粗さゲームズ7本目:天下統一より道路敷設

パソコンブームだったあの頃

私が小学生であった90年代中頃、ウインドウズ95の発売により、日本にパソコンブームが巻き起こった。新し物好きな父は当日の仕事を休んで速攻で購入したらしい。おそらく我が田舎町で最初にウインドウズPCを手に入れたのは我が家であったろう。それでインターネットやら、書類の印刷やら、今なら当たり前に出来ることを歓声を上げながらやっていたのだが、当時の私がもっとも興味のあったのは、もちろんゲームであった。

なぜか自宅にあったドゥーム(FPSの元祖みたいなゲーム)に、当時いっぱい出ていたパソコン雑誌の付属CDを見て遊び、それなりに充実したゲームライフを送っていたのである。そしてまた適当に買ったパソコン雑誌に付属していた体験版からハマったのが……信長の野望・烈風伝(コーエイ製)であった(三國志シリーズも好きだったけどそれは後日に)。

天下統一を目指すはずが……

信長の野望シリーズについてはあまり説明する必要もないだろう。戦国時代を舞台としたゲームで、日本各地の大名から一つを選択し、天下統一を目指すゲームである。織田家、武田家、徳川家、上杉家あたりが強い武将が揃っているので、それらを使えば天下統一はそんなに難しくはない。だが大してメジャーではない小勢力で頑張ってクリアを目指すのも楽しいのだ。

そして、この1999年に発売された烈風伝に私は見事にハマってしまったのである。しかし、面白いのは天下統一への道ではない。日本各地に道と街を張り巡らせる作業であったのだ。

このゲームでは城の周囲に城下町を作ることが出来る。これが地味ながら本当にハマるのだ。できるだけ金や兵糧の収入を多くするために、土地の適性をチェックする。川の近くなら水田、それ以外なら町を作り、村を作って兵士を増やし、特産物の恩恵も得る……シンプルだけど発展していく城下町を見るのは本当に楽しい。

さらに面白いのは道作りである。建設ユニットを城から出して、川を治水工事したり、城を建設・増築したりできるのだが、道を敷設することも可能だ。これが地味ながら本当に面白い。あっちからこっちへ道を作り、あそこの支城からこっちの本城への道がないなと作り、特に意味はないが海沿いにも道を作ったりと、領地が広がるたびにまずは道作りのことを考えてしまうのだ。

まあ、もちろん建設をするのにも金が必要だし、せっかく作った道を利用しないのももったいないので、とりあえず軍を編成して他国を攻めよう……

天下統一間際……ちょっと待って!

敵地を攻め、武将を仲間にし、どんどん勢力を広げていく。こうして残る敵大名はあと一つ。敵本城もあと一つ。もうすぐ天下統一成る……

「あ、その前に道作りを……」

そうだ。天下統一してしまえばそこでゲームは終わり。その前に存分に道を張り巡らせよう。というわけで、CPUが全く手を付けていない場所に道を作る。きっと武将たちも訳が分からないまま働いているのだろう。ああ、でも出来ていく道を見るのは楽しい……

そして存分に道を作り、城を作り、城下町を作った後、生殺しにされた最後の大名を滅ぼして天下統一を果たすのであった。

調べたらなんとこの烈風伝、スマホでも出ている! いやあ、凄い時代になったなあ……ぜひとも遊んでみてね。創造パワーアップキットもおススメですよ。

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