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かもしとたねエッセイ

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山の家、海近くの畑、自然界、人や動植物の生死などを通して感じる不思議。この世は不思議でいっぱい!その答えはそれぞれの人が持っていて、どんな人生にするかもその人が決めることができる… もっと読む
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#風土

*さぁ、種採りしましょうか。

私の種採りバイブル、「岩崎さんちの種子採り家庭菜園」 今は残念ながら、販売されていないようである。 野菜にまつわるエッセイや、種採り方法、 栽培歴などが載っており、 初心者だった頃の私はこの本を読んで 種採りの意欲を沸かせたものである。 種採り、と言っても野菜を放ったらかしにしていたら 種ができるというわけでもなく、 ちゃんと種を採る時期というものがあって、 横着な私はよく失敗をする。 適期に採れなかった種は、 鞘が弾けて中の種が飛んでしまっていたり、 雨に当たってカビ

*ヒエという嫌われ者・強者から学ぶ

田植えが終わった6月後半になると、 田んぼの中や畔にはヒエという稲科の草がたくさん生えてくる。 田植えをしている時には生えていなかったのに、 1週間ほどして草取りに入るとたくさん生えているのだ。 成長スピードの速いヒエは、少し目を離したすきにぐんぐん大きくなり、 あっという間に米の背丈を超えてくる。 草取りの時に、このヒエを抜いておこうとこちらは必死になるのだが、 お米の苗とそっくりさんで、米の苗にそっと寄り添うように 生えているこのヒエを見落とすことしばしば、 気

*弱肉強食と共存世界・イノシシから学ぶ

ジビエ、と言えば聞こえはいいが、 淡路島の中で増えてしまった猪(イノブタ)を 捌いて食べることがある。 ここ淡路島では、野生の猪と鹿が増えていて、 畑や田んぼに入っては芋を掘り、ミミズを掘り、稲をなぎ倒し、 果樹や木を食み、トラクターのごとく耕し穴を掘る。 この野生動物からいかに作物を守るか、人と獣の知恵比べのようになっている。 私の住む地域には鹿はまだ来ておらず、猪がたくさん住み着いている。 そのため、夜8時過ぎになると鳴き声を発し、 外を車で走ると、田圃には