋がごちゃごちゃだ……私はだめ人間だ!!」
みたいな、思考になっていたのです。

かといって整理整頓できるようになるわけでもなく。


しかし最近ようやく、できない自分が割り切れるようになってきました。

ここぞ、というときはそりゃあ、やらなくちゃいけないんですけど。
でも全部何もかも完璧にこなせる人はいないし、こなす必要もない。

きれいな部屋に住みたいなと思う私も私だけど、でもきれいな整った部屋に住めないのも私だし、それは仕方がないよと。


ある意味、自分への諦め。

この場合の諦めは「納得」や「赦し」に近い。

できないことをできないまま受け止める。

部屋がごちゃごちゃ=だめ人間だ!
などと変な意味づけをせずに、できないという事実をそのまま認識すること。

この短絡的でネガティブな意味づけをしなくなって、だいぶ心が楽に、自由になれたように思います。


こんなふうに思えるようになったのは、モーニングページの効果です。

毎朝、心に浮かんだ言葉をそのまま30分間書き続ける、モーニングページという習慣があって。

モーニングページを始めたころは「部屋が汚い、もうだめだ」と思いつくままに書いていたんです。

でもそれを何度も浮かぶまま書き、書いたのを読み返しているうちに、「そんなことなくない?」と自然に思えるようになったのです。

部屋が汚い、もうだめだ……っていつも言っちゃうけど、実はそんなことなくない? と浮かんだまま書くようになりました。

毎日書くことで、部屋のことだけでなく、あらゆる場面の自分のそういう極端な思考に気づいていきましたね。

そんなふうに繰り返しているうちに、書いていないときでも自然に、過度にネガティブにならないようになりました。

誰かに教わったわけでなく、自分で気づけたというのも気分がいい。

モーニングページ、だいたい1年半くらいで変わったかな。


整理整頓ができない自分はちょっと嫌いだけど、でも、嫌いな点があるからって何もかもだめってわけじゃないよね。

今はそんなふうに思っています。


(Day 11 今日のお題「自分の嫌いなところ」)




今日はアルバムを紹介します。
「陽当たりそこそこ2DK」です。

生活の歌。ちょっと切ないネタ曲集です。


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