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かもしとたねエッセイ

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山の家、海近くの畑、自然界、人や動植物の生死などを通して感じる不思議。この世は不思議でいっぱい!その答えはそれぞれの人が持っていて、どんな人生にするかもその人が決めることができる…
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#淡路島

*弱肉強食と共存世界・イノシシから学ぶ

ジビエ、と言えば聞こえはいいが、 淡路島の中で増えてしまった猪(イノブタ)を 捌いて食べることがある。 ここ淡路島では、野生の猪と鹿が増えていて、 畑や田んぼに入っては芋を掘り、ミミズを掘り、稲をなぎ倒し、 果樹や木を食み、トラクターのごとく耕し穴を掘る。 この野生動物からいかに作物を守るか、人と獣の知恵比べのようになっている。 私の住む地域には鹿はまだ来ておらず、猪がたくさん住み着いている。 そのため、夜8時過ぎになると鳴き声を発し、 外を車で走ると、田圃には

*慣行農業とオーガニックの融合=地産地消!?

淡路島に移り住んですぐに、じいちゃんの畑を一緒に耕し始めた。 じいちゃんの畑はゴミでいっぱいだった。 畝の上には絨毯や毛布、土の中からは電池に時計、ホッカイロ、 ビン、缶、袋に入ったままの化学肥料。 なんでも出てきた。 燃やせるものは全て燃やしていた。 燃やせないものは埋めていた。 じいちゃんは大正元年生まれの人だから、土に還る物しかない時代を生きてきた。 だから、なんでも土に埋めておけば消えてなくなると思っていたらしい。 プラスチックなどの土に還らない物など分別することは

*食べだすけの島、春の豊かな食材

春、畑の大根やニンジン、アブラナ科の野菜達は花を咲かせるために塔立ちし始め、保存していた芋類も食べつくし、 夏野菜が成り始めるまで畑で採れる野菜は少なくなる。 春の野菜と言えばアスパラがにょきにょき出始め、スナップエンドウや実エンドウがちらほらでき始め、あとは菜の花食べ放題!状態になる。 しかし種類は少なく、そればかりでは飽きてくる。 夏野菜が成り始める6月頃まで、何を食べようかといつも考えるのだが、しかし意外と困ったことがない。 ここ淡路島は食が豊かな島で、4月になると

*日本の時間 四季・二十四節季・七十二候

じぃちゃんばぁちゃんが亡くなった時、この村の風景が変わったなぁと感じた。 1世紀近くの間、この村で生き、風景に溶け込んでいた人がいなくなり、 代わりに新しい命が生まれ、生きていく。 こうやって時代が変わり、価値観が変わり、 景色が変わっていくんだ、と初めて感じた。 と、同時に時間とは生命の事なんだと気付いた。 時間なんて、人間が作った観念だと思っていたが、 そうではなく、生命の営みそのものが時間なのだ。 お米は5月頃に種を蒔き、芽を出して成長し、 8月に花を咲かせて子供で