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Weekly Quest 2021年9月27日号

毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。


今月のテーマ 〜「バイオテクノロジーと投資:認知症」〜


今回は認知症の中の前頭側頭型認知症とその治療薬について考えたいと思います。

この前頭側頭型認知症ですが認知症全体の約1%ぐらいで患者数は少ないですが非常に稀な認知症で脳の前頭側頭葉の神経変性により脳が萎縮していくことにより発症する認知症です。ピック球タウと呼ばれるタンパク質が蓄積していき脳細胞が減少していくと言われています。こういった異常蓄積したタンパク質を分解していく治療方法になるのでしょうが、アルツハイマーの原因も「脳脊髄液」の循環不足によって引き起こされている可能性もあるといわれており、その循環障害の根本治療薬も望まれるところです。

ちなみに脳が必要とする血液の量は毎分800mLぐらい必要です。心臓が体全体に送り出す血液量は毎分4.5Lぐらいですから、脳は1/5ぐらいの血液を消費していることになります。そして最も多くの血液を消費しているのが前頭連合野と言われている部分になります。

この前頭側頭型認知症の症状としては礼節や社会通念の消失などが見られるようになります。身だしなみを考えられない、注意障害や無感情なども見られるようになります。

そして残念なことにこの前頭側頭型認知症の根本治療薬も現在ではまだありません。症状を緩和する対処療法が中心になってしまいます。


以上、2ヶ月にわたって認知症と根本治療薬について書いてきましたがこれだけ医学が進んでも体の不具合、特に脳についてはわからない部分がほとんどということになります。これは生きたままの人間の脳を治療しながらリアルで観察するわけにいかないということがあります。これだけIT技術が進んでいるわけですから、治験の前段階でAIによる治験解析シムレーションができないものなのだろうか?と思ってしまいます。

最後に認知症に限らず色々な病気に対する開発中の治療薬と開発企業のリストをご紹介しておきます。ご参考まで。

新薬開発一覧 - 主な国内開発状況


最後までお読みいただきありがとうございました。