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新型コロナ変異株と市場への影響について

南アフリカでコロナ変異体が新たに発見されその後市場は乱高下しています。現状の確認と今後の考え方をまとめておきたいと思います。


32個の変異箇所


今回南アフリカで発見されたコロナ変異体ですがOmicronと命名されました。このOmicronですが従来のデルタなどと比べてスパイクタンパク質が32箇所も変異しているということです。感染者は比較的軽症で済んでいるということですが、軽症で済んでいるのが「ワクチン接種者」なのかそうではないのか?、また二度目の感染者なのか?詳細は発表されていません。一説には「何度も感染した人が軽症である」とも書かれています。さらに変異体については詳細がわからない箇所もあると言われています。

詳しいタンパク質の解説はこちらのブログで紹介されています。こちらのブログからに引用です。(Katelyn Jetelinaさんのブログより)


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"Red: This means bad. There are nine mutations on B.1.1.529 that we’ve seen in previous Variants of Concern (VOC). P681R is particularly bad news.

Purple: These are new mutations (i.e. not seen in other VOC), but we have lab data to suggest they are a threat.

Yellow: These probably mean something because of their location, but we don’t know what they mean yet. They have not been previously seen in VOC

Blue: We’ve never seen these changes before. They may mean something or may mean nothing. We don’t know yet. We need more data.

Green: This is a mutation that’s been present on all of the variants since early 2020. Not to be of concern."

内容を読んでみるとあまり良い話ではなさそうだというのが一目瞭然ですね。

問題は2つ。一つは「従来のワクチンや治療薬で効果があるのか」ということです。BioNTechとPfizer、Modernaが即座にデータ解析を始めましたが解析完了まで2週間かかるとのことです。


モデルナ株続騰、新変異株対応ワクチンは22年序盤に提供可能と説明


これをみると”必要であれば2022年序盤までに用意できる可能性”となっていますがなんとも曖昧な言い方ですね。要するに既存のワクチンでは対応できない可能性があるという理解になってしまいます。解析に2週間、改良やその後の治験、完成後の認可までおおむね2ヶ月かかるのではないかと言われていますので、その間にどれだけ感染が拡大するのかが鍵になってきます。

気になるのは毒性は弱いかわりに感染力が強力だと言われている点です。

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先ほどのブログのグラフが非常にわかりやすいです。これをみると感染力が超強力であることが窺えます。(B.1.1.529が今回の変異体)

これを受けて米国のバイデン大統領はもし感染が拡大したとしてもロックダウン等の措置はとらないと言っています。


米、オミクロン株対応へ用意 都市封鎖の再導入ないと大統領


これをうけてひとまず市場は好感し米国株も日本株も上昇していますが、問題は米国より中国の方です。香港で二人の感染者が発見されましたが、その後どうなったのか?現状の感染状況はどうなのか?詳しい報道はありません。「症状が軽症で済むのだから大したことはない」と言った声が多く上がっていますが、ことコロナについてはこの楽観的な考え方が大惨事を招いたのが米国でした。

今後の問題で2つ目は「中国国内での感染状況がどうなるのか」ということです。世界的にサプライチェーンが寸断され供給不足が経済に大きな影響を与えておりいまだに解決の目処が経っていませんが、症状が軽くても感染者は隔離されることになり工場などのロックダウンにつながりかねないということです。中国政府は米国の感染症対応が「生ぬるい」として「中国のやり方でやっていく」と明言しています。

China could double down on its zero-Covid approach amid concerns about omicron, analysts say


いくら症状が軽いと言われても、自ら感染する人はいませんので感染リスクを考えると職探しも様子を見ようという人が多くなる可能性もあり、労働市場にとっては完全にマイナス材料です。

以上のことから現状は株価が多少戻っても油断はできないということになります。今後は中国の動向が最重要になってきます。色々な材料を確認してから投資するのが得策ということになります。良い話がでてからでも遅くはありません。

今後の日々の動きはTwitterでもUPしていきたいと思いますので、お時間がございましたら覗いてみてください。

https://twitter.com/Akaoni22878128

最後までお読みいただきありがとうございました。