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Weekly Quest 2021年6月7日号


毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは「再生可能エネルギーの将来性と投資」についてです。


今月のテーマ 〜再生可能エネルギーの将来性と投資について〜


各国で「カーボンニュートラル」な世界の構築に向けていろいろな方針が決定されようとしています。日本でも2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする取り組みが進んでいます。

また株式も関連する日米の銘柄がはやされていますが、これから投資して本当に儲かるのでしょうか?カーボンニュートラルな世界をどうやって実現していくのか、投資をおこなうには詳細に検証していかなければなりません。政府の補助金頼みでは本当のカーボンニュートラルの実現はおそらく不可能でしょう。

そこで現状での再生可能エネルギーの問題点について考えていきたいと思います。その問題点を改善できる技術があれば、本当の意味でカーボンニュートラルな世界が実現できるはずです。

現在考えられる再生可能エネルギーとしては、太陽光発電、風力発電、地熱発電などが行われていますが、それぞれにいろいろな問題点がありますが共通する大きな問題が存在しています。それは発生する電気量の振れ幅が大きすぎるということです。当たり前ですが太陽光発電や風力は天候に左右されます。”天候が悪い日は発電できません” では電気を使う方にとっては困ってしまいますね。いまの株式市場で推奨されている再生可能エネルギー関連銘柄はほとんどこういった基本的なことを無視していますから投資対象としてはどうなんでしょうか? 私は別なアプローチで考えます。

また、電気は貯めておくことができません。電池も使わないで置いておくと電気量は減っていってしまいますね。また、長い距離で送電しても減ってしまいます。電気量が正しく送電されないとそれを使用する製品が壊れてしまいます。街全体が停電するのはこういった不具合を未然に回避するためです。


再生エネ、年60日使えず 九電の出力制御実施1年


これは実際に九州電力が実施した出力制限です。こういった対応を取らないと九州全体が大停電を起こしていたかもしれないという有名な事例です。電気というのは需給がぴったり合っていないとうまくいかない代物なんです。

欧州などは陸で広範囲につながっていますから電気が余った時は隣の国に送電するということが可能ですが、島国である日本では難しい話です。さらにやっかいなことに東西で周波数が違っていますので融通がききません。ロスが少ない海底送電用ケーブルで海外に送電するという発想もありますが、敷設コストが高すぎて無理でしょう。しかし、変圧するにしても海底ケーブルがあれば今回台湾で発生している停電騒ぎに協力できたかもしれませんね。それぞれの国によっても事情が違うこともあり、投資をする際にも別に考えないといけません。

次週からはそれぞれ発電形態別に問題点を見ていきたいと思います。