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Weekly Quest 2021年6月21日号


毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。今月のテーマは「再生可能エネルギーの将来性と投資」についてです。


今月のテーマ 〜再生可能エネルギーの将来性と投資について〜


前回は太陽光発電について説明しましたが、今回は「風力発電」について投資テーマとして適切なのかどうか考えていきたいと思います。

○風力発電について

風力発電といえば大きな風車が回り電力を発生させる仕組みで再生可能エネルギの一つになりますが、これが結構厄介で投資対象としては今の技術だと不適切と言わざるを得ません。

まず設置する場所です。北海道で宗谷岬に向かって車で海岸沿いを走っていると陸側にいくつもの風力発電用の風車を見ることができます。しかしこの発電方法は「風まかせ」になりますので非効率極まりないです。常時風が吹くわけでもありませんし、台風にも耐える発電機が開発されていますが、台風の時だけ大量の電気が発生すると太陽光発電の時と同じように需給バランスが崩れてしまい厄介なことになってしまいます。

また、設置場所もやっかいです。最近では洋上風力発電所と囃されていますが、発電した電気を送電する距離が大問題になってきます。電気は長い距離を送電すると小さくなってしまいます。今の技術では電気の量を減衰することなく送電できるケーブルはありませんので、風力発電所近辺で発生した電気を消費することになってしまいます(しかも風まかせ)。ただそれでは非常時には困ってしまいます。

2018年に北海道で大きな地震があり(北海道胆振東部地震)、その後大停電が発生しました。この時に稚内の風力発電所から札幌に電力を送電することはできませんでした。そもそも地震が発生した後、風力発電所は停止してしまいました。

また洋上風力発電には「漁業権」や「海洋環境汚染」といったオマケもついてきますのでコスト的にも適切とはいえないのです。

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以上のことから風量発電に関する投資は現状ではあまりお勧めできません。再生可能エネルギー特有の問題のほか送電ケーブルでの減衰問題があらたな技術で解決されれば面白くなると思いますが、それならその技術を開発した会社に投資した方が効率が良いわけですね。