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かもしとたねエッセイ

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山の家、海近くの畑、自然界、人や動植物の生死などを通して感じる不思議。この世は不思議でいっぱい!その答えはそれぞれの人が持っていて、どんな人生にするかもその人が決めることができる…
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#SDGsへの向き合い方

*メタファー

2010年に大阪から祖父母の住む淡路島に移住した。 子供のころから田舎が好きだった私は、いつか田舎暮らしをしたいと目論んでいた。 そして念願の田舎暮らしが始まったものの、都会の生活とはかけ離れた自然との接し方、仕組みなどが全く分からない・・。 じいちゃんの畑で自然農を初めてみるものの、失敗ばかり(-_-;) これはまず、自然界の仕組みから知らなければいけないと思い、日記帳に毎日畑や周囲で起こることを記録し始めた。 いつ、何の芽が出た。何の花が咲いた。何の渡り鳥が来た・・

*お米作り珍道中

淡路島に移住するまで、 お米を美味しいと全く思わず、ほとんど食べていなかった私が、 なぜお米を作る事になったのだろうか。 自給自足をしたいとは思っていたので、お米も機会があれば作ってみようと考えていたが、 移住して2年目にその機会はやってきた。 その時97才だったじいちゃんが、 「お前、米作らんか」と言ったのだ。 「うん、作る」と即答した。 叔母からは 「辞めておきなさい、しんどいだけだ、買った方が安いから」と止められた。 その言葉は無視することにし、じいちゃんが作れと言っ

*問題のようにみえるもの

淡路島で自然農をするようになってから、畑では様々な問題が起こった。 自然農を初めて2年目、耕さない畑の土はカチカチになった。 苗を移植するのにスコップが入らず、耕さない自然農で大丈夫なのか?と不安になった。 けれど、翌年頃からカチカチだった土がだんだんと軟らかくなり、 今では畑全体がフカフカの土になっている。 13年たった今でも畑を耕したことはない。 同じく2年目、10年ほど放置していた田んぼで米を作ることになり、草を全て排除し田植えした。 すると、その田んぼには芝がび

*おばぁと仏教

おばぁが92歳で死んだ時、なんでこんなに早死にしたんだと納得がいかなかった。 「なんで、死んだのか?」と私は悶々と考えていた。 葬式が済んで、次はだいたい49日の法事をするのが一般的な流れだが、 淡路島では49日より35日の法事の方が大切で、親戚一同集まり法事が行われる。 35日とは、死んだ人が閻魔様の所へ行く日で、 そこでおばぁは生前の善行、悪行を裁かれる。 そこで、集まった子孫達は、裁かれるおばぁのために追善供養というものをする。 追善供養とはなんだ?初めて聞いた

*米から与えられるもの

お米が自給できるようになってから、1年分で余るものだから、 田んぼ作業がお休みの期間に米糀を仕込み始めた。 米糀を仕込んでおけば、味醂を仕込んだり、 味噌を仕込んだり、濁酒を仕込んだり、 甘酒、柚子味噌、米飴、塩こうじと気が向いたものを仕込んでいける。 お米さえあれば、ご飯としてだけでなく、様々な調味料から甘味まで、 日常の食卓に必要な物に変化してくれる。 米粒だけでなく、糠で漬物を漬けたり、藁で藁かごや草鞋を編んだ。 とぎ汁も、植木の肥料に留まらず、洗濯や台