終わらせたいとか、そんなんじゃなくて
朝6:30。
白いクロスは引っ越した時からそのまま。
本当はもう少しお洒落なものにしたかったけど、張り替えるにはかなりお金を要したからやめてしまった。
隣を見ると、いつも通りの顔で寝ている物体がある。
「おはよう」
小さな声でつぶやいてみる。
寝息をたてているその物は、返事をせずまだすっかり寝たままだ。
「おはようの声が聞きたくない」と、少し思っていた。
何も悪くない、どちらも、何も。
それでも少し、少しだけど、何かが変わっている気がした。
暑さのせいかな、季節のせいか、気圧のせいかもしれない。
「おかしいのは、どっちかな」。
先ほどよりも少し大きな声で、聞こえてもいい声で言ってみる。
やっぱりまだ、それは寝たままだ。
(スースーと、寝息をたてている。)
終わらせたい、わけではない。
不満も不安も何もない。
それなのに、今日の朝は重たい朝だ。
朝が清々しくて美しいものだと、誰が決めたのかな。
迎えたくない朝だって、あってもいいかもしれない。
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